2005年4月16日(土) |
春雷の 威力に敬意 表せんと 行路転進 “鳩ノ巣渓谷” |
ホリデー快速の到着に先駆け、9:06奥多摩駅到着。早速「奥多摩ビジターセンター」でハイキング資料をゲットし、改札口で9:14着の村谷氏と合流。集合したのはB&Bコンビの2人のみ。常連田幸氏は海外旅行中で清水氏も事前連絡があったが、滝澤氏からも欠席の連絡メールがあった由で、早速きょうのコース取りについて相談。事前の予報では上天気の筈だったが、直前になって雨天確率午前40%・午後80%かつ雷様来襲との予報に変わり、帰途の雨はともかく、1400mの御前山で雷様との出逢いは勘弁願おうということで、兼ねて用意のパンフのコピーや先ほどゲットした資料で渓谷歩きへと変更。川井駅まで戻り、未経験の「御岳渓谷」ウォークにしたかったが、20数分の待ち時間が惜しいので、兼ねて家内と歩いたことがあるものの村谷氏未経験の「鳩ノ巣渓谷」ウォークに転進と決定。 多摩川にかかる昭和橋を渡るとすぐ右側に、前回鋸尾根経由で御前山に挑戦した時に難渋した長い登り階段がある愛宕山登山口があり、あえぎながら上ったことを思い出す。左側には、対岸の「もえぎの湯」につながるもえぎ吊橋の表示がある。神庭橋から車道と別れて近道へと下り、登り返して「大多摩ウォーキングトレイル」の“氷川〜古里”コース部分のメインステージへと進む。風がややひんやりしていてウインドブレーカーを携行しなかったことを後悔していたが、坂や階段を上下しているうちに体が温まってきて、足にもエンジンがかかってくる。道の両側には往路の車窓からも見えたが、紅白の櫻花が春たけなわを満喫している。 普段、青梅線の車窓や青梅街道側からでは見られない下側からの渓谷の眺めは格別で、何度も写真を撮る。10時に、青いジャンバーを着た長身&禿頭の外人男性とすれ違ったが、振り返るとあっという間に遠ざかり、コンパスの違いを痛感する。ずりだし饂飩で有名な「鴨足草(ユキノシタ)」はまだ営業前か音無しの構えであることは前回と同じだ。渓流の岩の上で革ジャンにジーンズのペアルックの若い男女が、フライフィッシングを楽しんでいたが、釣果はどうでもよいと推測したのは年寄りの僻みか? 対岸には桜の木々が妍を競い、上流には新緑の気配も漂いはじめるという、紅葉シーズンの良さとは一味違う風景を橋の上からデッサンしている4人組とすれちがう。白丸ダムまでは水量調節のためか流れがあるか無きかの緩やかさで、数隻のボートが春を楽しんでいる。ダムの上から上流・下流の絶景をカメラに納めたが、前回は気付かなかった思わぬ発見に感激。それはダム(ミニ発電所もある)の下に大掛かりな「魚道」があり、これは下流の魚が上流に迂回できるという傑作である。コンクリートで作られた階段状の魚道は、水面よりも高い隔壁があり、魚たちが休憩もできるようになっている。「明り水路部魚道」と「トンネル部魚道(隔壁下に魚が通れる潜孔道あり)」があり、見るのははじめてだ。そばまで行って見学できるコンクリート階段もあったが、かなりの急傾斜なので、体力を温存した。 ダムを過ぎると、当然ながら川の流れが速くなり、渓谷の風情が一層増す。水底の石まで良く見えるが、魚の姿は発見できない。岩場に取り付けられた階段を上り下りしながら渓谷歩きをたっぷり楽しみ、鳩ノ巣小橋で左岸に渡る。温泉つきの国民宿舎鳩ノ巣荘は1泊7000円だった。コーヒー店もある。10:54鳩ノ巣駅前からこのコンビで昨年暮れに歩いた道順で雲仙橋から右岸側に渡り、登りにかかる。ここからは坂下集落を経てこれまでの渓谷沿いの小さなアップダウンから一転しての一方的な山道登りになる。御岳神社の裏参道方向への急坂を登っていくが、集落の家々の桜はまだ見頃だ。キャンプ場の先の三叉路が松の木尾根の分岐で、ここから棚沢集落方面の眺めがよい。時に11:13ほぼ標高差100mの登りで400m近い。本仁田山やその後ろの川苔山も遠望できる。 尾根道から下りにかかり、ゲンジボタルが生息する寸庭川を横切ると、小さな滝が橋の上下にひっそりと姿を現す。山葵田や木造り一軒家を過ぎ、漸く多摩川まで戻り寸庭橋を渡って対岸に上がると八重桜が満開だった。この辺りは一本の木で紅白の桜花が見られる家が結構多い。11:52、古里駅にゴールイン。そのまま御岳駅まで電車に乗り、いつもの「玉川屋」で眼下の眺めのよい窓側の席を確保して、満開の桜と味噌オデン、岩魚の塩焼きを肴に珍品の蕎麦ビールやいつもの蕎麦湯割り蕎麦焼酎などを堪能し、ざるそばで仕上げる。 駅に向かうべく外に出ると雨がぱらついてきて、先ずは今日の選択を良とする。折良く来たホリデー快速に乗り、持参のカップ樽酒で締めたのはいつもの通りだった。それにしても、敬意を表した雷様の訪れがまだ無いのがちょっぴり物足りない気もしたが、先ずは好景色と美酒で楽しい1日だった。 |
魚道