アンギルダン:
バカな…!
あそこまで崩れ去った兵をまとめ上げただと?
ありえない…!
敵将は誰だ!?
騎士:
総司令ノヴィン・ファーロスの息子ゼネテス!
奇襲を受けた中枢部隊は壊乱!
アンギルダン様の生死は不明です!
出撃! ●●様に続け!
アンギルダン様をお救いするのだ!
アンギルダン:
ゼネテス…、
そうか、お主がおったのか!
お主ならば、あの敗軍を
まとめる器量がある!
くっ、ぬかったわ!
お主がおるとわかっておれば、
敗残兵の殲滅を優先させたものを!
ゼネテス:
…とっつぁん、
悪いが、命をもらう。
…ロストール兵の
命がかかってるんでね。
アンギルダン:
はい、そうですかとくれてやるわけにはいかんな。
こっちも
ディンガルの兵の命がかかっておるのでな!
ゼネテス:
…●●! お前も
アンギルダンのとっつぁんの側か!
ちっ、人物は人物を呼ぶんだな。
こりゃあ、ちょっと分が悪いな。
ま、いい。なんとか運命の女神を
振り向かせるのには成功したようだ。
あばよ、とっつぁん、
そして●●!
生きて、また会おうぜ!
心配するな! ノーブル伯!
叔母貴には黙っておくからな!
アンギルダン:
フフ、さすがはゼネテスよ…。
やりおる。
わしがもっと若ければな…。
そうすれば、お主と力を合わせて、
あの男を討ち取れていたかもしれんな。
だが、あきらめも肝要よ。
わしの負けじゃ。
運命の女神のほほえみを
あの色男に持っていかれたわい!
徴発隊の出撃で手薄だった本陣を突かれた帝国軍は、
敗残兵を驚くべき早さで立て直したゼネテスの奇襲により、総崩れとなった。
生き残ったディンガル兵は、ドワーフの王国を抜け、ディンガル領内に撤退。
ゼネテスは、追撃しなかった。
ここにアンギルダンの山越えに始まったロストール侵攻戦は、失敗に終わった。
これによりゼネテスの声望は一気に高まり、奇跡の名将とまで呼ばれたが、
今回の戦いでロストールが受けた被害は甚大なものであった。
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