ギフチョウ
クロアゲハ
ジャコウアゲハ
シロオビアゲハ
ナガサキアゲハ

山原 9.26.2019
沖縄県本部町 May 19 2005

シロオビアゲハ Papilio polytes
 (英名:Common Mormon)

ジャコウアゲハ Atrophaneura alcinous
 
(英名:Chinese Windmill)

神奈川県石砂山 4.5.22

 長野オリンピックで男子滑降コースの会場となった白馬国際スキー場のゴール近くにやってきた。時折雲間から太陽が顔を覗かせる、5月初旬にしては多少蒸し暑い朝であった。少し風も強く、恐らくフェーン現象の影響だろう。

神奈川県石砂山 4.5.22

ギフチョウ Luehdorfia japonica
 (英名:Luehdorfia)

日南 9.22.2011
日南 9.22.2011

ナガサキアゲハ Papilio memnon
 
(英名:Great Mormon)

 このように無毒な種が有毒な種に似せて捕食者から逃れる現象を「ベーツの擬態」と呼んでいる。本邦では他に、ジャコウアゲハに擬態したオナガアゲハやカバマダラに擬態したメスのツマグロヒョウモンなどがよく知られている。

沖縄県本部町 May 20 2005
沖縄県 May 18 2010
沖縄県本部町(雄) 6.21.2002
埼玉県武蔵横手 5.7.2004

 9時を少し過ぎた頃、一頭のギフチョウが森の中からフワフワと漂うように現れ、林縁の河原に降りて日向ぼっこをはじめた。羽化して間もないオスと思われる。やがて体が温まると近くに咲くハルリンドウに移って吸蜜をはじめた。

目次

 日本列島ではまれに迷蝶として九州で確認されるくらいで馴染みが薄いが、沖縄ではもっとも普通に観られる。アジアの熱帯や亜熱帯に生息する蝶で琉球列島は分布の北限に当たる。
 5月、沖縄本島本部町の山村を訪ねたら、梅雨の曇り空にも拘わらずそこかしこに成虫が乱舞していた。お茶をご馳走になった親切な農家の話によると、その辺りは昔、一面茶畑だったそうだ。やがてパイナップルを栽培するようになり、今は殆どの農家がミカン畑を営んでいるそうである。シロオビアゲハの食樹はミカン科で、今では全国に知られるようになったタンカンやシークワーサーは幼虫の好物である。勢いシロオビアゲハの個体数が増加したと考えられるが、案の定、ミカン農家からは害虫として嫌われているそうだ。

途中

クロアゲハ Papilio protenor
 
(英名:Spangle)

山原 9.26.2019
山原 9.26.2019

日南 9.22.2011

日南 9.22.2011

小宇利島 9.27.2019
沖縄県竹富島 Apr 19 2007
沖縄県竹富島 Apr 19 2007

 シロオビという名の由来は後翅に白筋の紋様があるからだが、メスにはオスと同じ紋様のタイプ(Ⅰ型)とベニモンアゲハに擬態したと考えられている赤い斑紋を持つタイプ(Ⅱ型)がある。ベニモンアゲハの幼虫の食草はミカン科ではなく有毒なウマノスズクサ科で、幼虫の時期に有毒物質を体内に取り込み、「毒蝶」として天敵の鳥から忌避されている。シロオビアゲハのメスのⅡ型は遺伝子多型の表現型(フェノタイプ)がベニモンアゲハに似せて翅の紋様に表れたもので、毒蝶と思わせて捕食者から身を守っていると考えられている。

小宇利島 9.27.2019
小宇利島 9.27.2019
小宇利島 9.27.2019
沖縄(雌) 5.19.2010
日南 9.22.2011
山梨県北杜市 8.13.2016
山梨県北杜市 8.13.2016
 周囲の森には幼虫の食草となるミチノクサイシン(ミヤマカンアオイ)が多く自生しており、成虫が吸蜜に訪れるカタクリ、スミレサイシン、ハルリンドウなどがそこかしこに可憐な花を咲かせていた。
 ギフチョウはサクラの開花シーズンに発生するので「春の舞姫」と呼ばれ親しまれている。
 武蔵野ではタマノカンアオイ、カントウカンアオイ、ランヨウアオイなどが幼虫の食餌植物になっていたが開発などによる環境の変化で殆ど自生地が失われ、ギフチョウの姿も絶えて久しい。

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長野県白馬村、May 2 1998
長野県白馬村、May 2 1998
当間 5.15.17
当間 5.15.17

アゲハチョウ科 1b 

アゲハチョウ科

沖縄県石垣島 Nov 21 2006
埼玉県嵐山町(雌) 5.29.2004
沖縄(雌) 5.19.2010