神道 しんとう

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■説明

 神道とは、日本古来からの土着の民族宗教で、神社で神職によって執り行われる農耕儀礼を中心とした宗教的儀式です。その儀式や概念は、正月の神を迎える門松や、七五三、そして神社で行われる各種祭りを通じて、普段の私たちの生活習慣にまで入り込んでいます。
 普通宗教は、教主と経典(教え)を持ちますが、神道はこの両方を持っていない原始的な宗教です。唯一、神典とも言えるのは、日本書紀・古事記、風土記などに代表とされる書物で、ここに書かれている神々やその神話が神社の由来・縁起となり、信仰の源となっています。これら縁起の書物も各神社によって異なっており、主に天津神(天照を中心とする天孫系)では日本書紀・古事記、国津神(須佐之男・大国主を中心とする出雲系)では風土記を由来としています。
 飛鳥時代に仏教が伝来して以降、神道は衰退します。奈良・平安時代、宮中には神祇官が置かれ、宮中の神祭が執り行われていますが、総じて僧侶の法会が重要視され、形式的な儀式のみが行われました。
 各神社についても、平安時代には僧職である検校が置かれ、石清水・春日・日吉・祇園の各神社でさえも僧侶が権威を振るうことになります。以後、明治時代になるまで、神官は僧侶の配下とされ、神仏習合のもと仏教に取り込まれていきます。
 これが一変するのが、明治に出された神仏分離と廃仏毀釈運動です。それまで仏教の中に居た神道を仏教から分離させ、神道を国家宗教とした為、それまで僧侶の下に居た神官が僧侶と仏像を排除する運動を起します。以後、廃仏毀釈運動が治まったあとも、戦前までは天皇を頂点とした国家宗教として政治に利用されます。
 戦後は、GHQの神道指令により国家政策と分離され、宗教法人 神社本庁が総括する宗教となります。現在は、その下で 8万社の神社が宗教活動を行っています。

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