今年も暑い夏が終わり、秋がやってきた。
この、秋〜冬にかけての季節は我々缶コーヒーファンにとっては最も注目すべき季節である。
なぜなら、この時期は各メーカーから次々と新作が発売される時期だからである。
そこで、昨年好評を博した(?)缶コーヒー論を今年も熱く!語る!
さて、まずは復習。
缶コーヒー市場の歴史はジョージア(コカコーラ社)とその他の勢力の戦いの歴史である。
全国至る所に設置した自動販売機と飯島直子を起用したCM戦略、そして甘さ控えめコーヒーのヒット(Zotto)により全盛期を築いたジョージア陣営。
これに対して他社は品質の高さと、ジョージアに負けないCM戦略、そしてWANDAにはじまる、いわゆるコクまろ系の缶コーヒーのヒットにより、ジョージアにもはや一時の勢いはまったくないのではないか?というのが昨秋の時点での私の見解であった。
さらに、今後の缶コーヒーの進むべき方向性として、コーヒーの苦味・香りを強く打ち出した製品がヒットするのではないか?と予測して筆を置いた。
ほぼ同様の見解をAT氏も、氏のホームページの中(最新缶コーヒー事情2)で述べている。
そんな流れの中今シーズン、メーカーのトップを切ってDydoが新作HEAVENを発売した。
なんと新聞一面丸ごと使った広告を掲載し、メーカー側もかなり気合を入れているのが伺えた。
Dydoといえば古くから、ダイドーブレンドコーヒーという、香料を一切使っていない高品質のコーヒーで確実にシェアの数%を確保してきた老舗であることは以前述べた。(当然HEAVENも香料は使用していない。)
新聞広告によると、HEAVENではコーヒー本来の苦味・香りを生かした製品になっているという。
HEAVENもかなり期待ができそうだなと、私も早速購入して飲んでみた。
果たして、私の期待通りの味であった。
コクまろ系に比べ全体的に味(甘味)が抑えられていて、コクまろ系が少ししつこいと思う人にはぴったりであろう。
甘味を抑えたためその分、コーヒー感が強調されていて切れを感じさせるが、ミルクのまろやかさがそれをやさしく包む。
一言で言えば、キレまろ系といえよう。
HEAVENの味は、昨秋私が予想した新しい缶コーヒーの傾向とほぼ一致するものであり、さすがDydoといえよう。(さすが私?)
HEAVENに続く、他社の新作がますます楽しみになってきた。
と思っていたら、NestleからRICCIOが出た。これについては後述する。
さて、最近久しぶりにジョージアを飲む機会に恵まれた(?)。
まず、本当に何年ぶりかで飲んだエメラルドマウンテン。
前々からあまりうまくないとは思っていたが、こんなにまずかったっけ、という感じ。
特に後口がひどい。何か出がらしのような、なんともいえない酸っぱいような臭み。インスタントよりまずいぞ。
最近医局で挽きたてのコーヒーを毎日飲んでいるので舌が肥えたのかとも思ったが、WANDAやBOSS7をまずいと思ったことはないので、ジョージアは本当にまずいのだ。
あまりに悔しかったので、後日エミネージュを購入した。
さすがに割高なだけあって、エメラルドマウンテンとは別物であったが、ジョージア特有の後口の悪さが残ったのが残念であった。
最近のジョージア陣営の戦略について考察するが、ジョージアの不振は深刻に思える。
缶のデザインの一新、吉本興業総出演のCM、銀色の缶の新製品(名前忘れた。ちなみに新製品は当然ながら味見する気は起こらず、あまり確かなことはわからないが、たいした事はないと思う。(違ってたらすまぬ))など、やはり品質以外の部分での戦略はさすがである。
しかしジョージアよ、本当にそれでいいのか?もっと品質を本気になって改良しないと本当にやばいぞ。
最近気づいたが、コンビニの缶コーヒー売り場におけるジョージアの占有率が、明らかに以前よりも下がっているような気がする。(コンビニでの売り場占有率は売上を正確に反映している。)
昨秋以来の、コクまろブームに始まる、各メーカーが品質の向上目指してしのぎを削ってきたこの1年間、ジョージア陣営は品質面での企業努力を怠り、品質面では完全に取り残された形になっている。
現在、ジョージアの売上を支えているのは、もはや知名度のみであろう。
そして、その知名度さえも危うくなってきている。
最近ジョージアのCMそのものもあまり見かけない気がする。WANDA、BOSS、Nestleはかなり頻繁にみるけれども…。
ジョージア陣営ではすでにコンビニでの売上に見切りをつけているのだろうか?今後、自販機のみでの販売も十分に考えられる。
もしかしたら、コンビニからジョージアが消える日がくるかもしれない。
次回は、RICCIOのCM戦略についてと、WANDA今後の展望を予定。