「会社とは何か」 日本経済新聞社編 日本経済新聞社 \1500 |
2005年3月から2006年7月にかけて日経に連載された「会社とは何か」を編集したもの。バブル崩壊後の失われた10年,そしてデフレスパイラルに苦しんだ5年。この15年の間に会社の意義や目的が大きく変わってきた気がする。勿論,会社とは生き物であり,常に変化しているわけで,この本に「会社とは何か」の答えが導き出されるものではなく,会社が現在模索している一形態が垣間見れるに過ぎない。ただ,その会社で働く我々は,世の会社が進むであろうトレンドを知っているのと知らないのとでは大きな違いがあると思う。 (2007.1.22) |
「はじめての後輩指導」 田中淳子著 日本経団連出版 \1260 |
此の本,結構ハッとさせられることが多い。後輩指導というよりも,部下指導の観点から管理職が読むに相応しい内容か。「指導・チーム運営の基本」と「やる気を引き出すポイント」の2部構成で,各々15項目,合計30項に分けられてゐるが,140ページ程度なので一気に読める。基本的なことがかかれてあって,「なるほど。なるほど。」とうなずきながら読んでしまった。此の突飛ではなく,至極当たり前の内容が新鮮に感じるのは,自分のマネジメントに慣れみたいなモノが出てきた証拠か。基本に忠実に,そして正面から,そんなことを反省した次第です。今度,管理職を集めた剣集で紹介してやろーっと。(2007.1.12
ブログより) (2007.1.17) |
「熱狂する社員」 デビッド・シロタ著 スカイライトコンサルティング \1995 |
従業員のモチベーションをアップさせるのは,「公平感」「達成感」「連帯感」の大きく3つであると冒頭に整理され,そこから各々について詳述されていく。非常に論旨が明快で読みやすい一冊。自分のHRM経験を振り返っても,やはりこの3つに尽きるのかもしれないと思う。ただ,分かっちゃいるけど,なかなかに難しい命題なんだよね。あちらを立てればこちらが立たずってやつですw。本の題は多少大袈裟だが,HRMの真髄というかポイントを押さえるには恰好の本です。 (2007.1.12) |
「人口減少 新しい日本をつくる」 日本経済新聞社編 日本経済新聞社 \1575 |
昨年から日本の人口は減少局面に入ったが,実は20年くらい前から出生と死亡の関係で,人口は減少局面に入ることが分かってたのだとこの本を読んで初めて知った。平均寿命の延びと出生数の低下。理屈でいうと日本人は将来絶滅するかもしれない。今から人口増加政策をとっても,タイムラグがあるので,しばらく下降線を辿った後,20〜30年後にようやく上昇するのだと言う。もうこうなりゃ,超高齢化を念頭に全てを考えていかなきゃいかんわけで。インフラはどんどん整備され,便利な世の中になるが,一体誰がその財産を維持していくのか。昨年,財務関係の本を読んだ時同様,背筋が冷たくなった。 (2007.1.5) |
「パラサイトミドルの衝撃」 三神万里子著 NTT出版社 \1600 |
「なぜ45歳は傍観者となったのか あなたも気付かないうちにパラサイトの道を歩み始めている…」。何だかおどろおどろしひタイトルに惹かれて読んでしまったのだが,要は,45歳以上のオジサン方の中には,若い人達にパラサイト(寄生)して何もしなひ人が多ひと謂ふ現実がありませんか,って本なのだけどねw。まぁ,何故45歳なのかってのは,詳細に書かれてあるので説明は控へますが,確かに其の手の御仁は数多く見かけますな。そういう意味では読んでて非常に共感できますた。同時に,自分もパラサイト化してなひか,なんてコトも考えたりしてねw。 旧来の日本企業におけるヒアラルキーが崩壊し,社内の役職や序列に存在意義を見出す世界から,個々の能力や情報収集力によって仕事を行う時代に移行する中,ITについていけず,旧来の価値観を引き摺るオジサマは凋落していく訳ですよ。今こそ,情報を操る技術と能力を身に付け,オジサマ達は独立開業するのだー。と叱咤激励,鼓舞しているのだが,これをお読みになったオジサマ方はどのように感じるのか,ってとこが一番興味がありますバイ。高給取りのLow-performerの活用は,何処の企業にとっても重要課題だと思うけど…。 それよりも面白かったのは,冒頭に出てくる「中位年齢」(年齢順に人を並べた時に真ん中にくる年齢)の話。2000年の日本の中位年齢は41.5歳であるのに対し,アメリカは35.2歳,世界平均は26.4歳らしひ。社会の中での位置づけは,俺は米人の35歳と同等って事なんだよね。世界有数の企業のトップが30,40歳代なのも当然の事だと思うよ。 まぁ,いろんなコトを考えさせられた一冊でした。 (2006.1.6) |
「超・成果主義」 加藤昌男著 日本経済新聞社 \1800 |
成果主義の瓦解などと叫ばれて久しいが,成果主義の欠陥を指摘することは容易いのであり,その先の答えを見出すことに多くの方が頭を悩ませているのではないか。また,言葉の使い方の問題もあって,「成果主義」=「査定主義」=「個人主義」となっていることにも問題があると思う今日この頃。そして,幾多の本で,日本はチームプレーで高度成長を果たした国であり,アメリカの成果主義(=個人主義)は馴染まない,よって,チームを重視した人事処遇制度に戻るべきと謂う,所謂大政復古の大号令ならぬ懐古主義的な論調が目立つのである。一方で,最近感じることは,従業員の就労意識が確実に変わってきていること。会社へのロイヤリティよりも自分らしく仕事がしたいと思う方が多くなっていると思う。だから,チームプレーを求める中で,個々のモラールを維持しつつ,成果を上げると謂う複数の命題を解決しながら業務運営を担っていかねばならぬ管理職は,もはや管理ではなく,正にマネジメント能力が無ければやっていけないのである。 その辺りのヒントが読み取れる一冊。って参考になったかな〜(笑) (2004.9.20) |
U35世代 僕と仕事のビミョーな関係 サントリー次世代研究所 日本経済新聞社 |
プロローグより ・私たちは,これまでも若い世代に焦点を当てていくつかの調査をしてきた。その中で将来のことに関して多くの若者が「サラリーマンにはなりたくない」と語っていた。理想の働き方は「ライフスタイルと仕事を一致させたい」であり,その対極に位置しているのがサラリーマンなのだ。サラリーマンは「ストレスが多そう」「自分がない」「いつも疲れている」などのイメージで一塊に語られていた。 ・この本に登場するのは,そんな学生時代の気持ちとは裏腹に結局はサラリーマンという働き方を選択し,組織の中で働いている人たちだ。25歳から35歳まで,仕事に就いて数年が経っており,組織のことはある程度理解しているが,管理職ではないU35世代である。サラリーマンに対してネガティブな感情を持っていたのであれば,職業選択において,最初から妥協があった可能性もある。それ故面白くないことがあると,すぐに「思っていたのと違う」という気持ちが頭をもたげ,否定的な言葉が出てしまうのであろう。サラリーマンになった若者たちがボタンの掛け違いと思っていることをクリアして,前向きに仕事に取り組む可能性はあるのだろうか。 ・「ライフスタイルと仕事を一致させたい」とは多くの人が望んでいることだ。しかし,仕事にする位「好きなこと」を見つけることは難しい。昔に比べると,今は職業選択の幅が広がり,またフリーターでも何でも食べていける状況がある。入社時点で「好きなこと」が見つかっていればサラリーマンになる必要は無かったともいえる。好きなことがないから,見つけられないからと,消去法で選んだのが,サラリーマンということはないだろうか。 ・もうひとつの問題は,自分自身は「好きなこと」を見つけられずに悶々としているのに,世の中には好きなことを仕事にして,若くして成功したという話があふれていることだ。起業家として活躍しているという人も多く,パティシエや美容師などの職人的仕事でもカリスマと呼ばれるような人が話題になる。 ・好きなことを仕事に,というのは当事者が思っているだけでなく,社会的な呪縛となって若い世代を縛っている。「好きなことを見つけられない」「もっと自分に合う仕事があるはず」という思いが一種のトラウマとなって若い人たちの元気を削ぐ結果を生んでいるのではなかろうか。 ・この本を書こうと思った動機はとても単純だ。会社で自己充足できない多くのサラリーマンに元気になって欲しい,それに尽きる。仕事は人と社会を結ぶ大事なメディアだから,仕事が面白くできなくて,夢や希望を語れるはずもない。だからと言って夢や希望を持て,と号令をかけるつもりはない。同じ世代の働き方や,仕事へのスタンスを知ることで仕事を面白くするってどういうことなのかを考えよう,という提案だ。よくある「会社で上手に立ち回るノウハウ」を伝授する本でも,もちろん自己啓発の本でもない。今の複雑な社会の中では,いつも明るく前向きに生きられるはずもなく,思考停止を促すマニュアルやメソッドはむしろ思考の邪魔になってしまうかもしれない。 ・時代は大きく変わっているので,昔型の滅私奉公や,熱い企業戦士として闇雲に走るだけでは仕事の成功はおぼつかない。それに企業の中で成功すること自体,若い人にとっては魅力的ではないだろう。出世栄達が目的であるならば,少なくとも目標は明確なので今の時点で悩む必要はない。今の若い人の問題は,仕事に対する明確な目標が無い中で,成長の実感を得たい,と思うからこそ生まれるのだ。目先の仕事に追われる毎日,変わり映えのしない職場に安住して,停滞している自分に悩んでいるのである。 ・迷っている人,疲れている人,逃げ出したい人に読んで欲しい。同世代が何に悩み,何に希望を見出したかを知ることは決して無駄ではない。それが今のもやもやした気持ちを切り替えるための,小さいけれど確かなきっかけになるととてもうれしい。 ・仕事とのビミョーな関係,少し見直して,リ・スタートさせてみてはどうだろう。 終章:仕事を好きになるためのヒント 「やればできる自分」を担保しない ・本当に悩まなければならないのは,信頼している人から評価されない時だ。そのときこそ,自分の仕事のやり方や能力に真剣に悩む必要がある。大事なのは,周囲からどう見えるかより,今の自分を自分で評価できるかどうかだ。自分なりのプライドや仕事への思い入れが評価の軸なのだから。自分の評価と会社の評価に本当に齟齬があれば,仕事の幅を広げるなり,異動を働きかけるなりして動きだすことだ。それが自分の評価に対する答えになる。努力もせずに嘆いていたのでは,自分自身を欺くことになる。「やればできる自分」を担保しておくことは,自分を甘やかしているだけである。 成長とは自分を超えること ・本当にやりたい仕事があるのならば,自ら努力するしかない。誰かが気を利かせて面白い仕事を与えてくれることなどあり得ない。不満を言うのではなく,自己主張というリスクを取った人だけが,自分の仕事を手に入れている。成長とは今の自分を超えること。人に期待しても意味は無い。 長い目で自分を見る ・自分に恥ずかしくない格好良い働き方を目指す人たちには,まず自分が生きるためには仕事が必要だという認識がある。働くことは娯楽ではなく,生きていくための必要条件。その前提があれば,仕事の好き嫌いに必要以上にとらわれることなく,仕事に向かうことができる。その結果としてどんな仕事にも前向きな姿勢が持てる。 ・もうひとつ大事なのは,目先のことにとらわれず「仕事をする自分」を長い目で見ていることだ。自分なりのビジョンを持ち,そこに至るプロセスを自覚すれば,仕事のしんどさや面倒な人間関係を,乗り越えるべきもの,面白い経験と感じることができる。 「自分らしさ」にこだわらない ・最初から順風満帆なんていう人は少数派だし,そのまま安泰という保障もない。きっかけなんて難しく考える必要はない。大事なのは,傷つくことを恐れずに一歩踏み出すこと。悩んだり,苦しんだりするからこそ,知らなかった自分と出会える。 ・自分のことなんて,わかるようで結局はわからない。「自分らしさ」にこだわると,自分の成長を自分で妨げていることになりかねない。「自分らしく働きたい」と思ったら,今の自分にこだわらず,変化する自分を認めること。仕事を好きになれば,自分のことだってもっと好きになれるはずだ。会社のためでも,上司のためでもなく,自分のために…。 |
「CSR」Corporate Social Responsibility 〜企業価値をどう高めるか〜 高 巖 + 日経CSRプロジェクト編 日本経済新聞社 |
・CSR=「企業の社会的責任」と和訳され,コンプライアンス経営と相まって限定的に捉えられることが多いが,基本は,ステークホルダー全てに社会的責任を果たすという幅広い概念。 ・よって,社員の満足度を高めることもCSRのひとつ。現場の社員が元気になる会社〜CSRと人材活性化〜 ・現場に「わくわく感」が溢れ,元気な社員が活躍する会社 ⇒ @社員が会社を誇れること,A自己実現が達成できること ・働くことへの意識の変化,時代の変化を正しく認識することが大事。旧来の「仕事=生活の手段」という概念から,「仕事そのものが自己実現の場」(仕事を通じて知的な精神的に豊かな生活を送りたい)という概念へ変化している。⇒その企業に就職することで,自らの職業能力をどのくらい高め,労働市場での価値がどのくらい上がるか。 ・3年程度のキャリア目標を設定させ,それに近づくにはどうすれば良いかを考えさせることが効果的である。 ・会社としては,社員が「自律のキャリア形成」をし易いような環境を如何に用意するか ⇒ 社員自らがコーチ(上司に限らない)を選択し,指導を仰ぐ制度 企業事例紹介 ・資生堂…wiwiw(ウィウィ)=育児休職者のキャリアアップ支援プログラム,CSR部男女共同参画グループ ・ダイワSRIファンド(Socially Responsible Investment) まとめ ・CSRは,企業人である前に,良き市民であることを求める。つまり,ゆるやかな企業と社会のつながりを活かしながら,発展する企業社会を作ろうということ。 (2005.8.20) |
「組織行動の考え方」 金井壽宏+高橋潔著 東洋経済新報社所 \2400 |
経営学の必修科目「組織行動学」の入門書なんだそうな。はっきり云って金井先生の名前に惹かれて購入したのだが,非常におもしろい内容であった。一度読んで,ブックレビューを作成にかかったのは良いが,ポイントがたくさんあって,普通は3枚程度にまとめるところが6枚にもなってしまった(笑)組織行動学の体系的整理からキャリアデザインや360°評価まで,内容は多岐に亘るが,素直になるほどとうなずけるものばかり。人事業務(広義)を携わる人は勿論,管理職の方には是非読んでいただきたい一冊。「9つのキーコンセプトを中心に,組織に生きるひとの生き方,働き方,働かせ方を考え」てみようではありませぬか。。 (2004.8.23) |
「サーバント・リーダーシップ」 ジェームス・ハンター著・石田量訳 PHP研究所 \1400 |
本の題名のとおり,今後のリーダーシップやマネジメントは「奉仕」の気持ち・思想が大事だってことを物語仕立てで読ませてくれる一冊。ビジネス書も読みなれると,気にならずに一気に読めるが,たまにはストーリーに身を任せるのもなかなか楽で良いですな(笑)本の帯に「命令型マネジメントから奉仕型リーダーシップへ」とあるのだが,最近,それを痛切に感じることが多い。これだけ価値観が多様化すると,全員をひとつの価値観の元にマネジメントしていくことは難しいと思う。となれば,まずはひとりひとりの価値観を踏まえ,そして,それを尊重し,マネジメントしていくことが大事なのではなかろうか。コーチングやサーバントなどが注目されるのは,そういうところにあるのではないかと思う。文中にもあるが,「他者への奉仕が単なる「甘やかし」や「ぬるま湯体質」ではなく,本当に相手を受け容れるがゆえに,自分にも相手にも120%の力で役割を果たすことを要求する。ウォンツ(欲求)ではなくニーズ(必要)に応えるとはそういうことなのです。」ということを認識しておかなければならない。 (2004.8.22) |
「CHO最高人事責任者が会社を変える」 金井壽宏・守島基博 東洋経済社 \2800 |
「会社の元気は人事がつくる」から結構贔屓にさせていただいている金井先生の本。本の名のとおり,Chief
Human Officer 所謂人事部長(oldではなくNew-waveの人事部長)のあるべき姿やどのように企業の中でCHOとなる人材を育成していくか,ということが主眼の内容なのだが,目を転じて今後の人事(当社では人事労務)はどうあるべきか,どのような役割を果たしていくべきか,ということを考えさせられる一冊。文中にあるように,競争力のある組織を構築するためにHR(Human
Resourse)部門に求められる役割は,@戦略のパートナーA変革のエージェントB管理のエキスパートC従業員のチャンピオンだと思う。これまで BCに力点を置いてきた人事を,今後は@Aの比重を徐々に増やしていくことが必要だろう。特に我々人事(狭義の人事)は,ややもすると管理のみに目が行き勝ちであるが,ある程度管理は夫々のラインマネージャーに任せ(ただし放任ではなく,一定の検証・牽制は行いながら),経営戦略と人材戦略のマッチング,また環境への変化の迅速な対応を考えながら,日々の業務に取り組むことが必要となろう。近いうちに本中にあるP-hat(実践的評価ツール)を当Gの勉強会でやってみたいと思う。 武蝶のみならず,一般職の皆さんにも読んでいただきたい本である。 (2004.7.24) |
「戦略経営の発想法」 木村剛 ダイヤモンド社 \1800 |
コンサルト会社を経営する筆者が,自身の会社経営や今をトキメク様々な経営者との対談の中から得られた(感じ取った)「戦略経営の発想法」をピーター・ドラッガーの10の法則に擬えて紹介する。ナンと云っても様々な経営者が語る多くの言葉は,変な理屈よりも読む側を「成る程!」と納得させる。文中にも出て来るが,最初にビジネスモデルがある訳ではなく,後から付いてくるものなのだろう。だから,ビジネスモデルの確立が成功の秘訣ではなく,成功を振り返るとモデルが出来ていたということか。リスクを回避するだけでは,新たな成功はない。それは今までのQ殿には(必要)無かったモノだけに新たな発想の転換が必要なのであろう。 (2004.6.20 |
「日本の優秀企業研究」 篠原浩朗 日本経済新聞社゙ \1800 |
K支店のS副長,F支店のT副長と飲んでいた時に話題に上った一冊。題名がストレートで,何か機を衒う訳でもなく,内容で勝負だ,と言う感じが伝わってくる。筆者が経済産業省現役キャリアということもあり,ある意味先入観無しに企業研究しているところが新鮮である。「企業経営の原点」として「六つの条件」を挙げているが,共感するモノが多い。しかし,一番難しいのは,そのことを如何に実践していくかということ。特に企業風土なるものを方向修正することは一朝一夕には行かない。しかし,同じことを繰り返し諦めることなく,社内に発信していくことが大切なのだろう。「社長ぶらず社長らしく」「管理職ぶらず管理職らしく」。筆者も言うように,誠に至言である。 (2004.1.25) |
「イノベーション・マネジメント」 日本LCA PHP研究所゙ \1400 |
イノベーションとは,「新しい価値を生み出すことであり,これまでとは違う道を歩むこと」。これまでの日本企業はこのイノベーターを悉くスポイルしてきた指摘する。それは「日本人が組織と個人の関係の見なおしを怠ってきたから,と云っても過言ではない」と断言。こうも続けて,組織と個の関係に問題ありとの本を読むと看過できない課題と認識した。確かに,労働に対する価値観も確実に変化している中,旧態依然とした組織論,人事制度では社員一人ひとりのパフォーマンスを引き出すことは難しいのであろう。 (2003.11.23) |
「選別主義を超えて」 太田 肇 中公新書゙ \780 |
日経新聞に下の「ここが違う!…」と一緒に紹介されていたため,アマゾンで購入したところ,スグサマ,トモちゃんより要約指令が下る。仁慈校歌担当の隆一君にこちらの要約を御願いし,自分も平行して読んでみる。やはり,ここでも個と組織のあり方に思いを馳せることに。これまでのスキームぢゃ,もう何事も解決できないのでは…。会社だけではなく,学校教育のあり方から包括した思想を展開。 (2003.10.23) |
「ここが違う!勝ち組企業の成果主義」 柳下 公一 日本経済新聞社゙ \1700 |
「本当にがんばった人が報われているだろうか」という帯に吸い寄せられて手に取った一冊。実際の運用を知り尽くした著者の分析・提言は納得する部分が多い。個と組織の関係変化への対応,経営者からの意識改革,そして,新しい時代のリーダーの早期育成。最近,自分が必要性を感じているものだが,何となくそれを裏付けてくれるかのような内容でござった。要約あり。 (2003.10.7) |
「コミットメントを引き出すマネジメント」 野田 稔 PHP研究所゙ \1400 |
コミットメント=本気との定義で,社員を本気にするための方法を豊富な事例を交えながら説明している。レイアウトもよろしく,すっと入りこめる一冊。やる気,本気,言葉では簡単だが,一番難しい課題なり。如何に高い志を持つか。 (2003.9.12) |
「モチベーションマネジメント」 小笹 芳央 PHP研究所゙ \1300 |
「最強の組織を創り出す,戦略的やる気の高め方」「ゴールセッティング効果,ロールモデル効果,スクランブル効果など… 20の実践手法であなたのチームが今すぐ活性化する!」「新時代のマネジャー必読の書」なのである。 (2003.8.10) |
「なぜマネジメントなのか」 ジョアン・マグレッタ ソフトバンク・パブリッシング \1900 |
「同様に問題なのは,ほとんどの人が心の底から『管理されること』には抵抗を感じることだ。実際,人を管理することに関する究極の姿は,まったく管理しないということだ」「マネジメントとは他者を通じてパフォーマンスを行うということ」(本文中より)。正にその通りなのだが,だからこそ難しい。この命題を解くポイントは「個人への敬意」であり,各々個性の違いを尊重していくことなのだと結論付けている。やはり,僕等管理蜀の永遠の課題なり。 (2003.7.26) |
「非正規社員を活かす人材マネジメント」 中島 豊 日本経団連出版 \1600 |
ギャップジャパンの人事部長が見た非正規社員のマネジメント。とどのつまりは,何ら奇策や妙案なぞはなく,アルバイトやパートについても,組織の一員として組織のコミットメントを示し,成果に対し適正に報いることが大切であると云うことを感じた。今後,非正規社員の雇用も増えていくと思うが,その活用に当っては制度の見直しも必要である。 (2003.4.12) |
「成果主義は怖くない」 高橋俊介 ダイヤモンド社 \1600 ![]() |
昨年3月に敢行された本で存在は知っていたが,先日聴講したセミナーで紹介されたこともあり。Amazonで検索して購入。読み進めるにつれて,身につまされることが多い。制度構築よりも制度運用が重要であることは百も承知であるが,例えば年○制等はどのように馴染ませていくべきなのか。我々運用側が早急に答えを出さなくてはならないのである。 (2003.3.15) |
「成果主義人事制度をつくる」 松本 順市 鳥影社 \1600 |
コンサルタント経験から綴られる論調に迷いはなく,共感できる面が多い。ただ,社員数が少ない会社向けに書かれていることもあり,当社では非現実的な側面もある。評価を点数化することが果たして納得性を高めることになるのか。評価では評価者が楽をすることを目的に詳細に基準を作るのではなく,やはり評価者が真剣に一人ひとりの評価を苦労してでも行うものだと最近富みに考えてしまう。 (2003.3.4) |
「電力・ガス自由化 勝者の条件」 エネルギーフォーラム \1200 |
下の関電西村先生も絶賛の一冊。ただし,EFの中でのコメントだから当然か。身にツマサレル話も多く,なかなか面白い内容で一気に読める。あ〜たに言われんでも,日頃から考えてる,と言いたひところだが,行動が伴っていないから真摯に受け止め反省。やっぱり,経営トップの)^o^(が見えないことには,従業員の意識も変わらない。 (2003.2.24) |
「電力自由化〜ここがポイント」 西村 陽 エネルギーフォーラム \1200 |
今更という気がしないでもなかったが,復習の意味で購入。相変わらずの西村節で平易に電力自由化を論じている。「グローバル化や情報化のうねりの中で,今,世界中のあらゆる業界,企業が行っていることは『自分のビジネス・競争力の本質を見定め,それを強めていく』ことによる絶えざる自己革新に他ならない」とし,電気事業も「本質回忌」「自己革新」を成し遂げることが肝要と説く。方向性も持たずにガムシャラやるだけでなく,まずは足元を見つめ直し,何を為すべきか本質に迫ることが必要と実感。 (2003.2.5) |
「よくわかる成果主義」 河合太介 日本実業出版社 \1600 |
「成果主義」に関する本というと,評価の話に終始してしまいがちだが,役員の改革から賃金設計までトータルでの成果を論じている。やはり,摘み食いの成果主義ではうまく行かないことは間違いない。当社は大丈夫か。 (2003.1.18) |
「キャリア・コンサルティング」 丸山貴宏 翔泳社 \1500 |
終身雇用の終焉が叫ばれる中,企業の中で個人はどのようなキャリア・デザインを描いていくべきなのか。そのような企業人設計を指南するキャリア・コンサルターの必要性が高まっている。 (2003.1.10) |
「会社の元気は人事がつくる」 金井壽宏 他 日本経団連出版 \1600 |
月刊誌「経営者」に掲載された連載を加筆してまとめられたもの。20タームからなる論文は,ひとつひとつが精錬されていて非常に勉強になった。人事担当者の教本としたいもの。 (2002.12.30) |
「ONとOFF」 出井伸之 新潮社 \1400 |
(2002.10.10) |
「組織の中で成功する人の考え方」 アラン・ダウンズ きこ書房 \1300 |
企業の人事担当役員として,人員削減に携わり,会社を嫌になって辞めた著者が,その経験を生かして書き上げた一冊。やはり,厳しい中にも優しさが求められる時代なのか。 (2002.9.15) |
「ネクスト・ソサエティ」 P・F・ドラッカー ダイヤモンド社 \2000 |
失礼ながら既に没していたと思っていた大家の著。次にくる社会を予言しておられます。 (2002.8.28) |
「人事制度改革の戦略と実際」 吉田 寿 編 日本経済新聞社 \2600 |
人事制度改革は制度設計にあるのではなく,あくまで粘り強く運用を行っていくことが肝要。バイブル的1冊。 (2002.8.11) |
「マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック」 イーサン・M・ラジエル 英治出版 \1500 |
(2002.7.20) |
「トヨタはいかにして最強の社員をつくったか」 片山 修 祥伝社 \1600 |
某部の同期から「トヨタの人事制度を調べてくれんや?」と唐突に云われ,「何ばするとや?」と問い返したところ,「部門の人材育成を行うとに,参考にしたいったい」との返事。人材育成と云われては一肌脱がねばと奔走していた時に出会った一冊なのである。で,読んでみると面白ひ! 思わず読み上げてしまった私でした。まとめるのが面倒だったので,同期には1冊進呈。自分も今後の仕事の糧にすべく書斎(?)に常備されたのでありました。めでたし。めでたし。内容はトヨタの人事制度の内容や制度導入に至った経緯等が筆者の想いも込めてドラマチックに書いてございます。 (2002.6.27) |
「エスキモーが氷を買うとき」 ジョン・スポールストラ きこ書房 \1600 |
「エスキモーに氷を売る」の続編。雑誌の本紹介のコーナーに紹介してあったんだけど,まずは本の題名に惹かれて買ってみたわけです。それと,最近「電力自由化」後の電気という財のマーケティングなるものを真剣に考えなきゃ,などと思い始めたのもあるんだけどね。内容は,著者自身のNBAやNHLの弱小チーム経営を見事に立て直した経験を基にして,実戦的なマーケティング手法を紹介。正に福岡ブルックスの首脳陣に読ませたい一冊である。一見型破りに見えて実は当たり前のこと。それがマーケティングの極意なのかも…。既成概念を取っ払うことから始めよう! (2002.6.12) |
「人事評価に勝つ!」 宮本 宝島文庫 \620 ![]() |
本の表題は過激だが,一般的な人事考課の問題点とその解決策が書いてある本。著者は,日本能率協会の講師で,各企業の評価者訓練等を通して,顕在化した問題などからこの本を編纂してあるので,非常に事例が具体的で読む側も分かりやすい。正に評価される側に読んでもらいたい一冊。と同じに,評価する側にも人事考課が内包する問題を理解するためにも読んでもらいたいもの。(2002.5.7) |
「金持ち父さん 貧乏父さん」 ロバート・キヨサキ 筑摩書房 \1600 |
いわずと知れたベストセラー。「どうやったら金持ちになれる?」と疑問を持ったら最初に読む本らしい。「アメリカのお金持ちが教えてくれるお金の哲学」らしい。「この本がいま、世界中の人々の”お金観”を変える」本らしい。で、この本を読んで思い浮かんだのは、「マルサの女」で山崎努扮するお金持ちが言うセリフ。「コップに水が一滴ずつ落ちてくる。普通の人は喉が乾くとすぐにコップの水を飲んでしまうが、金持ちはコップに水が溢れても絶対飲まない。零れた水をまた違う皿に受けて、その皿から溢れる水を舐めるのだ。それが金持ちと普通の人の違いだ」。要は、お金を貯めて働かなくともお金を生み出す資産(不動産や株券など)を手にすることがお金持ちになれる条件と言う。借金をしてマイホームを買うのは論外らしい。さぁ株でも買いますか!?(2001.815) |
「電力自由化の金融工学」 山田 聡 東洋経済新報社 \3200 ![]() |
電力関係に携わる人にとって必読の本か。今後、自由化の範囲が広がるとの仮定を前提に、エネルギー取引に伴う価格決定のメカニズムを分かり易く解説している。計算式の部分は事務系にとっては難解だが、読み飛ばしても問題なし。200頁弱の本なので、1〜2日で読めるのも魅力的(笑)。経営状態が悪いお客さまへはリスク・プレミアムが乗っかった電気料金ってのも近い将来お目見えするのか〜(2001.710) |
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「刑事ものとか戦争ものとかエグいやつとかしか読みよらんっちゃないかいな?この人は」と思われてもいかんので、ビジネス書をご紹介。人間の脳を4象限に分け、個人の中でどの象限が優位を持っているかで、個人の性格引いては適する職業や業務を科学的に説明している本。膨大なサンプルから裏付けられたデータを目にすると納得してしまうものがあります。人事における異動配置に使うとおもしろいかも・・・。まぁ、そんな簡単なものじゃないけどね。異動ってさ。でも、このハーマンモデルは参考にはなると思いました。(2000.11.2) |