日本経済とIT革命
●2000年2月「フォーブス誌」の資産家ランキングで1位は
ビル・ゲイツ、2位は孫正義であり、トップ5のうち4人は30
〜40歳台であった。これを見て、今直面している経済は「
革命的」であり、「日本人もその真っ只中」にあると感じた。
ネット関連株の高騰により、億ションを現金で購入する若者
が日本でも増えているという。ネット関連株はバブルか?
PC関連株の自価総額は600兆円、これに対しネット関連は
100兆円、少しバブル気味な感じがある。しかし、アメリカの
ネット関連企業が140社から3社程度に淘汰されたように
日本でも同じ現象が起きるであろう。いわば、ハイリスク・ハイ
リターンであるので、1回の失敗で挫折するのではなく、敗者
復活できる制度の整備も必要となってくる。
●日本経済は良いのか、悪いのか。日本には2つの国がある。
ひとつは、海外に対してオープンで常にグルーバルに切磋琢磨
している海の国であり、もうひとつは政府の保護や規制に
守られた山の国である。日本は海の国と山の国はせめぎ
あっている世界である。与党亀井静氏は山の国の守護神。
2000年1−3月期の成長率はかなり高い値になりそうである。
日本経済は着実に回復に向かっているが、海の国の成功事例
を広く開示し、山の国から海の国への脱皮を図ることが
今後重要になってくる。
●90年代リストラが進行したが、リストラにも2通りある。首切りや
給与カットなど所謂3つの過剰(人、設備、借金)の解消を目指す
リ・アクティブ・リストラクチャリング(受身的リストラ)と企業の枠
組の再構築を目指すプロ・アクティブ・リストラクチャリング(能動的
リストラ)である。この能動的リストラの中核がIT革命である。
冷戦の終結により市場経済は27億人から57億人になった。この
新市場を開拓するにあたって、アメリカの西部開拓の精神(フロン
ティア)はプラスに働いた。その結果アメリカ経済は飛躍的な回復
を遂げたのである。
●デジタル化とは情報を1と2の数字の配列に直すことである。
IT革命は18世紀の産業革命にも匹敵する価値観やライフスタイル
を大きく変えるものである。アメリカ経済において、経済成長のIT
部門の寄与は50%を越えるといわれている。
●IT革命とは、トランザクション・コスト(流通コスト)を
0にする革命であり、大きなポテンシャルを秘めている。また、IT
革命は全員参加が可能な国民運動である。どのように我々の
ビジネスに活かしていけるだろうか。IT革命においては、プラット
ホームをいかに獲得するかが重要命題である。プラット・ホーム
とは企業と消費者の接点のこと。PCは当然であるが、コンビニも
忙しい現代人にとってはプラットホームであるし、郵便局は埋もれた
プラットホームである。プラットホームはダイナミックに変化しつつある。
PCからi−mode、プレステ2そしてBS−デジタルなどのデジタル
家電へ。プラットホーム獲得のためにマイクロソフトはソニーを買収
しようとしていたらしい。
●IT革命でいくつかの可能性が見えている。広告と営業の一
体化である。YAHHOOには1日に新宿駅乗降客の40倍の人が
アクセスしている。そこにバイナリー広告を出すことでHPにアクセス
させ、商品購入までもっていくことが可能なのである。