あ、伯爵様。王妃様が
謁見の間に来るようにとのことでした。
では、謁見の間まで
ご案内いたします。
エリス:
今日、そなたたちを集めたのは、
エリエナイ公、そなたに
問いただしたいことがあったからだ。
エリエナイ公レムオンよ。
そなた、ダルケニスではないか?
レムオン:
…何をご冗談を。
エリス:
我が手の者が、
そなたが銀髪赤眼で血を求め、
吼えておったところを見ておる。
ゼネテス:
…ダルケニスだったってことは、
そりゃ、前の新月の晩のことだよな、
叔母貴。
エリス:
その通りだ。
ゼネテス:
叔母貴の言う手の者ってのは、
もしかして、ツェラシェルか?
エリス:
その通りだ。
ゼネテス:
そいつは、変だな。
俺はその晩、そのツェラシェルと
一緒だったんですよ。
セルモノー:
…その言葉に偽りはないか?
ファーロス総司令。
ゼネテス:
千年樹に賭けて真実です、陛下。
それにノーブル伯も一緒だったしな。
な、●●。
セルモノー:
そうか。ノーブル伯と総司令が
そう申すなら、間違いあるまい。
エリエナイ公もとんだ嫌疑であったな。
レムオン:
…陛下、気分が悪いので、
失礼いたします。
恩を売る気か?
ゼネテス:
そんなんじゃねぇさ。
レムオン:
後悔するぞ。
俺はもう腹を決めているのだ。
セルモノー:
もう用はないようだな。
疲れた。下がらせてもらうぞ。
エリス:
…どういうつもりだ、ゼネテス。
手負いの獣を野に放つのか?
危険すぎるぞ。
ゼネテス:
叔母貴、ディンガル帝国の手が
そこまで伸びてる。だから、反対派の
巨頭を消そうと目論んだんだろうが…
少なくとも
種族間の不理解をネタに使うのは、
俺は気に入らないぜ。
エリス:
以後は、総司令の不興を買わぬよう
肝に銘じよう。
…だが、甘いな。
これで、私とそなたは
一歩、死に近づいたぞ。
ゼネテス:
誰だって、死ぬのは決まってるさ。
俺は叔母貴と心中できるなら
本望だぜ。
エリス:
フフ、私はごめんこうむる。
できるだけの手を打つだけだ。
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