モトグッチインプレッション
まずは結論から
GUZZIって面
白いよ! とにかく試乗してみては?
納車日(1999.12.20)のやえもん
現在(2001.2.4)のやえもん
グッチは乗りずらいとかクセがあると言われていますが、現在発売されているモトグッチは普通 に乗れるバイクです。昔のルマン系などはアクセル、クラッチは重いし、キャブはすぐ調子悪くなるしといわゆる「イタリアン」の悪い見本のように言われたのを未だに信じているからではないでしょうか。ジャッカルはアクセル、クラッチなどの各種タッチは軽いし、電装系もトラブル皆無、エンジンは一ヶ月放って置いても一発でかかるので国産と同じ信頼性を持ってきたのではないでしょうか。(唯一駆動系のトラブルはありましたがクレームで対処)
最近の国産車は高性能になるに従いバイク本来の楽しみがなくなっている気がします。モトグッチは国産車が失ってしまった「バイクの楽しみ」を残している数少ないバイクだと思います。モトグッチと他のバイクとの一番の違いはエンジンでしょう。タンクから左右にニョキニョキと延びている空冷OHVツイン。バカでかいクランクケース。長いミッションケース。エンジンをかければハンドルをブルブルと震わしてのアイドリング。空ぶかしすれば右にグラッとくるトルクリアクション(別 にコケる程ではないのでご安心を)。ガチャガチャとうるさいエンジン音。ハイパワー化、小型化に明け暮れている国内メーカーでは欠点として潰されていく点を全て?残しています。それら全てが感性を刺激してきて「今バイクに乗ってるんだ」と実感させてくれるのがグッチです。
<詳細>
1.ポジション、シート
2. メーター回り外国のバイクのためポジションは大柄。私の身長165cmには大きい。180cm位 に合わせている感じ。手が短いためハンドルを目一杯に切ることはできない。
結局ハンドルは交換した。配線、ホース等はそのまま。少し手前になったが私にはまだまだ遠いので、新しいのをまた合わせるか、ノーマルを曲げてもらうか検討中。
シートはアメリカンらしい大きいシート。シートは硬い。フカフカのシートが欲しい。カリフォルニア用にコルビンのシートがあるが、ジャッカルとはシート形状が違うらしく付かない(らしい)。リアシートは小さく、取り外し可能。前のシート同様硬い。これも柔らかくしてほしい。
流行のタンクオンメーターではなく、ステアリングの上に設置されるので見やすい。コストダウンのためタコメーターはない。あるにこしたことはないが、なくても慣れてしまえば気にならない。白いメーターは良い感じ。メーターの下にはインジケーターが並んでいて見やすい。今のところランプがつかなくなるなどのトラブルはない。
結局タコメーターを装着しました(2001年1月)。タコメーターの中に小さいスピードメーターがある見たこともないメーターです。インジケーターで足らなかったニュートラルと燃料警告灯はパネルに穴を開けランプを付けました。スピードメーターは文字が小さいので読めません。240km/hまであり中央が120km/h。町中を走っているとチョロチョロと動いていますが見ていません。装着にはこのメーターを既に付けているM氏にお世話になりました。
3. タンク
容量は19L。コックはなく、インジケーターに燃料ランプが付いていて残り5Lになるとランプが付くはずだが、実際は残り7Lになるとランプが付いてしまう。早めに付く分にはいいか。燃費は街乗りで15km/l位 、ツーリングで18km/l位かなあ。1,100ccだからこんなもんかな。でもハイオク仕様です。4. ブレーキ
フロント、リアともブレンボのシングルディスク。街中では制動力は十分だが、ワインディングでは辛い。カリフォルニアではフロントがダブルになる。ブレーキホースはノーマルはオイルが滲んでくるという話を聞いたのでステンメッシュに交換。5. サスペンション
前後とも調整機能はない。メーカーは不明。アメリカンの割にサスは硬い。硬いシートと相まってで硬さ倍増。街中のちょっとした段差でも「ガッシャーン」と衝撃がくる。カリフォルニアだとWPの調整機能付きの前後サスが付くが、安いので仕方ないか。
結局リアサスをオーリンズに交換した。中古でルマン3のサスを購入し、スプリングはゼファー1100用を購入して組み合わせて装着した。ただ装着はすんなりいかなかった。装着のためサスの上下のカラー(12mm)を作成。私はステンレスで作成してもらった。アルミだとガタがくる可能性があるということ。また、左右のサスの長さが違うため長さ調整が必須。左の方が1-2mm長い。私のは車高調整が付いていたので左を伸ばして対応。ルマン3のスプリングでは初期状態でかなり沈み込むため、少し固いゼファー1100用スプリングに交換した。
サスを交換して乗り心地は格段に良くなった。ノーマルのゴツゴツ感はなくなり、スーッと走ることができる。私は峠を走ってサスの性能がどうのこうのというのは分からないが、乗り心地が良くなったので満足している。ジャッカル用ではないので本当にこのセッティングで良いのか不明だが、少なくともノーマルのガタガタサスから逃れることができた。
6. マフラー
7. エンジン2+H+2(?)の構成のロングタイプ。音はVツインなので「ドッドッドッ」という音だが、音質は乾いていてハーレーやドカとは違う。これぞツインだと思う(とっても自己満足)。私はこの音に惹かれて買ったと言っても嘘じゃないなあ。
今はマフラーを交換したのでかなり音が大きくなり「良い」音になりました。サイレンサーはオークションで買ったスモールドカ用、Hパイプはルマン3用をもらいました。ノーマルでも結構いい音だと思いますがマフラー交換は必須だと思います。グッチのマフラーは基本的に3つに分かれています(エキパイ+H管+サイレンサー)。音を大きくするためにはH管とサイレンサーの両方を交換する必要があります。どちらか一方を交換しても少し音が大きくなるくらいですが、両方換えると一気に音が大きくなります。ただ、マフラーを交換すると低速トルクは無くなります。ノーマルが一番速いのではないのでしょうか。でもあの音を聞くためには多少低速トルクが細くなっても構わないと思っているので、ノーマルに戻すのは車検の時だけでしょう。現在私が知っている社外マフラーは(1)ラフランコーニRumorosoと(2)ステンチューンです。値段は(1)が1,300DM(8万円くらい)、(2)が13万円くらいです。ただどちらも付けている人を知らないのでその効果 はわかりません。
8. シフトペダル言わずと知れた縦置きクランクのVツイン。サルが見てもわかる(?)GUZZIのエンジン。しかしデカいエンジンだなあ。基本構成は三十年位 前と同じなんだから当たり前か。しかし何故か燃料供給はキャブではなくインジェクションが付いている。このエンジンを進化させるにはインジェクションしかなかったのだろう。このエンジンが普通 に進化すると水冷になったり、4バルブDOHCになるだろう。そうするとあとフィーリングは消えてしまうんだろうなあ。このエンジンはずっと作り続けてほしいものだ。セッティングは1100sportと違い、中速型(低速型?)の70ps仕様である。
エンジンのフィーリングは最高(これも自己満足)!!!基本設計が古いからか、元がスポーツバイクだからか、はたまた慣し中だからか、低速トルクは「ない」。低速は「ドドドドドド」とハーレーに似たような感じ。中速は「ドゥルルルルル」と回転が格段に滑らかになってくるが、ドカとは全く違うフィーリングで、グイグイと重い車体を引っ張って行く。今は4,000rpm位 までしか回していないが、中速付近の美味しいところを使うようになり、さらにGUZZIが気に入ってきた。でも、高回転まで回さないとこのエンジンの「本質」は分からないようだ。
エンジン音も他のバイク(ドカやBMWやハーレー)と比べてもかなり大きい。空冷なのでガチャガチャとうるさい。そういえば、このエンジン音は何かに似ているな……? そうだ、「耕耘機」だ。こう思ったのは私だけでしょうか。でもこれがいいんだな。
ペダルはシーソーペダル。初めはちょっと心配だったが、一回乗ってすぐ慣れた。逆に、シーソーペダルに慣れると普通 のペダルに違和感を感じてしまう。ギアは通常のバイクよりもシフトショックが「かなり」大きい。音で表現すると「がちゃ!」っという感じ。他のバイクのようにちょっと踏んだだけではギアは入らない。思いきって「踏む」。ちょっと踏んだだけではギア抜けを起こす可能性が高い。この「がちゃ」のギアフィーリングでGUZZIに乗ってるんだなあと実感する。9. ハンドリング
重いフライホイールのせいか、発進の時など50km以下では非常にカッタルイ。250ccのスクーターの方がよっぽど速い。しかしそれ以上の速度では逆に気持ちよく走る。だから街乗りには向かない。ツーリングの速度以上で走らないとただ重くて遅い乗り物になってしまう。街乗りのためにGUZZIを買う人はいないと思うが‥‥。
縦置きクランクの影響か、なぜか以前乗っていたZX-6Rよりも倒し込む時は軽く感じる。なので、交差点やちょっとした車線変更はスイスイと曲がってゆく。まあ、峠とかを本格的に走ったらZX-6Rの方が速いだろうが、私のようにチンタラ走るライダーにとっては、GUZZIの方が走りやすい。重量 は乾燥重量で250kgありZX-6Rよりも70kgも重いが、倒し込みが軽いため街中ではZX-6Rよりも軽快かもしれない。ほとんど同じ重さのV-MAXの方がよっぽど重く感じた。
ボディ剛性は高いようで、コーナーリング中もフラフラすることはない。一旦コーナーに入ると「ベトッ」という感じで安定している。ホイールベースが長いため、小さいコーナーをキビキビと曲がるバイクではなく、中高速コーナーを爆走するタイプである。高速道路は安定しているため安心して乗れる。ただ、コーナーリング中にさらに倒し込むのは難しい。これがグッチの特性かもしれない。なので、コーナー前でブレーキを終えておき、コーナーに合わせて倒し込んでおいてからコーナーに突中、ここからはひたすらアクセルを開けるだけ。さらに倒すためにはリアブレーキを使わないといけないのでスピードが落ちてしまいます。