あまりアンサンブルをやった事のない人って
           「一体どんな曲をやったらいいのだろう?」と思うものです。
           ここでは管理人がお勧めする1曲を紹介してみたいと思います。
           ただし、我々が過去に演奏したデータを元に紹介しますので、少しばかり
           紹介する内容はJCEに偏る傾向になると思われますが、ご了承下さいませ。
           皆さんのご参考になれば幸いです。(管理人)
           また我々のライブラリーでこの曲の解説が聞きたいなんてのも
           募集します。掲示板にでもカキコして下さいませ。
           ただし、あくまで我々の見解の範囲内でのお答えになります。
           その辺はご了承下さいませ。

           最初からスペシャルアレンジの紹介とは、ちょっと気が引けますが、
           おいおいオリジナルもアップしていきたいと思っています。(2002.1.18)
 「リベルタンゴ」/A.ピアソラ/J.C.E.スペシャルアレンジ(8重奏)
 編成:Es/4Bb/Alto/Bass/C.Alto
 タンゴ界でピアソラって言ったらそれはもう有名人!もちろんバンドネオンで演奏するのが
普通ですが、大胆にクラリネットアンサンブルにアレンジしたのは私のBand仲間の
「Par T氏」です。ヨーヨーマの
 演奏で有名なこの曲ですが、実際我々が演奏した時も「ヨーヨーマの曲」と言われ苦笑した
記憶が!さてこのアレンジはインストルメンテーションも素晴らしいですが、
何と言ってもタンゴの醍醐味はBassパートにあります。
譜面上は4/4拍子なのですが、8分音符を3+3+2に感じなければならないのです。
 もちろんメロディーは4拍子で感じます。このリズムとメロディーの拍子の感じ方の差をいかに
マッチングさせるかがタンゴの難しい所ですね!それと特筆する場所は低音クラの
スラップタンギングです。もうこの技法はかなりメジャーになってきて、
まぁ珍しくもない技法ですが、このスラップタンギングはまさにタンゴを演奏する為に
あると言っても過言ではないでしょう。私的にはリードの消耗が早くなって
 しまうのが痛い所ではありますが、この技法をマスターしている低音クラ吹きがいるのと
いないのでは、この曲のイメージはかなり違った物になるのではないかと思います。
蛇足ではありますが、出版譜では「タンゴの歴史」「4人でタンゴ」
(いずれもクラリネット4重奏)があります。かなりグレードは高いですが、
 チャレンジしてみる価値は十分ありますよ。
 2002/1/18
 リクディム〜4つのイスラエル舞曲」/J.van.del=ルースト/de haske出版/(クワイヤー)
 クラリネットアンサンブルの定番中の定番!これを知らずしてクラリネットアンサンブルを
語る事なかれ!と言う位有名な曲です。このHPにお越しの皆様はご存知ですよね?
この曲の難点はプレイヤーが沢山必要と言う事意外に難点は見つかりません。
我々JCEで演奏した時は(8人でも足らないのです)
 さらにスペシャルアレンジを実施しました。まだ演奏した事がなければ是非!と言う1曲です。
 譜面上での演奏最低人数=2Es/8Bb/Alto/Bass/C.Alto/C.Bass
 ちなみに我々は2000/3/18に東京文化会館で本番をしました。(中央音楽隊室内楽演奏会)
 関連項目→ここ
 
 I.Andante moderato 2/4拍子
 この曲の顔とも言うべき1楽章は重々しい雰囲気の中にも優雅さを感じる曲です。
 AltoClaのおいしいSoloがあり中間部とD.C前はAltoの出番です。Bbのメロディーの
移り変わりも聞かせ所です。
 II.Allegretto con eleganza〜Allegro con brio 5/8拍子〜2/4拍子
 5拍子の前奏は1.2Claの比較的低い音と3.4/Altoのリズムで始まります。前奏の終わりに
高音Claのみでフェルマータ。そのご熱狂的な踊りへと移行します。2ndCla〜BassClaまでが[
メロディーを担当し、Es/1stが上で飾りを付けます。2フレーズ目からはContraが
参加し厚みが増します。コーダの部分で一瞬テンポが遅くなりますが、熱狂的なまま曲は終わります。
 III.Andante con Dolcezza 7/8拍子〜5/8拍子
 2楽章とはうって変わって、かなりエレガントな踊りです。たぶん4曲中で一番大変でしょう。
奇数拍子なのですが、それを感じさせない優雅さを出す事が大事です。
コーダの部分では最後の音が低音クラが
 先に終わってBb管だけが残るのがとても印象的です。
 IV.Con moto e follemento
 終曲に相応しくかなり熱狂的な踊りです。かなり熱くなる曲なので、どれだけ冷静さを
保てるかが、この曲のみそです。中間部ではテンポはMeno mossoになり
2nd/Altoと3rd/Esの4人が怪しく歌います。
 最後はこの曲の醍醐味とも言うべき「掛け声」をかけます。もちろん全員で「HOI!」と。
 2002/1/21
 17世紀の古いハンガリー舞曲」/F.ファルカシュ/EMB出版(カルテット)
 今回は4重奏の中でもとりわけ有名なやつを取り上げてみました。凄い素敵な曲なのですが・・・
 難しいんです。プレーヤーは4人共に驚異的なテクニックを要求されます。
 原曲は木5らしいです。新しい曲もいいですが、こうして埋もれてはいけない曲を発掘しながら
 アンサンブルしてみるってのもいいもんですよ。 
 編成:Es/2Bb/Bass
 I.イントラーダ Allegro moderato 2/4拍子
 4人の激しい打ち込みで曲は始まりますが、すぐにやさしいメロディーへと移行します。
 とても短い楽章ですが、スラーとスタッカートの差をつけるととても楽しく演奏できるでしょう。
 II.ラッシュー Moderato cantabile 2/4拍子
 この楽章は最初に1stがメロディーを担当しますが、その音程よりも低い音でEsが飾りをつけます。
 その後上2人と下2人に別れますが、すぐに元にもどります。曲を通して1stの独壇場ですが、
 気を付けなければいけないのは、Esがでしゃばらないと言う事です。音色の違うEsがBb管よりも下の
 音程で吹くと言うのは結構難しいもの。
 III.ラポツカシュ・タンツ 3/4拍子
 この楽章は最初4人が同じ音形で動きますが、スタッカートの音の長さを合わせるといいでしょう。
 3種類のクラが同じ様に吹くとなるとそれぞれがかなり意識しないと合わないものです。
 Trioからは下2本が美しいメロディーを担当し、Esがキラキラした飾りを付けます。その後上2本が
 メロディーを担当し、Bassがしたで飾りを付けます。この対象なかなかいいです。
 IV.ウグローシュ Allegro 2/4拍子
 終楽章とあって、かなり熱狂的です。熱くなるのが好きな人にはうってつけ!
 後打ちの人が遅くなってしまいがちなので注意します。Esはかなり高い音程が出てくるので合わせ
 づらいかもしれませんが、がんばりましょう。Bassは・・・4度って難しいんだよね。音間違えない様に!
 展開した場面にくると、2ndが分散和音を!これは難しいです。頑張って練習しましょう。
 この時に上2本はオクターブでメロディーを吹きますが、音程に注意します。Bassはブレスの場所が
 ないので、あらかじめ沢山息を吸っておきましょうね。そして最後の部分ではEsが鬼の様に16分音符
 でキラキラ・・・キラキラ・・・キラキラひたすらキラキラって感じです。聞かせ所ですね。最後の最後は
 あの一瞬の無音。これがいいんです。我慢しましょう。ラスト2小節の為に。
 2002/1/31
 茶つみ」/文部省唱歌/東亜音楽社(カルテット)
 編成:2Bb/Alto/Bass
 日本の歌としてはあまりに有名なこの曲をクラリネットアンサンブルで演奏するとどうなるのでしょう?
 オープニングはBb管がのんびりと序奏を奏でます。Alto&Bassは下で妖しくハーモニーを担当。
 その後テーマが出てきますが、この場面はかなりゆっくりです。メロディー担当のBb管の人は
 思い切り歌いましょう!1フレーズ終わると引き続き楽しげな雰囲気でもう1度テーマを。次にリズムを
 変えながらAltoとBassが別々にSoloを!AltoのSoloは楽しげに。BassのSoloは牧歌的に。
 途中でサビが入りますが、ここはかなりミステリアスに演奏しましょう。妖しーく吹くのです(全員)
 再びBb管が楽しげにテーマを吹き曲はエンディングへと向かいます。オープニングと同じ事を繰り返し
 最後はBassが曲を締めます。誰でもしってる曲なので、メロディーはあまり崩さずに楽譜通り吹くのが
 いいでしょう。楽しい曲です。編成も変わっててGood!
 シャリュモー・プレイズ・ガーシュイン」/G.ガーシュイン/磯崎淳博氏アレンジ(カルテット)
 クラリネットのアレンジャーとしてあまりに有名な磯崎氏の素晴らしいアレンジによるクラリネットの
 為のガーシュインを紹介します。この曲は「Strike up the Band」「Someone to watch over me」
 「I got rhythm」の3曲からなるメドレーで、どれもとても有名な曲なので曲の解説は省きますが、
 ここで注目したいのが楽器の編成なのです。プレイヤーは上記の通りカルテットなので
4人のプレイヤーで演奏する訳ですが、使用するクラリネットは全部で10本です。
ここで「はっ?」と思われた方。不思議ですねぇ。そうです。各パートが持ち替えて
演奏するのです。1st PartがEs、Bass、Bb、2nd PartがBb、Es、Bass、
 3rdPartがBassetHorn、Bb、4th PartがBass、Bbを使用します。
 「Strike up the Band」では最初にEs/Bb/Basset/Bassの編成で曲は始まります。
途中で2ndがBbをEsに持ち替え、Es/Es/Basset/Bassの編成で。
 「Someone to watch over me」に曲は変わり、上の2PartがEsからBassに持ち替え
 Bass/Bass/Basset/Bassの低音’sでの演奏になります。低い音がとても渋いです。
 BassetがおいしいSoloをとります。「I got rhythm」では、めまぐるしく持ち替えが・・・。
 2ndがBassのまま8小節おきに4.3.1Partの順でがBbに持ち替え、
最終的にBb/Bass/Bb/Bbになります。しばらくすると2ndがEsに4thがBassに持ち替え
Bb/Es/Bb/Bassという編成に変わり曲は終わりに向かいます。
 特筆すべきは音楽が止まる事なく絶妙のタイミングで各パートが楽器の持ち買えをし、曲の素晴ら
 しさもさる事ながら、見ていてもとても楽しい曲です。何てったって4人で10本のクラリネットなんて
 とってもゴージャス!しかし演奏する方はとっても大変な事を要求されて、そりゃぁもう!って感じです。
ま、1曲の中でEs〜Bassまで吹かなくてはいけないのだから(笑)
 ちなみにこの曲、レンタル専用で市販はされていません。どこでレンタルされたか知りたい方は
 JCE管理人までお気軽にお問い合わせ下さいませ。
 「フランス組曲」/I.デポルト/サザンミュージック(カルテット)
 この曲はBb×4と大変スタンダードな編成ですが、その内容はとても濃く、また親しみやすい
 メロディーがふんだんに盛り込まれています。4Bbと言うスタンダードな編成なので、それなり
 の腕があればかなり楽しめる作品ではないかと思います。頑張ってチャレンジしてみましょう。
 T.プレリュード 4/4拍子 Allegro vivo
 組曲の最初を飾るに相応しい華やかな曲です。
 冒頭から終わりまで、絶えず16分音符がそれぞれのパートで奏でられ、
それに優しくも快活なメロディーが花を添えます。
 U.サラバンド 3/4拍子 Andante espressivo
 4thの伴奏に上3本が大変綺麗なメロディーを歌います。
6度の不思議なハーモニーは吹いていてとても気持ちがいいですよ。
 V.ガヴォット 2/2拍子 Allegretto
 4本一体となり快活なメロディーが終始表れます。
2,3番のハーモニーの付け方がかなりミソとなる場面がしばしば。
 W.メヌエット 3/4拍子 Allegretto
 この曲はメヌエットとは言ってもかなり怪しい雰囲気を持つ曲です。1小節おきに訪れるダイナ
 ミックスの大きな差はかなり衝撃的。トリオでは2ndがかなーり怪しいメロディーを担当します。
 X.ブーレ 2/2拍子 Allegro
 この曲は8分音符が鍵を握る曲となります。絶えずどこかのパートがメロディーとして、あるいは
 伴奏として8分音符を演奏します。テンポ感の相違に注意して曲の流れに注意しましょう。
 1小節おきに違うパートが奏でるメロディーも、あたかも1人で吹いている様な錯覚を覚える。
 聞いている人にそんな印象を与えられたらしめたものです。
 Y.ジーク 12/16拍子 Presto
 終曲に相応しく、かなり派手な構成の曲です。下から順にフーガ形式で
メロディーが重なって いきます。各パートの聞かせ所があります。
 
花の謝肉祭」/磯崎淳博/レンタル(BIMSエディション)(8重奏)
磯崎氏の謝肉祭シリーズを紹介します。
第1回目として季節柄この曲をチョイスしてみました。
謝肉祭シリーズとは?と思う方いますよね当然。一言で言ってしまえば
メドレーです。しかもクラシックから演歌までの超寄せ鍋的なアレンジ。
収録曲は「花の街」〜「花」〜「バラが咲いた」〜「酒とバラの日々」〜「バラ色の人生」〜
「野ばらに寄す」〜「野ばら」〜「野バラ」〜「南国のバラ」〜「花はどこへいった」〜
「同期の桜」〜「さくらさくら」〜「チューリップ」〜「花のメルヘン」〜「花とおじさん」〜
「愛の水中花」〜「からたちの花」〜「からたち日記」〜「ひらいたひらいた」〜
「すみれの花咲くころ」〜「シクラメンのかほり」〜「赤いスイートピー」〜「くちなしの花」〜
「さざんかの宿」〜「椿姫」〜「あんこ椿は恋の花」〜「花のワルツ」の27曲です。
これが約5分ちょっとで演奏が終了しますので曲名を考えている暇がありません(笑)
プログラムの中にちょっと入れてみるとアクセントになっていいかもしれませんね。
親しみやすい曲が多数収録されていますが一番喜ぶのは40代後半でしょうか?
しかしながら老若男女全ての年齢層に支持を受けると思います。
グレードは3〜4と言ったところです。オリジナルの曲のイメージを大事に
して演奏したいならテンポはかなり変わると思います。