『前衛』という言葉をご存知ですか? ここにはそれを絵に書いたような人物がいます。 N村氏、4x才。 彼は地球環境を真剣に考え、排ガスや二酸化炭素を全く出さないクリーンな乗り物として、自転車をこよなく愛しています。 一般の凡人であればそこで話は終わりなのですが、N村氏は良い意味で普通ではありません。(あくまで良い意味で) 何と自転車を自作したのです。 「自転車の自作ぐらい大した事ねーじゃん」 そう思う方もいらっしゃるでしょう。 N村氏はそれを普段の足として使い、買い物や通勤に活躍させています。 「そりゃあ自転車はそう使うべさ」 もっともですね。 話はかなり飛びますが、 第二次大戦中の日本海軍には「零式艦上戦闘機」通称ゼロ戦と呼ばれる名機がありました。 ゼロ戦は完成当時、世界に類を見ない高性能な飛行機であり、大戦初期にはその性能を生かし、他を寄せ付けない存在でした。 しかし大戦も末期になると高性能な戦闘機が続々と開発され、ゼロ戦の優位性はもはや過去のものとなっていました。 そんな中、それまでの飛行機とは全く異なる、奇妙な形の戦闘機が日本海軍で開発されました。 ゼロ戦が格闘・迎撃・爆撃・航続距離などあらゆる性能を高い水準で盛り込もうとしていたのに対し、その新型機は迎撃性能のみに特化した機体でした。 エンテ型と呼ばれる、それまでの飛行機を前後逆にしたような形のこの新型戦闘機は「震電」と名付けられました。 「震電」は航続距離や格闘性能よりも、重武装・高スピードに主眼が置かれ、結果としてこのような形になりました。 それまでの飛行機の常識からすると、まさに「前衛的」と言える震電は、幸か不幸か試作機が初飛行した直後に終戦を迎え、その性能を発揮することなく幕を閉じました。 さて、話を元に戻します。 前出のゼロ戦と震電の関係は、あたかも通常の自転車とN村氏の自転車の関係のようです。 彼の自転車をイメージするにはまず、通常の「自転車」という概念を消さなければいけません。 ただ作って飾っておくだけならば、「へー、面白いですね」で、済んでしまうのですが、彼の凄いところは、これをまったく普通の自転車として運用しているところにあります。 買い物する時も 通勤の時も サイクリングの時も。 また、姿・形もそうですが、これに搭乗するN村氏もかなり異彩を放っています。 このN村氏作成の自転車に乗る場合、頭にはヘルメット着用が必須だそうです。 〜自転車にヘルメット〜 フルフェイスです。もちろん。 バイクに乗るのと同等品です。 買い物する時も 通勤の時も サイクリングの時も。 そろそろ、この前衛的自転車(と、N村氏)をイメージする事が出来ましたか? 普段ならば、適当に話に尾ひれを付けたりするところなのですが、今回は全て実話です。
百聞は一見にしかず
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●機体名:オットマン(由来不明) ●製作費用:約20万円(本人談) ●特許:申請中(駆動方式?) ●子供:珍しい生物と思い注目する ●大人:「見るとヤバイ」ので余り見ない ●ハト:ハトより格下らしい ●最高速度:速いらしい(こえー) |