2004年11月3日(水) |
想い出・宿願の地へ・・・好天下、紅葉に染まる日川渓谷・竜門峡ハイキング |
あれは一体何年前のことだったろうか・・・まだ子たちが幼かった頃、近隣3家族合同のハイキングに行ったことがある。3家の夫婦・子ども計14人が、T弁護士の音頭取りで行った先が、どこかの駅から延々歩き、そして渓谷沿いを登り、最後に急登の末、原っぱで持ち寄りの弁当を食べたのが唯一の記憶で、確か「天目山」と行ったように記憶していた。 中央線沿線だったことは記憶しているのだが、それがどこの駅からのハイキングだったのか、お仕事多忙で何事も女房任せだった男のお付き合いハイキングだったせいで記憶が乏しい。撮ったはずの写真もこども達にやってしまったみたいで、夫婦のアルバムには形跡がない。 山歩きを始めてから、更めてそのことを想い出し、あれはどこだったのだろうといろいろ地図で調べてみたが判らなかった。ところが、つい先日JR駅で貰った「駅からハイキング」のパンフレットを見て、「あぁ、もしかしてここだったのでは・・・」と思い、折しも紅葉シーズンなのでぜひ行ってみようと考えていたのが、「日川渓谷・竜門峡」だった。因みに、地図では手許にある地図の更に西側だったので、見つからなかった道理だ。 妻が実家の法事で一足先に帰省してしまい、わが俄チョンガーが、目覚まし時計で6時前に起き、孤軍奮闘家事をこなし、8:20高尾発甲府行き列車に乗り込んだ。発車7分前だったが漸く空席が1つありやれやれと着席。発車時刻には通路まで立ち席のハイカー満載で発車したが、考えてみると今日は旗日である。藤野・猿橋・大月・初狩などで次々と大勢のハイカーが降りていく。夫婦連れ・若いアベック・元ヤングギャルグループ・子供連れ・老人ハイキング団体・知友人仲間・大型三脚を持った中年男性など、好天の秋晴れに満を持した人たちばかりだ。 途中、10日予定の滝子山への起点駅となる笹子や帰着駅となる初狩の駅を窓から眺める。幾つ目のトンネルだったか、最後に笹子トンネルをを抜けて9:26分甲斐大和駅到着。大和村というのだだそうな。高尾駅で標高180mに合わせた手許の高度計が640mを指している。二駅ぐらい前から急に高度を上げたようだ。大月以遠はスイカが使えなかった記憶があるので高尾駅南口でわざわざ京王線改札口から一旦外に出てJR切符を買い直したのに、何とスイカの改札機が立っているではないか。駅員に聞いたら「韮崎まで使えるようになりました」とのこと。これで便利になったわいとほくそ笑む。 改札口の先で左右に道が分かれていたので、ついでに駅員に日川渓谷への道を確認し、線路を高架で渡って東へ歩きはじめる。日射しが強い。じりじりと照りつける夏のような日射しだ。しかも登り傾斜の舗装道路歩きだ。すぐウインドブレーカーを脱ぎ、ストックを用意し、頭には汗よけに長タオルをはちまき式に巻き、快足発進する。 このコースは14日の日曜日にJRの「駅からハイキング」イベントがあるが、まだ看板などの道標が何もないのは当然か。裏道から国道20号に入り、景徳院入口の信号から県道大菩薩初鹿野線へと左折、時折里道経由でひたすら上り勾配の舗装路をピッチ良く歩く。途中3組ばかりの歩きハイカーを挨拶して追い抜く。 竜門峡入口までの所要は徒歩で60分というバンフレット表示だった。実は20分ぐらい駅で待てば9:48発のバス便があり、しかも所要13分ということだったので、歩けば10:27、バスを待っても10:01には到着可能なのでそのほうが表面的には早い計算になるのだが、歩いて60分という表示は自分の脚ならせいぜい45分、うまくいけば40分で行けるかも知れないから、歩いても殆ど違わないだろうし、「駅からハイキング」でも基本は「歩き」になっているし、第一ハイキングは歩くのが当たり前で、バスに乗ったのでは体脂肪燃焼にならないので、もちろん「歩き」の方を選択したのだが、結果は正味歩行38分、途中での着衣変更時間を入れても41分で目算通りだったので、先ずはご機嫌。手許の高度計は815mを表示している。入口の看板をカメラにおさめ、目的の遊歩道へと入っていく。なかなか良い。紅葉ってこんなに綺麗だったのかと更めて何度も痛感するほど、それは見事な景観で、来てよかったと繰り返し思う絶景だ。おそらく、JRイベント日あたりには、紅葉も最高潮に達することだろう。 緑の木々、差し込んでくる木漏れ日、見事な紅葉、眼下の爽やかな渓流と、汗ばむ体にしみいるような涼やかなせせらぎの音・・・。随所で立ち止まり、カメラにその絶景をゲットする。やがて「落合三つの滝」分岐に着く。渓流に渡した木板の吊り橋をロープ伝いに慎重に渡り、さらに上の方へと危なっかしい階段や渓流の岩場の間を通って行くと、感動的な滝の絶景が待っていてくれる。水量が多いので、滝も日川の渓流も見応えたっぷりだ。 約15分後に元の分岐に慎重に戻り、更に先へと遊歩道を進むと休憩舎があり、早くも数組のハイカー達が弁当を拡げている。時計を見ると11時である。しからば小生も適当な所を・・・ときょろきょろしながら進むと、渓流沿いの大きな岩場があったので、そこでランチタイムとする。 早速ストーブで湯を沸かし、持参の「菊水ふなくちの一番搾り」で自己慰労し、カップうどんに薄切り餅を入れる。ささやかな小休止を終え、遊歩道を進んでいくと、そこかしこで各グループがランチタイムを開店している。先日の筑波山で通った弁慶七戻石のような大岩「平戸の石門」をくぐり抜け、最後の急登を登り切ると、手前にススキ、その向こうに紅葉の山々が燦々とした陽光に反応して美しい容姿を一枚のスクリーン様に目に焼き付けてくる。以前こども達と弁当を食べた場所を探してみたが、流石に25年近く経てば風景も一変していて判らない。標高1060mの表示である。 ここからは、栖雲寺・やまと天目山温泉・天目トンネル・蕎麦処天目庵・日川渓谷レジャーセンターなどを一路通過して、今朝ほどの竜門峡入口まで下山し、更に朝の道を逆に駅へと辿るのだが、ひたすらの舗装降下路を快調にエクササイズウォーキングよろしく快足で飛ばしていく。途中の景色が行っても行っても素晴らしい景観ばかりで、立ち止まってはカメラを構え・・・と一体何枚撮ったことか、妻のやっている布絵の手本になるようにと、空・山・紅葉・緑・陽光・渓流・滝をセットでシャッターを押す。 そんなこんなで何度も立ち止まったので正確な歩行時間は不明になってしまったが、降下開始地点から甲斐大和駅までのパンフレット記載の所要時間105分に対して68分だったので、歩きオンリーだったら推定60分程度だったかと推測する。お陰で、きょうも日頃の行いの良さを愛でられてか、甲斐大和駅到着が13:06、八王子行き上り列車が1分後の13:07発に間に合い、ご機嫌宜しく帰途につく。時間が早いせいかまだ空いていて、4人がけボックスを独り占めし、靴を脱ぎ脚を伸ばしてマッサージしながらの帰宅となる。 景観がとりわけ美しかったことに加えて、昔々の家族ずれ近隣合同ハイキング先に漸く行けたという永年の宿題達成の満足感で、きょうもハッピーに晩酌を楽しむ一日だった。 |