2004年12月11日(土) |
表登山道から快晴の富士山を仰ぎつつ “三ツ峠山”に挑む |
読んだことはないが、きょうは太宰治の小説「富岳百景」にも出てくるという「三つ峠山」挑戦の日。以前行った時は、別名軟弱コースとも揶揄される「三つ峠登山口」までバスを使っての登りで、その代わり下山路は最長の府戸尾根ルートだったが、2回目のきょうは、正調「表登山道」から登る健脚コースである。下りも府戸尾根に準ずる「母の白滝」経由の結構長いルートだ。標高差も1170mで6名中実力最下位の自分としては大いに緊張感がある。 高尾駅のホームへ行くと村谷氏が到着済み。更に常連の松戸・清水両氏に加え野島夫妻も見え、総勢6名での山行となる。この処すっかり常連の滝澤氏は一家4人でホノルルマラソン参加のためきょう成田空港出発予定でここには姿がない。ボックス席二つに各3名ずつが陣取り、河口湖行き直通列車で約80分、三つ峠駅で下車。途中、車窓から旭日に映える霊峰冨士の雄姿がぐーんと目に入ってくる。風1つ無い晴天・温暖下での絶好のハイキング日和だ。 9:10、標高610mの三つ峠駅を徒歩スタート。最初から勾配のある車道登りだ。ポイント箇所ではしっかりと道標が整備されている。柄杓流川沿いを登っていくと、上の方から男子児童が次々と走り降りてくる。なかにはきちんと挨拶できる子もいたが、最後に先生らしき人が走り降りて来た。ここをトレーニングコースにしているようだ。 各種スポーツ施設・宿泊施設・体験工房などがある「三つ峠グリーンセンター」を過ぎ、大山祗命を祀る三つ峠の守護神「山祗神社」で参拝し、きょうの山行の無事を祈願、更に三つ峠さくら公園、三つ峠遊園と過ぎた先から「近道」と表示のあるチップを敷き詰めた神鈴ノ滝遊歩道を辿り、再び車道に出る。 憩いの森園地から更に車道を進むと、達磨石下の登山口に到着し、一同ここで薄着スタイルに変身し本格登山道登坂に備える。沢にかかった橋の対岸の高台の巨岩「達磨石」に到着。ベンチで一服するがここからが本格的な登山路だ。大日如来を意味する「アーク」という梵字を刻んだ大石をまずカメラでパチリ。時に10:08。駅出発から65分の標準タイムに対して休憩時間込みで58分だが、今日は最初から足が重い。どうやら水曜日のトレーニングづもりの陣馬縦走19kmが裏目に出たらしい。考えてみると、今回と同様に1100m級の標高差を登った「滝子山」の時も、事前の日川渓谷・竜門峡快足ハイクのせいで裏目に出たことと考え合わせると、標高差1000m級以上の時は事前のトレーニングについて実施日や歩き方など、プラス効果になるようなやり方を考えるべきだと猛省する。 アベックハイカーの到着と入れ替わりに10:14出発し、杉林から再び車道に出た先から登山道に入り、アカマツ林の中を尾根にからみながら登っていく。「大曲り」の先の「股のぞき」という尾根で20数名以上の大集団が休憩していたが、我々の到着と入れ替わりにスタートしていく。ここからの富士山が絶景で思わずカメラを取り出す。今年は暖かいのか山の頂の積雪量が非常に少ない。 「股のぞき」からは尾根どおしの急登になる。苦しい。途中の「馬返し」で一旦平坦になるが更に急登道が続き、愛染明王、不二石と続いて八十八大師など霊山の雰囲気満点だ。自宅近くの高幡不動尊のある高幡山々腹にある四国八十八ヶ所の石仏よりも更に小さなのが群をなして配置されていて、霊地の趣大である。ここで、多勢のハイカーへグループの前に出る。 この先から尾根筋を離れて山腹道を行くようになるが、崩落地や狭い急傾斜道があり、対面方向からのハイカーと交互に道を譲りながら進む。一字一石供養塔、神鈴権現を経て壮大な岩壁「屏風岩」が目に入ってくる。ここは、ロッククライミングの練習舞台の由だが今日は誰もやっていない。この垂直の岩壁の上が三つ峠山の山頂の由。 ようやく登った富士見山荘のベンチで何はともあれ昼食だ。時に12:35で、それぞれ持参のガスストーブで鍋や麺類の熱々の準備をしながらビールで乾杯。後はそれぞれ好みのアルコールを控えめに過ごし、昼食後荷物を置いて最高地点1785mの開運山頂往復へと出発。前回見覚えのない木の防護階段?が滑りやすい傾斜の道をカバーしていたが、地面は霜柱で氷った箇所も多く、さすがに高地であることを物語っている。山頂に着くと先ほどのハイカー集団が狭い山頂で昼食中。記念写真を撮って富士見山荘まで引き返し、屏風岩を背景に更に仲間を個別に撮影をする。 13:50、下山開始。見覚えのある三つ峠山荘・木無山を経て府戸尾根と母の白滝への分岐で右の道を取る。登りの時と違って、細い道は霜柱の溶けた後など湿った箇所が多く、時々スリップしたりしながらぐんぐん高度を下げていくが、元々が高い山なので、結構下がったつもりが“さに非ず”という有り様。 標準タイム105分の処66分で“母の白滝”に到着する。なかなか壮観な滝である。しばし休憩しながら記念撮影。更に林道と交錯しながら山道をどんどん快足で降下し、降りきったところで河口浅間神社に立ち寄って参拝し、今日の無事下山のお礼を言上する。境内の杉の大木が見事で壮観な古社だ。15:38富士急山梨バスの川口局バス停に到着し、余裕で河口湖駅まで当初の予定どおりバスに乗車。日没が年間で最も早いこの時期の下山としては、まずは満点のスピード下山だった。 駅からは10分後に出る大月行きに乗車し、大月駅で特急横浜行きに乗車の清水氏と別れた後は22分の待ち合わせでの便で高尾駅に帰着。車中では、河口湖駅や大月駅の売店で買った缶ビールや酒などで待ち時間込みの通算約2時間の車中歓談を盛り上げ、高尾駅では野島夫妻を見送った後、村谷・松戸両氏と3人で駅南口のいつもの店で軽く反省会をもち、松戸氏の現職時代のご活躍ぶり・ご苦労ぶりを拝聴したりしながら暫し歓談して本日の締めくくりとした。 |