レムオン:
お前も来るか?
レムオン:
ティアナ王女を訪ねるところだ。
レムオン:
相変わらず気の利かぬ女だ。
男が女のもとを訪れようというのだ。
遠慮する気にはならないのか?
レムオン:
バカか。本気にするな。
ティアナ:
ふふふ…、●●様って本当におもしろい方ですね。
レムオン:
笑わないでやってくれ。
冗談で言っているのではない。
こいつは王宮のしきたりにうといのだ。
ティアナ:
でも、無意味なしきたりばかり。
おじぎの仕方、お食事の席順や作法…。
レムオン:
フッ、これは意外だ。
いつも、フィアンセ殿の不作法を嫌っているではないか?
ティアナ:
あれは…
あの方は度をこえています!
レムオン:
確かにな。どうせ、昼間から酒と賭博にあけくれ、
薄暗い酒場で、女をはべらし、
鼻の下を伸ばしているのだろう。
貴族の名を盾にな。
ティアナ:
それは違います!
あの方は、そんな方ではありません!
ましてや、
貴族の名をひけらかすなんて…!
…ごめんなさい。
私、何をムキになってるのかしら。
レムオン:
何も謝ることなどないさ。
では失礼する。
愛しのフィアンセ殿によろしくな。
ティアナ:
レムオン様…。
レムオン:
みっともないところを
見せてしまったな。
レムオン:
バカを言え! ティアナは
ファーロスの雌狐の娘だ。
誰がファーロス家の
血を引く女などに
心を奪われるものか!
レムオン:
黙れ! 俺は…
レムオン:
…そうだ。
…お前の言うとおりだ。
俺はティアナを好きだった!
あんな男と婚約する前から…
幼いころから、ずっと! ずっと!
だが、許されないことだ!
この想いを告げることも、
いや、こんな気持ちを抱くことすらも
許されないのだ!
フフ…。満足か?
…おれのこんな姿を見て
満足か?
すまん…。貴様には…
つい…甘えてしまう。
お前に見放されたら、俺は…。
…いや、なんでもない。
まさに醜態だった。忘れてくれ。
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