イナゴの会
「甘口辛口」新潟日報
2008.9.10掲載

 O子に「H子とG子がイナゴ(食べつくす)の会を作った」と教えられた。O子は食通で料理上手。O子の料理は独創的で、田芋(沖縄の芋)のから揚げと柿を併せ、クレソンとベーコンで味をつけるなど、思いがけない食材の組み合わせが絶妙な味を生み出す。その日も、O子の作った「沖縄のらっきょうと塩昆布の刻み和え」をつまみに飲んでいた。お酒によく合い、冷奴にのせてもおいしい。そこへT子が合流。早速、私はT子に「H子とG子とO子がイナゴの会を作った」と伝えた。にぎやかに話は移り変わり、T子が席をはずしふと会話がとまったとき、「私はイナゴの会、入ってないからね、一応訂正しとくから」とO子。「あ、そうなの」と私。後は何を話したか、その日はそのまま解散。

 今になって、不安になっている。T子は誰かに「H子とG子とO子と美弥子がイナゴの会を作った」と伝えてしまうのではないか。何かを伝える時は正確に言わなければ。T子、私はイナゴの会には入ってないからね。