2005年6月12日(日)
 妻誘い 脚力だめしに 高尾山 梅雨の晴れ間に ハイカーの群れ

<目的地>高尾山(599m)


<歩行起点>旧甲州街道「日影」バス停(高尾駅北口から「小仏」行き京王バス乗車・所要12分)   <歩行終点>京王線「高尾山口」駅

<コース>JR・高尾駅北口===バス12'===日影BS(250m)---60'---高尾山(599m)---奥の院・本社・薬王院---ウッディハウス---2号路北斜面道---琵琶滝への下山道---琵琶滝不動堂---岩屋大師---清滝駅---京王線・高尾山口駅

<参加者>2名

<天候>晴れ  湿度ややあるも尾根筋の微風爽やか

<山行記>

   5月11日に現役時代の同期生の山仲間たちと登って以来1ヵ月ぶりの山歩である。その間、孫に逢いに沖縄へ行ったり、帰京後は沖縄での孫サービス過剰の故か、はたまた寄る歳なみの故か、先月18日深夜から右五十肩の激痛に見舞われ、安静・治療のため通院以外の外出も一切出来ない1ヵ月だった。毎週の山仲間にも迷惑をかけたし、妻にも身の回りの介護?その他ですっかり面倒をかけ、日課にしている最低限の家事手伝いも閉店休業状態だった。

   心配は、脚力の低下で、肩痛みも大分和らぎ徐々にリハビリに入る時期だったこともあり、妻を誘い山歩再入門コースとして、手近な“高尾山”を選んだ。2002年暮れから始めた山歩き以来、2年半で41回目の高尾山である。電車の時刻も調べず、適当に家を出て高幡不動駅から京王八王子行きに乗り、北野駅接続高尾山口行き乗換えで高尾駅で下車。妻にとっては新コースで登ろうと駅北口から小仏行きバスに乗る。何と運転手は若き女性だった。

   “日影”バス停で下車し小仏城山方面に入る林道入口にさしかかると、何と日影沢が小仏川に合流する地点に檜の木道橋が架かっているのを発見。前回来たときには無かった新設の橋だ。ユニバーサルデザイン歩道という総檜製の木道橋で、木の香りが良い。林野庁作らしいが、長さは約80mで、通ってみたものの小仏川上で行き止まり、そこから河原の方に降りられなくもないという、何とも中途半端な物だが、紅葉シーズンにはいいかも・・・と家内と意見が一致。そこから林道を5分ぐらい行くと、展示室や森の図書館を備えた多目的ホール「ウッディハウス愛林」や、キャンプ場、ユニバーサルトイレがあり、ここからの登坂に備えてトイレをすませる。ここは、日影沢園地・高尾森林センターとも言うらしい。

   ここから山道に入り「いろはの森」コースで高尾山頂まで所要60分とあるが、いろはの森の名称由来は、いろは48文字をそれぞれ頭文字とする樹木があり、木の根元に樹木名が表示されていることによるらしい。また、以前通った時に知ったが、数えてみると14首の和歌が風情ある木製看板に彫り込まれ、登山道の脇に立てられている。因みに、作者不詳が8首で一番多く、作者が表示されているのは6首で、大伴家持・柿本人麻呂・弓削皇子・紀郎女・磐姫皇后・僧恵行の各1首であった。それらの作品も樹名に関係のある物ばかりだったので、一応「いろはの森」に相応しいアイディアと言えそうだ。

   “ベンチなど無きやと 妻に尋ねられ 有りすぎるほど 有りしと答える”のだったが、これも前回の印象で、実際にはそんなに多くはなかった。登坂ピッチを超スローペースにしたため、全く心臓が平常の時と同じだったが、やはり妻はややしんどそうな感がした。自分はむしろ右肩の痛みが悪化しないようにと、ストックを左手で使ったりした程度だった。時折ドリンク休憩をとりながら、のんびりと登っていくと、流石に日曜日で然も梅雨間の晴れ日とて、大勢のハイカー達とすれ違う。年配の夫婦・若い恋人のカップル・親子の家族ずれ・若夫婦・そしてひとり歩きの男女など様々な人たちで、このコースも人気コースだったんだと痛感させられる。時間の経過に連れ気温も上がってきているが、スローペースで登っているのと、11:51に吊り橋方面からの道と合流した尾根筋当たりからは風も通り抜け、思いの外快適な体感である。

   12:04一号路と合流。間もなく山頂だ。大勢のハイカー達がベンチに、地べたにと思い思いにレジャーシートなどをひろげてお弁当タイムを楽しんでいるが、われら夫婦は横着を決め込んで茶店のとろろ蕎麦期待派だ。「大見晴台亭」に入ったら、折良く席が空いていて「ざるとろろ蕎麦」とビールを注文。何でもここは13州大見晴台と言っていたらしく、標識も建っている。1ヵ月前に行った関八州見晴台より山は低くても数は5州多いが、白髪三千丈の類の感なきにしもあらずか。

   下山路をどうとろうかと相談したが、1つには折角来たのだから薬王院にお参りもしたいし、更にはわが家御用達の高尾土産(但し生産地は青梅市)を売っている唯一の土産物店にも立ち寄りたいし・・・ということで、一号路を降りていく。参拝をすませ山門に向かっていくと、見たこともない大天狗・小天狗の像が建っていたりして、久方ぶりの高尾山がいろいろと変わっているのに驚く。山門下の売店で目当ての激旨佃煮の買物を済まる。その先で“やまぼうし”という白い花が綺麗に咲いていてカメラを向ける。ウッディハウスのある所まで行くと、右下に降りる階段があり「自然研究路2号・びわ滝」方向への表示を発見。初めての道だがここを行こうということになり、鈍っている膝に負担がかからないようゆっくり降りていると、次から次へと後ろから人が降りてきて、“ああ、ここも人気ルートなんだ”と実感する。道幅も琵琶滝コースに比べて広く、傾斜も極端にきつくなく、また通ってみたいルートだ。

   途中、二号路と分かれて琵琶滝・高尾山口駅方面に進んでいると、一見、六地蔵かと思える地蔵が数体あるのが目に入り、コースからちょっぴり逸れるけれども寄り道すると、何と、話にだけは聞いて知っていたが、高尾山内四国八十八大師参りの一部分であった。懐かしい10番切幡寺から11番藤井寺、12番焼山寺・13番大日寺・14番常楽寺・15番国分寺・16番観音寺の6ヵ寺のお地蔵姿が赤い布着を掛けられてたたずんでいるのに出逢い、夫婦揃って嘗て行った阿波の国の札所だったので大変懐かしかった。高幡不動尊のある高幡山にも四国八十八ヵ所のミニコースがあり、既に何度か巡っているが、高尾山のそれは未だだったので、いずれ近いうちに回ってみたいものだ。後日電話で薬王院に問い合わせた処、表参道(一号路)登山口右側にある不動院(薬王院別院)でガイド地図を貰える(有料)とのことなので、近々チャレンジしてみたい。

   嘗て琵琶滝コースから下山したときに、渓流の向かい側から降りてくる人たちが居たのを見て、あそこに降りるんだろうと思っていた場所と同じ処に降りてきた。敬虔なご婦人が不動堂でとても丁寧な心のこもったお参りをしていたのも印象的だった。わら等夫婦も参拝し、大勢の琵琶滝コース下山者と前後して降りていく。清滝駅の例の冷水を大勢の人たちが旨い旨いと飲んでいたが、駅構内を見ると新発見が二つ。1つは“八角連”という八つの先端を持つ葉の鉢植えが置いてあり印象的だったこと。もう一つは切符売り場で東海自然歩道のルートガイドを200円で売っているとの表示を見て早速購入。近場は日帰りで行けるため、前々から関心を持っていたからだ。

   到着した高尾山口駅は、下山したハイカー達が靴を洗浄していて列に並んでわれら夫婦もウオッシュする。折良く来た15:03発の特急電車に乗り帰宅。妻は若干脚が疲れたようだが、大したこともなさそうで一安心。