シジミチョウ科 2
ホリイコシジミ Zizula hylax
(英名:?)
リュウキュウウラボシシジミ Pithecops corvus
(英名:Forest Quaker)
埼玉県秋ヶ瀬公園、JUN 21 1998:雌のAB型
ミドリシジミは遺伝子のフェノタイプ(表現型)が雌の前翅表面に表れる。0型は無紋、A型は赤紋でB型は青紋、そしてAB型には赤と青の紋がある。AB型は珍しいが、運がよければさいたま市秋ヶ瀬公園のハンノキ林で観察できる。
ところで、なぜ美しい金属光沢に輝くのだろうか。昆虫の色には色素によるものと構造に基づく構造色と呼ばれる色がある。構造色は電子とエネルギーのやりとりなしに、純粋に光だけの作用により作られる色である。言いかえると、屈折、回折、干渉、散乱など光自体の性質が波長により異なることに由来した発色現象といえる(虹を思いだして欲しい)。鱗粉についている多数の筋が多層膜構造になっており、多層膜干渉、回折効果及び隣り合う多層膜の高さがランダムになっていることによる非干渉が働いて美しい金属光沢に輝いて見えることが、電子顕微鏡や光学測定の結果から明らかにされている(木下修一他:現代化学、377、25、2002)。実際に角度を変えてミドリシジミを観察すると別の蝶のように色彩や光沢が変化することからも、光の干渉作用によることが伺える。蝶の仲間ではミドリシジミ以外にコムラサキやカラスアゲハなど本邦でもいろいろな種類で構造色が観られる。
埼玉県秋ヶ瀬公園、JUN 17 2010
埼玉県嵐山町 Jun 12 2005
埼玉県新座市 Jun 21 2003
ルリシジミ Celastrina argiolus
(英名:Holly Blue)
武蔵野では、わざわざと言いたくなるような鬱陶しい梅雨の季節を好んで発生する蝶がいる。ゼフィルスの仲間だ。ギリシャ語で「西風の精」あるいは「微風の精」という意味で、ラテン語はミドリシジミの仲間を指す。雄の翅表が緑色の金属光沢に輝く仲間が多いのでこう呼ばれる。殆どの仲間がブナ科を食餌植物とするなかで、いわゆるミドリシジミはカバノキ科のハンノキを好む。緑色の金属光沢に輝くゼフィルスの雄は気が強いと言われるが、ミドリシジミも例外ではない。夕方の活動期になるとテリトリーを廻って雄同士で激しく争う。
埼玉県秋ヶ瀬公園、Jun 11 2010
埼玉県秋ヶ瀬公園、Jun 17 2010
埼玉県秋ヶ瀬公園、JUN 19 2005:雄の同一個体だが見る角度によって色彩や光沢が変化し別の蝶のようにみえる。
埼玉県新座市 5.26.2013
埼玉県新座市 5.26.2013
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