ゴルフィング・メソッド

直線上に配置

要旨

  クラブの構成部品であるヘッド、シャフト、グリップの夫々の質量に因りクラブの重心点
  が定まり
、グリップエンドから重心位置までの長さであるバランスアーム(A)が
確定
  します。
  
そのAの長さを決定付ける主要因はヘッドの質量ですが、長さの調整に大きく関与するのが
  グリップの質量です。
   

        
  これら三つの部品の各質量がそのクラブの静的なバランスに与える影響について
  考えてみましょう。

  勿論、実際のスイング中のクラブのバランスは動的なバランスであるいわゆる
  
Ms=W・(A−20)で表されるクラブの慣性モーメントですが、
  これから分析する静的なバランスは
Msの重要な根拠となるバランスアーム
  
を定義して提供してくれる重要な要件なのです。


クラブの概略図














      H;ヘッド    Hw;ヘッドの質量   

   S;シャフト    Sw;シャフトの質量   Sl;シャフトの長さ

   G;グリップ    Gw;グリップの質量   Gl;グリップの長さ

   L;クラブの全長  P;クラブの重心点    A;バランスアーム 

   W;クラブの質量



  解析の簡便化のために次のような仮定を前提として進めます。

   ヘッドの質量はシャフトの先端に集中しているものと見なす(Sl=L)
   シャフトの質量は断面及び長手方向に均一で、長さはクラブの全長と見なす
   グリップの質量は断面及び長手方向に均一と見なす

  静的なバランスのモーメントの関係式により次式が成立します。

  Hw・(L−A)+{Sw・(L−A)/L}・(L−A)/2

=(Sw・A/L)・A/2+Gw・(A−Gl/2)

 また、W=(Hw+Sw+Gw)であり、結局Aは、次式に集約されます。

A=(Hw・L/W)+(Sw・L/2W)+(Gw・Gl/2W) 

 この式から、クラブ長さLを固定するとヘッドの質量HwでバランスアームA
 大きさの根幹が決まることが分かります。

 しかし、Hw,Sw,Gwの増減変化についてはどうでしょうか?

ヘッドを重くする場合、シャフトを軽くする場合、グリップを軽くする場合です。
いずれもAを大きくするのですが
一番大きくするのはグリップを軽くする場合で、
次にシャフトを軽くする場合、次いでヘッドを重くする場合
となりま
す。

ここで要注意はヘッドの場合にはグリップやシャフトの場合とはクラブの重さの増減が
反対になる
ことです。

この現象はクラブの調整には非常に重要なことで、リップとヘッドの質量調整で
クラブのバランスアームAを効果的に調整することができるのです。

(調整の項参照)

次に、クラブ長さLを増減させるとバランスアームは比較的に大きく増減することが
分かります。
長いクラブはバランスアーム
が長くなり、クラブを短く握るとバランスアーム
短くなったようにスイングが軽く感じられます。

(バランスアームの影響はクラブ解析その2の項参照)

    
                            

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