キンデルダイク Kinderdaijk
オランダ南西部の風車群で知られる地域。
港湾都市ロッテルダムの南東に位置し、川の両岸に風車が立ち並び、オランダらしい風景が広がっています。
一帯は地面が海面より低く、海抜マイナス2mの場所もあります。
古くから洪水の被害に見舞われて、1421年、60もの村が洪水の被害に遭いました。この時赤ん坊の入ったゆりかごが流されたのですが、ゆりかごには猫が乗っており、かごのバランスをとって赤ん坊は助かったという物語があります。このゆりかごのたどり着いた場所がキンデルダイクであったと伝えられ、村の名前の起源となりました。
キンデルダイクとは“子供の堤防”という意味です。
風車によって干拓が進んだ後も、自然の脅威は完全になくなったわけではありません。
かつて、外国の軍隊の進撃を拒むため、オランダ人は自らの手で水門を開き、国じゅうを水浸しにしたこともありました。
風車:風を動力源として利用する装置で、7世紀頃、ペルシャで使われていた簡素な風車が起源といわれています。オランダへの伝来は10世紀頃で、主に製粉用に用いられていました。15世紀には、国土の1/4に及ぶ湿地を干拓するため、排水用としての利用が始められ、17世紀以降はオランダ全土に普及しました。最盛期の19世紀中頃には、オランダ国内に1万基の風車が設置されていました。
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風車群
現在キンデルダイクには19基の風車が残されています。そのうち最も古いものは1738年に建てられたもの。
住むための土地を造り出すためには、湿地の水を汲み上げ、乾いた土地にする必要がありました。まず湿地帯の周りに堤防が築かれ、堤防の内側の水を汲み上げるために風車が造られました。
近代テクノロジーの導入によって一時は過去の遺物となった風車ですが、最近では環境に優しいクリーンな動力源として再評価されつつあります。
風車同士は水路で繋がれ、風車が汲み上げた水は、隣の風車によってさらに高い位置へと送り出されます。最終的に水は高いところにある排水用の水路へ流されます。
現在ではポンプを利用した排水設備に取って代わられ風車は実際には利用されていませんが、夏の観光シーズンには毎週土曜に全ての風車が回され、運河からその姿を眺めることができます。
風車の脇に建てられている小屋にはかつて風車の所有者や管理人が住んでいました。
風車の内部にも居住空間があります。
羽の位置によって遠方にメッセージを送ることができます。羽が中心からやや左に傾いている時は、村に不幸があったサイン。やや右の時は結婚などの祝い事のサイン。45°の角度の時は風車は長期休止中、垂直の時は操業中というサインになります。
■オランダのおみやげ: マグカップ、 デルフト焼
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