2004年11月10日(水) |
好天下、初の2000m峰・紅葉の「大菩薩」から富士・南ア・八ヶ岳の山々眺望 |
以前から一度は行きたいと思っていた大菩薩への山行が、Ma先輩との間で急遽話がまとまり、氏の車で行くこととなった。氏は4度目、うち車利用でも2度目の由である。 7:20高尾駅南口待ち合わせで、R20号→相模湖IC→勝沼IC→R411と行き、上日川峠まで行く。本来ならもっと下の大菩薩峠登山口から登り始めるべき処だが、その場合は往復所要7時間弱、標高差1160mとなり、数日前の滝子山山行の疲れもやや残る身として、また日没早き時節柄、時間的にも不足するので当初から予定していた上日川峠(ロッヂ長兵衛)まで車で行く。順調に2時間弱で到着し、9:25分登山開始。ちなみに、ここは公営駐車場があるが、タクシー利用なら更に110m上・徒歩20分所要の福ちゃん荘まで行けるようだ。 採ったコースは、上日川峠(1590m)→福ちゃん荘(1700m)→雷岩(2035m)→大菩薩嶺(2057m)→雷岩→神部岩(1990m)→妙見ノ頭→賽ノ河原(1955m)→親不知ノ頭→大菩薩峠(1897m))→熊沢山(推1975m)→石丸峠(推1920m)→大菩薩館跡→上日川峠という、徒歩4時間コース、標高差467mと、例えれば高尾山口駅・小仏城山間往復に近似している。 ただ、そうは言っても嘗て百蔵山登山で初の1000m峰を経験して以来の2000m台となれば、心中期待するや少なからぬものがある。しかも、その次の大台変わりは多分ないであろうと思えば余計に期待するものがあったのは事実である。 さて、山行記録だが、登りは「唐松尾根」経由のコースをとることにして、ロッヂ長兵衛脇から登山道に入る。ブナやミズナラほか大菩薩の広葉樹林をまずは丘陵散策気分で登り始める。大菩薩を特徴づける笹原とカラマツ林も姿を見せて福ちゃん荘前へ所要20分。標準タイムどおりである。 福ちゃん荘脇から唐松尾根への分岐に入り、その名のとおりカラマツ林を通ってどんどん行くと、やがて傾斜が増して来る。途中何組かのハイカーを追い抜き、急・緩を二度ばかり繰り返して稜線に続く急斜面の取付に出る。息が切れ、何度も30秒休憩する。だが、ふと後ろを振り返れば眼下に大菩薩湖が見え、更にその上に霊峰冨士の雄姿が南方かなたに悠然と聳えているのを見て、一挙に疲れが吹き飛ぶ。思わずデジカメを取り出してシャッターを押す。更に右手(南西方向)に目をやると南アルプスの山々が前聖岳から甲斐駒ヶ岳あたりまで幽玄の世界の如く目に入ってくる。さらに西方向に目を転ずると八ヶ岳連峰まで雄大なパノラマ画面かくの如しと目と心を癒してくれる。これまでの山行では経験しなかった最高度の感激である。 ゴロゴロ石や岩の急登の連続だが、片側に張られたロープには草原に入るなの意味もあり、春などは季節の花が咲き乱れるらしい。今は草原だがふり返れば感激のシャッターチャンスの連続で、疲れをシャッター休憩でつなぎながら漸く主稜線上の雷岩に到着。数組の先行ハイカーが座り込んで早めの昼食を摂っている。絶景とはこのことかと言わんばかりのパノラマビューに更めて感激しながら、先ずは岩上で記念撮影。富士の頂上付近にはやや飛行機雲風の横雲が架かってきている。更めて南ア連峰や八ヶ岳方面にも目をやり、雲上に浮かんだような山々の頂の帯を堪能する。 ここから本日の最高地点「大菩薩嶺」までは10分だが、眺望はない。途中倒木が二箇所道をふさいでいる。先着ハイカーにシャッターを押して貰い2057m登頂の証拠写真とする。更に先ほどの雷岩地点に戻り、岩山を越えて大菩薩峠方向へとアップダウンを繰り返しながら行くと、結構大勢のハイカー達とすれ違い、挨拶を交わすが、元ヤングギャル達も結構多い。神部岩から石ころ混じりのやや急な下りを経て妙見の頭の西面観世音菩薩を巻くと賽の河原に降り立つ。 昼食をどこでするかと相談しつつ頃良い高みに登ると、ここがこの辺りでは最もワイドなパノラマビューが得られる親不知ノ頭。、ここで先着ハイカー達の横でシートを拡げ、早速ガスストーブに点火する。結局、ビール、熱々麺、熱々おでん、柿・葡萄、和菓子とたっぷり57分間のデザート付き大休止となったが、予定以上のスピードで登って来ているので問題ない。ふと上を見ると飛行機の航跡がくっきりと一本の白雲線で描かれ、思わずシャッターを押したりする。 しからばと、再出発し 短く急下降した鞍部が大菩薩峠で、一角に立つ介山荘は展望良き山の宿でもあるようだ。ここから右折すればショートカットの最もポピュラーな下山路となるのだが、時間と脚力にまだ若干の余裕のある我らは更に眼前の山(熊沢山)を越え、一面草原の石丸峠へと降り立つ。先ほどのビールが効いていて登りがつらかったが、程なく慣れ、再び快調なピッチで山越えできたが、不思議なことに滝子山の疲れが殆ど感じないのは、トレーニングの成果かとうぬぼれる。峠の分岐から直進すれば眼前の天狗棚山(1957m)だが記念撮影の後、分岐を右折して上日川峠への下山路に入る。熊沢山の南面を巻く細い山腹道の両側は笹原である。 枝尾根に移ったあたりで草原が尽き、カラマツ林の林床を笹が覆う道となる。随所に落葉しているカラマツの紅葉を踏みしめながらけっこう急な下り坂を快適にジグザクと降り、途中二箇所ほど林道を横切る。この林道は上は介山荘まで通じているようだ。 大きな岩を飛び越えて姫ノ井沢を渡り、皇太子殿下が休息されたという親水公園の東屋で一息入れた後、今は廃屋となった大菩薩館跡を右に見て、本日の出発点となった上日川峠に帰り着く。時に14:22。休憩時間などオール込みで5時間足らず、道々メモした経過時間や大休止時間などから計算すると、正味歩行時間は、標準タイム4時間の処、3時間27分とまずまず快適な山行だった。 再び車上の人となった後は、途中「大菩薩の湯」(600円)でゆったりと露天風呂などにつかり、疲れを癒して帰路に着いた。ほんとうに充実した、素晴らしい山行ができ、Ma先輩に謝すること無限であり、何度もお礼申し上げ、またの同行指導をお願いして高尾山口駅前まで送って戴いた。「迷ったときは、美味しいこれ!」と書いてあった味噌2種類(2kg)を土産に帰宅したのは18時過ぎだったが、登った高さも最高なら、満足度もこれまでの山行経験の中で突出最高の一日だった。謝々。次回、来春5月初旬頃、花の季節に再度行きたいものだ。 |