交渉成立


「おお!有り難い!!」


老人は持っていたカバンを私に渡し、ニセひよこを受け取ると街の中へ消えていった。

私が受け取ったカバンには札束がぎっしりと詰められていた。
確かに1億円はありそうだ。



…それから十年後…



私はその後、あの金を元手にして事業を起こし、今では年商数千億の企業家となっていた。

確かに「ニセひよこ」を集めようとした事により、私の夢である「金持ちになりたい」という願望は達せられたような気がする。

しかし、私には疑問が残った。
あの「北極海」とか「神ひよこ」とかのキーワードはなんだったのだろうか?

私は一つの仮説を立てた。

恐らく、これの作者が途中で面倒になり、無理ヤリ物語を完結させたかったのではなかろうか、と。

多分この説は当たっているであろう。

いつの日か、この続きが書かれる可能性も捨てきれない。
今はただゆくりと眠る事にしよう。


めでたし、めでたし


− 第1部完 −

SPECIAL THANKS