2009.08.23(日)  3ヶ月ぶりの山歩き・・・

 今週の日曜日は、当初は「古代東海道(相模国→武蔵国→上総国→常陸国)歩き」の予定だったが、仲閧フ都合に合わせ、一週間づらして30日(日)に変更した関係で、日程が空いている。
 ただでさえ暑さ負けで身体の鍛練が鈍りがちな昨今とて、久方ぶりに横歩きではなく「山歩き」でもやってみるかと思い立ち、涼しい内にと近間の高尾山に行く。

 ミシュランの三つ星観光地になって以来だが、行きの電車内からして高尾山行きの客が目だったが、稲荷山コースは人・人・人である。8:40頃から登り始め、一気に数人を抜いて「旭稲荷」前に着き、恒例の登坂前参拝をする。年配の登山客も多いが、お参りしていく人たちは少なく、他人事ながら気になる。

 前回は、5月12日(火)にYSCのメンバー達とこの同じ稲荷山コース経由で富士見台園地・一丁平・八王子城山下分岐・日影沢コース経由で歩いたが、あれ以来山はおろか坂らしい坂も登っていないわが身体は、すっかり蟹のように横歩き(街道歩き)慣れしてしまっていて、最初の10分間ぐらいは心臓が飛び出しそうだ。

 やがて、エネルギー源がグリコーゲン中心型から脂肪燃焼中心型に切り替わり始めると、急に楽になってきて“まだまだ捨てたものでもないか”と思い始めてくるが、稲荷山を過ぎる頃になると、不安通りスタミナ切れ?が起こってくる。2〜3年前までは、100人ぐらい追い抜く間に2〜3人程度に抜かれるのが普通だったが、「老化進行」と「トレーニング不足」に加えて「休日で若者が多い」こともあって、追い抜く以上に追い抜かれるパターンになってしまったのは、齢70才前とは言え寂しい気がする。

 天気は曇りがちで助かるが、汗は滝の如く滴り落ち、ペットボトルのスポーツドリンクもみるみるうちに減っていっている。漸く山頂下に辿りついて腕時計を見るとほぼ1時間の経過で、元気に登っていた頃に比べて殆ど遅れていないことに気づき、やや安心するが、ふと先を見ると山頂への階段左手の奥高尾への巻道がロープで閉鎖されている。以前からその兆候を感じなくもなかったが予想通り一部崩落があったようで、当面は通れない。

 元々は、体力次第だが出来れば八王子城山まで往復してみたいと思っていたので、さてどうしたものかとベンチで休憩がてら迷っていたら、あとから見覚えのある顔−−−夏目氏が登ってくる。自分とは異なり、タフの代名詞のような夏目氏だが今日もかなりな縦走を予定しているようだ。かの嫌な階段経由で登るという氏を見送り、自分はやむなくそれを避けて5号路を右にとり、一号路に合流して山頂に達すると、まだ10時そこそこだというのに弁当を広げた老夫婦・家族連れ・アベック・仲陂Aれほか、多勢が所狭しと屯している。

 小生も弁当は今朝妻に頼んで作ってもらったのを持ってはいるが、ここで食する気はなく、若干歩き足りない気もあるので、行ける所までと思って石段を降りて奥高尾から一丁平方向に向かい始める。石段下から左に巻けば富士見台園地経由、右に巻けば下り一方の巻道経由で真ん中の本道とほぼ同時合流し、すぐ先からまた左巻道が大垂水峠方向、右巻道が一丁平方向と再分岐するのだが、きょうは最初から真ん中の本道を通ることにした。

 ところがである。歩きにくい木段刻みの延々とした下りがあるのは知ってはいたが、以前より木段箇所が増えたのではないかと思う程、歩きにくい歩幅の階段下りをしなければならず、途中で嫌になってしまう。加えて、巻道との合流&分岐後は、今度は登り一方の木段が待っていて、これまた木段部分が以前より増えた感じだ。コンクリートに小石で滑り止めを付けた脇の道も、横からの丈の長い雑草に邪魔されて歩きづらいし、疲労感が急に大きくなってくる。

 いつからこんなに歩きにくい道にしてしまったのだろうかと内心思いつつ登っていくが、行き来する他の人たちは何を感じてか、あるいは感じないでか、坦々と上り下りしているので、そうそう不満も言ってはおられない。ようやく一丁平に着き、日陰の空きベンチに座ると、ここでもまた周囲で弁当を広げている人たちが多い。

 嫌な階段下りと階段登りを強要された恨みで、「きょうは、もうここまででおしまい」と、わが身も愛妻弁当を取り出す。詰めたい缶ビールでも呑みたいところではあるが、生憎というか当然というか携行していないので、清きランチタイムだが、木陰を吹き抜ける涼風の心地よさと共に弁当が味わい深い。

 汗もおさまり、空腹も満ち、荷物も軽くなったが、これから城山往復はファイトが湧かないので、きょうはここまでということにして帰路につくことにしたが、嫌な木段を下って、再び登り返さないと当然ながら帰れないので、嫌々木段下りを開始する。途中からは左の巻道に入って自然な山道を一歩一歩踏みしめるように登り続け、漸く山頂下の石段登り口に到着する。

 他の登山者が、一歩一歩石段を登っていくのを見ながら、小生もふたたびゼーゼーハーハー言いながら高尾山頂へと登り返し、富士浅間社前の奥の院・飯綱権現堂本社・そして大本堂といつもどおり参拝して権現茶屋に行き、楽しみにしていた、ここだけでしか食べられないという「権現アイス」を買い求めようと期待したが、どうした訳か普通のソフトクリームしかなかったので、がっかり。

 あとは一号路を下り、当初の予定通り高尾山駅からケーブルを利用して清滝駅へと下った。鍛練不足の足に過度な下り坂での負担を掛けまいとしての安全策だが、最高30度18分というケーブルでは日本最大の急勾配で始まる下りは、最初だけだが座席に座っていても思わず前のめりになる。

 久々の山歩きだったが、総じて脚力の低下(基礎体力の老化)は否めない。これでは中山道の山越え・峠越えは出来そうにない・・・平地での街道歩きも急がなくっちゃ・・・と思った半日だった。