今年の日☆経済見通しとわが国の基★的課題
1 はじめに
「企業と国は不可分」との認識から「次の世代に向けた国づくり」をテーマに経団連内に基本問題検討委員会を設置し,わが国の基本問題と今後の方向性について検討を実施。(内容は3)
2 2006年日☆経済見通し
・堅調に成長軌道を辿る年となる。実質成長率2.0%程度か(2005は同2.7%)。
・設備・雇用・債務の所謂「企業の三過剰」が解消。債務返済が一巡したことでCFは設備投資に向かっている。また,有効求人倍率が1.0となるなど,余剰感よりも人手不足感が広がりつつある。デフレから脱却したことで,春先以降日銀の量的緩和政策が解除され,短期・長期金利ともに上昇か。
・米国や中国の経済動向,原油価格の高騰,自然災害・テロの脅威,ポスト小泉に伴う政治空白などリスク・ファクターもあるが,現在の状況から総じて,日本経済はマクロで成長することは間違いない。
3 日本の基★的課題について
・現憲法が戦後日本の発展を支えてきたことは間違いないが,外部環境の変化に対し綻びが目立ってきている。第9条について,侵略戦争の放棄の思想は不変ながらも,自衛権・国際協力のための自衛隊保持は明文化すべき。第96条(憲法改正要件)については,変化を求められる時代に,両院各々2/3の賛成が必要かどうか。国民投票過半数があるのだから,過半数で良いのでは。
・テロの脅威が高まる中,国内外の安全を確保する必要あり。具体的には,日米関係の強化,国連との協調。中国や韓国など東アジアとの連携を強化することも重要か。
・財政に関しては,774兆円(GDPの1.5倍)の累積債務を抱え危機的状況にある。2011年までに,実質的な歳出と歳入とのプライマリー・バランスを均衡させるとしているが,15兆円の歳出削減が前提であり,かなり厳しいのでは。歳出では社会保障費,特に4割を占める医療費の改革が不可欠。歳入では,法人税・所得税は上げる余地無いため,消費税上げしかない。欧米並みとは言わないまでも10%程度は。
・少子化時代では,労働生産性向上に向け国民一人ひとりの質を高める「教育」の充実が必要になる。多様な価値観を創造する力を身につけるよう教育基本法の改定を。
4 最後に
・新時代の経営のポイントは「お客さまの声を聞く」「オリジナリティをもって施策を展開」「スピード」の3点だと思う。リスク管理,リスクを踏まえた上での挑戦が必要。