老人は持っていたカバンを私に渡し、ニセひよこを受け取ると街の中へ消えていった。 私が受け取ったカバンには札束がぎっしりと詰められていた。 確かに1億円はありそうだ。 私はその後、あの金を元手にして事業を起こし、今では年商数千億の企業家となっていた。 確かに「ニセひよこ」を集めようとした事により、私の夢である「金持ちになりたい」という願望は達せられたような気がする。 しかし、私には疑問が残った。 あの「北極海」とか「神ひよこ」とかのキーワードはなんだったのだろうか? 私は一つの仮説を立てた。 恐らく、これの作者が途中で面倒になり、無理ヤリ物語を完結させたかったのではなかろうか、と。 多分この説は当たっているであろう。 いつの日か、この続きが書かれる可能性も捨てきれない。 今はただゆくりと眠る事にしよう。 |
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