2008.07.12(土) 3ヶ月、14週間ぶりのYSC参加 酷暑予報にひるまず、奥多摩の「海沢三滝」へ納涼山行!

  前回4月5日の「高尾山」山歩以来14週間ぶりのYSC参加であり、もう忘れられた存在になりつつあることを懸念しつつ、奥多摩駅に到着。YSCでは既に3回程きょうのコースを歩いているようだが、自分にとっては初めての「海沢三滝」コースである。しかも明日は村谷氏と一緒に小生企画の「大山街道」第3回目の20km餐歩を予定しており、酷暑下での連日参加は村谷氏は別として小生には大いに不安あるところだが、メタボ阻止の義務感?が些か勝っての本日参加となった次第である。

  立川駅始発で青梅駅での乗換えが不要な直行便を選び、立川駅7:25発の便に乗車。乗っているのは毎度のことながらザックを背負った老若男女と体育会系の女高生達が中心だ。青梅駅からちらほら空席が出始めるが結構な乗車率である。奥多摩駅8:51着だったが、続いて9:07着で田幸氏、9:15着で滝澤・村谷両氏が着き、今年一番の酷暑をおしての参加は4名と判明。他の常連メンバーは自宅で静観の構えか、はたまた多忙の故か、姿は見あたらないようだ。

  果たしてきょうの山歩は案内メールのキャッチフレーズ通りに「納涼」山歩になるのか、はたまた「No涼」か、いや「No良」か?いずれにしろ今夏一番の酷暑予報を踏まえ、「暑さと大量発汗に備えるべし」、「暑さ予報に怯んで折角のYSC参加を取り止めるな」との天のお告げ?を受け、冷凍おしぼりを初め、多めの冷却スポーツドリンクやシークワーサードリンク、ミネラルウォーター等を保冷バッグその他に詰めて携行する。外からの納涼はやや期待薄と考え、「中から冷やそう?作戦」である。脚にはハイカットのトレッキングシューズ、背にはもちろんザック、頭には麦わら帽とテンガロンハットの合いの子みたいな暫くぶりの姿で、首には水潤冷却ベルトという重装備?だ。半袖シャツからはみ出る下腕部分には日焼け止めクリームもバッチリ塗り、なおかつ追加塗布も可能なよう携帯用も懐中にする。用意万端、あとは気力勝負・体力勝負のみという、年寄りの冷や水的な気合いの入れようだが、些かオーバー気味とは思いつつも、炎暑下での2日連ちゃん歩行だけに、内心些か用心しているのだ。

  奥多摩駅の標高は、ガイド本によって異なり、例えば344mであり、350mであり、また365mといった具合だが、小生は344m説をとっている。気圧式高度計では普通5m刻みでしか表示されないというのが最たる理由だが、低めに見た方が登り甲斐があっていいと考える質なのだ。目的地の三滝の内、最も上にある「大滝」辺りは、等高線から言って730〜740m程度はありそうに思えるから、海沢谷沿いの林道や山道を約400m程登る計算になり、単純な標高差で言えば高尾山と同程度ということになりそうだが、歩く距離が高尾山より長そうなことを考えれば、勾配は当然緩やかと考えて良さそうだ。

  9時20分、奥多摩駅前を出発、すぐ近くにあるお馴染みの「奥多摩ビジターセンター」立ち寄りは省略したが、既に駅前の観光案内所には時間があったので立ち寄り済みだ。そこでは、台風による土砂崩れで一時部分的にルート変更していた「奥多摩むかしみち」コースも元のルートが復元できている旨確認できた。まずは昭和橋を渡る。昨夜の雨で水量を増した多摩川の河原には早くも何人かの釣り人が陣取ったりしている。やがて、いつだったか鋸尾根経由で御前山へ登った時の登り口を右に、「もえぎの湯」への分岐を左に見送り、暫し街道歩きが続く。綾瀬橋を過ぎ、神庭東橋(かんにわあずまばし)には早くも気温30度の表示が出ている。氷川発電所の先では道路拡幅工事の真っ最中で、騒音と埃の横を通り抜ける。

  街道左手の「東京都奥多摩さかな養殖センター」には、虹鱒の稚魚から大きいのまで大きさ群別に分けられて泳いでいる。きつい日差しを逃れるように進み、一付橋や海沢神社先から海沢谷沿いの林道に入ると、漸く木陰が多くなりほっとするが、代わりに、延々と続く登り坂の本格的な始まりだ。幸いにも傾斜は緩やかなのでゆっくりと登っていく。田幸氏らは道ばたの植物に興味津々の様子だ。まずは「アメリカキャンプ村」を目指し、入口で小休止。まだ車も人も殆ど見かけないが、土曜日のこととてそのうちに増えてくるのだろう。。

  途中、小さいながら滔々と流れ落ちる滝、千条の滝のミニ版、一条の滝ミニ版、ワサビ田などを見ながら海沢隧道の中に入ると、水滴が上から落ちてはくるものの、天然クーラーに入ったように涼しく、快適である。このあと、海沢園地までは、簡易舗装のゆるい登り坂をゆっくり登っていくが、結構距離があり、日陰が多いにも拘わらず汗が滴り落ち、団扇の効果もあまり感じない。日陰が多かったのが救いである

 漸く、案内板の立つ「海沢園地」に着くが、事前に想像していたよりは狭い。四阿のベンチで汗をぬぐったり、喉の渇きを潤したり、と小休止。 
この「海沢園地」のある場所は、林道が沢筋から「大楢峠」へと登り始める分岐点でもあり、かつ、これから我々が目指す海沢三滝への登山口でもある。大楢峠は、いつだったか村谷氏と越沢バットレス経由で裏参道から御岳山方面へと登った時の通過点で、そちらへのルートをとれば帰途は鳩ノ巣駅や古里駅方面に出られる理屈だ。

 三滝への林道はここで終わり、ここからは沢沿いに丸太橋を渡ったり、ハシゴを登ったりの山道になる。沢一帯は巨大天然クーラーの中そのもので、実に涼しい。地面は結構湿っていて、中には脚の置き場に暫し悩む岩場もこの先あった。水音が段々大きくなり、間もなく、滝壺が3つある「三ツ釜の滝」、更に、「ねじれの滝」への鉄梯子の上に荷物を置いて滝を往復。流れがねじれて落ちている処からついた名前のようだが、なかなか面白い。正面と横から見ると、明らかに“くの字”型にねじれている様子が判る。

  再び鉄製梯子を登り、ザックを背負って木立の中の滑る岩場と昨夜の雨で滑る道を注意しながら登り、大岳への登山道の分岐に到着する。だが、折角登ったのここからまた100m?位下って行かなければ、目的地には着かない。そこからへっぴり腰で注意深く降り、12時ちょっと前に無事「大滝」に到着。上から落ちる水量、滝の落ちる落差(23mとか)共に「大滝」の名に相応しい。滝壺の横の砂利地のちいさな広場で、レジャーシートを広げ、乾杯・痛飲するが、滝の水しぶきと涼風がえもいわれぬ天然クーラーになり、実に涼しく、きょうで4回目と毎年この会で来ている理由が頷ける。滝壺では釣り人もいて、マイナスイオンをたっぷり浴びながら昼食を始めた我らの横で、20cmほどのヤマメを釣り上げ、皆で拍手を送る。

  よもやま話をも肴に約1時間の大休憩で納涼し、すっかり涼しくなったのでみこしを挙げる。飛び石を渡り返している途中、濡れた石で滑って転んだが、幸いにして大したことはなかった。再び登り返したが最高点の標高は695mと出ていたので、奥多摩駅からは350m程度の登りだったようだが、たっぷりの水分補給でメタボ体重が一層重くなった身には、毎度のことながら登りは嬉しくない。往路とは若干道を変えての「海沢園地」への帰路だったが、もう一回濡れた斜面で滑りの復習をしたりして、メタボの身体を、否、そんな身体にした自分を恨めしく思うことになったのは、自業自得と諦めざるを得ないか。この上にはまだ「不動の滝」があるそうだが、危険であるとの理由で見学禁止になっているそうだ。

  海沢園地まで下り、休憩のあとは今朝ほど登って来た林道を淡々と下るのみだが、やや曇り気味になっているので助かる。キャンプ場近辺は予想通り大勢の車や人が目立ち、家族連れが休日を楽しんでいる。いよいよ林道から木立や日陰のない街道筋が近づいてきたら太陽がまた燦々と照りつけ始め、一同げんなりする。仲間たちも「もえぎの湯」には立ち寄らないということなので、駅前ででも軽く打ち上げようと街道を駅へ向かうが、天はビールの味を一層旨くして呉れるべく、脳天から弥が上にもじりじりと照りつけてくれ、僅かな登り道も急坂に感じる。

  昭和橋から下の河床を見ると、河原で大勢の家族連れやアベックが、思い思いに涼をとったりパーティを開いたりしていた。打ち上げは、奥多摩駅前バス発着場のすぐ傍にあるニュー開拓の店に入店、カウンター六席に和室というこじんまりした店だが、なかなか繁盛していると見え、間もなく満席になった。先ずは生ビールで乾杯し、水分に飢えた胃袋に一気に流し込む。餃子、川海老からあげ、冷やしトマト等を肴に、薩摩の芋焼酎「邑」をロックで味わい、疲れ癒しをする。常連と覚しき「駐日ノルウェー大使が見えた」と、ママの説明もある。

  奥多摩駅舎前で、生山葵や、饅頭などを買い求める仲間もいて、16:04発の青梅駅乗換便で帰途についた。マンションまで帰ってきたら、隣宅の奥様に逢い、こちらや都心部ではもの凄い豪雨があったと知らされ、びっくりだった。