2009.10.20(火)高尾山トレーニング山歩

 妻が隣宅の夫人と市主催の近郊ウォーキングに参加するということなので、折りも良し!と、一人で高尾山に行くことにした。最高気温が高くなるとの予報に従い、長袖を止めて半袖姿でミニザックにスポーツドリンク2本という軽装で、出かける。

 往路の車中で考えていたとおり、久々に6号路から登り始める。11月は紅葉シーズンによる人出での混雑を考えてか、登り専用路となる旨の掲示がしてあるのを横目に、8:45にケーブル清滝駅横から緩やかな6号路を登り始める。まだ体がグリコーゲン燃焼中心型の段階なので、体が温まり、エンジンが掛かってくる迄の「入り」としては好都合なコースであることに気づく。

 右手には「高尾山内八十八大師」の一部が見える。人出は、ウイークデーであることに加えて、まだ早朝であるせいか非常に少ない。朝の冷気とも言えるほど肌寒く、半袖姿で来たことを後悔しそうになったが、琵琶滝附近まで登っていくと、流石に体は汗ばみ初め、体のエンジンも快調になってくる。

 6号路、別名琵琶滝コースとも言われる所以が案内看板で次のように解説されている。

               
琵 琶 滝
 むかし、偉いお坊さんが、高尾山を歩いていると、どこからか琵琶の音が聞こえてきました。しかし、その琵琶の音が、どの方向から聞こえてくるのかわかりません。そのとき、一頭の鹿が現れ「どうぞこちらに・・・」と言うように先へ立って道案内をしました。お坊さんが鹿の後をついていくと白髪の老人が大岩に座って琵琶を弾いていました。その美しい調べに深く心を動かされたお坊さんは、白髪の老人に「悟りの道をお教えください」とお願いしました。
 すると老人の姿は大岩に吸い込まれるように消え、そこにまるで白髪のような清らかな滝があらわれました。その滝の音は、琵琶の調べのように美しく、お坊さんは、この滝を悟りを拓くための修行の場としました。これが琵琶滝です。


 一人の中年女性が、町歩きのような格好ですいすい先を歩いており、いくら頑張っても追いつけない。むしろ引き離されていくのには驚いたが、勝手な想像をするならば、おそらく山頂近くで働いている女性が毎日通勤しているのではないかと思われるような服装や脚達者ぶりだった。

 もう一人、琵琶滝を見ていたやや若い女性が、我が後ろから一定距離を保ちながら登ってくる。大山橋から先は6号路から離れ、稲荷山尾根に出て山頂下のベンチで休憩していたら、彼女も後から同じルートで追いついてきて、挨拶を交わしたが、なかなかの美人だった。

 6号路に限ったことではないが、高尾山に幾つもある各ルートには様々な解説板が建てられているが、琵琶滝に関する解説板の次に目に止まったのが「粘板岩」や、「高尾山と海」と題した解説板や、「硯岩」を示した標柱である。

               
粘 板 岩
 昔むかし、高尾山は海の底でした。砂や泥のたまった海底が大きく盛り上がって現在の高尾山となったのです。粘板岩とは自然の力で砂や土が固められてできたものです。
 黒色粘板岩は、とてもかたくて磨くと表面がツルツルになるので、硯石ともよばれ、硯や碁石に利用されます。

               高尾山と海
 一滴からはじまったこの沢の流れは、東京湾までつながっています。山の水を大切に想うことは、海を大切に想うことにつながります。


とあり、「前の沢」→「案内川」→「小仏川」→「浅川」→「多摩川」→「東京湾」という流れが図示されているのは、大変判りやすい。

 山頂下に着き、初の休憩をとっていると、稲荷山尾根を登ってきた人達がひとり、またひとりと現れるが、水分補給を終えて、いよいよ嫌いだがトレーニング目的で来ているので登らざるを得ない「木段」に挑戦し、何とか山頂に達すると、先客が結構おり、まだ10時だというのに中には弁当を食べている人達もいる。

 山頂から眺める富士は、気温が高いだけあってぼんやりと見えてはいるが、期待するような鮮明な遠望はきかない。奥の院・本社・薬王院などを参拝しつつ1号路を下り始めると、ケーブル利用客、リフト利用客、1号路などからの登山客など俄然人混みの通りになり、ざっと勘定すると目前10m位の範囲に20人以上が歩いている。

 最近は、下りのみはケーブルも利用する場合があったが、きょうはトレーニング目的なので、勿論歩く。リフト山頂駅との分岐から「下り40分」の標識が、日本語・英語・中国語・ハングルで表記されている1号路だが、いつもどおり半分の20分で降りきる。

 久方ぶりに名物のとろろ蕎麦でも食べようかと立ち寄り、正に冷たい激うまのそれを食して帰途についたが、気合いを入れていたせいか、久方ぶりの山歩きにも拘わらず、疲れがあまり感じられなかったのは幸いである。
 実は、来月7〜9日に2泊3日コースで中山道歩きの予定があり、碓氷峠とか和田峠などという、1200〜1600mクラスの山越えをしなければならないので、そのための脚力トレーニングなのである。これからも、極力鍛え直さなければ・・・