2004年8月22日(日)
 「戸倉散々」にならぬよう、われらは「戸倉2山」

   気をもませた天気予報が直前になって好転し、武蔵五日市駅バス停はきょうも熱い。曇天中心との予想で帽子の選択を誤ったB&Bコンビ(B型同士)と、いつもダンディな松戸氏との計3人で、ハイカー満載の数馬行きバスに乗り込む。途中、交通事故処理中の現場やツーリングのバイクを窓外に見つつ、約30分で笹平バス停に到着・下車。

   同時下車の中年男性ハイカーたち数名と前後しながら、すぐ脇の林道を進み、表示にしたがって山道に入るが、中年ハイカーたちは林道直進らしくあっさりお別れ。いきなり急登のお出迎えだが登り始めたばかりなので元気いっぱいだ。狭い山道の両側から小笹の枝葉が張りだしており、かなりの高度までお付き合いさせられる。笹野とか笹平などというバス停があったが、関係あるのかどうか・・・

  空は予報以上の快晴だが、木々が頭上を被い、尾根道に達するまでは風通しも殆どない。めっきり少なくなった蝉の鳴き声を聞きつつ、汗をかきかき漸く最初の尾根道にたどり着き、持参のクール飲料と蜂蜜でリフレッシュ休憩する。

  田幸氏がいれば興味を持ちそうな見知らぬきのこが誘惑する尾根道から再び登り始め、この急坂も何とかクリアーして、漸く最初の市道山が木の間隠れに見えてくる。鹿ン丸(臼杵山)との分岐点に到着し、荷物をおいて100m程歩き、市道山山頂(795m)で記念写真を撮り合うが、他のハイカー達には全く逢わない。山頂付近は視界がよくなく、全般的にいまひとつの感が強い。

 出発点での設定を忘れていた高度計を現在高度に修正設定し、まだ11時なので昼食は次の山頂でということにして臼杵山へと歩き出すが、尾根道歩きだろうとの予想に反して道が大きく下っている。下がれば下がるほど次の山頂への登り返しがきつくなる道理だが、期待に反してついには標高640mまで下って漸く上りになる。

   20分ほどで二股の分岐にきたが、どちらへ行けば良いのか標識がない。磁石で北の方向を確認し、協議の結果ほぼ直進する北方向への道を選択し、ぐんぐんと進むが、小さなコブのアップダウンの繰り返しである。漸く向こうから本日出逢う唯一人のハイカーとなる中年男性が下ってきたので、念のため確認すると我々の進んでいる道が正しい選択だったことが確認でき、一安心。ついでに臼杵山からの経過時間を聞くとまだ大分残り距離がありそうと判り、気を引き締めるがなかなかタフなコースである。

 アップダウンの長い登りを何とかクリアーし、本日の最高峰842mの臼杵山頂に到着したが、他のハイカーは誰もいない。早速松戸氏がひろげてくれた特大レジャーシートに座って待望の店開き。ビールがことのほか美味い。ホタテ貝柱の燻製、だだ茶豆、チーズ、キュウリ浅漬け、乾き物、梅干しなどで、1時間たっぷりの超充実ランチタイムとなったが、持参の冷酒や村谷氏がきょうに備えて仕入れの麦焼酎などでほんの軽く仕上げ、下りにかかる。

   ここまでが地図表示から判断した時間より長くかかった上、当初予定のこれからのグミ尾根が登りと下りのコースタイム表示の落差が大きく、かなりな急坂であろうことを予測して予定をを変更し、距離が短いはずの元郷への下りルートを選んだが、これまたなかなかの急坂の連続である。何度かスリップしながら時間もかかったが、途中綺麗な花の写真撮影などをしながら汗かきかきで漸く元郷バス停にたどりつく。

  松戸氏の定番、グレープフルーツの冷製で気分をリフレッシュし、バスに乗るとがら空きの一等席。武蔵五日市駅からはホリデー快速が折良く出迎えてくれ、晩夏の一日を振り返りつつ帰途についた。きょうのコースは、トレーニング向きとしてはなかなかのコースだが、ハイカーが殆どいない点でもポピュラーなハイキングルートではなさそうだ、これで戸倉三山全部を回ったら戸倉散々になりそうだなどと駄洒落を言いながらの一日だった。

<追記>

   きょうも山道でガクアジサイを見かけた。今までそんなことは全く気が付かなかった自分だが、一度疑問に思うと気づくらしい。つぼみもあった。帰宅して妻にまた話したら、暫くして一冊の本を持ってきて、あるページを開いて見せる。その本は、いつだったか、高尾山口駅構内の売店で300円で買った高尾山の花々の載っている本だが、それによると、どうやらガクアジサイではなく、「タマアジサイ」という種類らしい。

   それによると、『ユキノシタ科。花期8〜9月。高さ1.5〜2mになり沢沿いによく生えている。つぼみが球形のためこの名がある。冬に枯れ残った花がよく見られる』とある。これにて疑問氷解、一件落着だ。