スケールの大きい北山川支流

 

 現地に午前3時に到着、車中で仮眠を取ろうとシートを倒し、シュラフに潜り込んだ。先輩と「朝は早く起きる。」と堅く約束する。
 窓から空を見上げると満天の星空である。つつっーと流れ星が流れた。願い事をする暇もない。今度こそと思ってみていると来た!今度は長い。
「大物が釣れますように!」、うん?妙に長い。良く見ると人工衛星だった。。。

 翌朝、寝坊してしまい7時である。そそくさと準備をして谷に入る。最近よく行っている京都や滋賀の谷に比べるとスケールが違っていいなあ。
 転がっている岩がトラックぐらいあるし、崖もしょぼいマンションくらいある。落ち込みも半端じゃない。遡行するのも大変だが、その分ポイントだらけだ。ニヤリとほくそ笑みながら仕掛けを振り込む。

アマゴちゃんのプライバシー保護のため顔にモザイクをかけております おぉーっ、いきなりアタリがあった。半端な引きじゃない。20センチ越えのアマゴだ。写真を撮ってリリース。
 水面に光が反射してアマゴのプライバシー保護写真になってしまった。
 より上流に行けるように落ち込みの一つ上の流れにリリースした。

 この谷は岩が白っぽいためか渓相が明るい。そのためか釣れるアマゴも色が薄いように思われた。
 水が澄みきっている。ここまで綺麗な水はそんなに見たことがない。淵はきれいなエメラルドグリーンだ。
 あまり透明なので距離感が狂いがちになって水深を見誤ってしまいそうだ。また、当然アマゴからもこちらの影が見えやすいはずなのでストーキングに努めた。

  台風がかすったので心配だったが、水量もそんなに増えていない。杉などの人工林の谷はすぐに増水して釣りにならないのだが、ここは違う。少々の雨ではびくともしない程、山深く、自然林が豊かなのだろう。
 増水を考えて、餌はミミズがメインで予備にブドウ虫である。ミミズの方がやや調子がよいようだ。流れもきついところが多いのでオモリは普段より重めにした。

 滝などの難所があったが、どれも巻いて進んだ。テンポよく釣り上がっていく。2人の竿にいい感じでぼちぼちとアマゴが上がってくる。
 緑一杯の大自然の中、釣るのは本当に気持ちいいなぁ。そこそこ釣れるし言うことなしだ。

 岩が大きいためルートをミスると袋小路になって進めなくて、引き返さなくてはならなかったりする。まるで巨大迷路のようだ。
 流れの緩やかなところでは、へそまで浸かって対岸に渡ったり、流れのキツイ所では水深が膝までなのに慎重に渡渉したり、変化に富んでいて楽しい。

 ただ、私の苦手なナメ床が多い。流れに平行してナメ床が続いているところがあった。
「ナメ床はすべるからなぁ。気をつけなくっちゃ。」と思った瞬間、バランスを崩して右に倒れてしまった。右半身ずぶ濡れになってしまったが、それも妙におかしくて笑ってしまう。
 左にこけていたら、流れに巻かれて洗濯機の洗濯物状態になるところだった。危ない危ない。
 ただ、新調した竿の元上を折ってしまったことに気付いて、へこんでしまった。一段仕舞って釣ったんで問題なかったけど。
 先輩も「浅いと思ったんやけどなぁ。」透明なあまり、目測を誤って胸まで浸かってしまったこともあったようだ。

 激しい落ち込みに絶好のポイントがあった。流れがキツイので2秒くらいしか流せない。計算しつつ、仕掛けを振り込んだ瞬間にアタリが!
 キツイ流れに抗して目印が動き回る。上がってきたのは23センチの体高のあるアマゴ。記録更新にはならなかったが、なかなか楽しませてくれた。

 

よく太っている23センチのアマゴ。

絶好のポイント。越すのに苦労したけど。

 その後も、たくさんの岩をよじ登り、流れを渡り、ポイントを攻めて、アマゴを釣った。釣りを満喫した一日だった。翌日は全身筋肉痛だったけど気分爽快。

 

岩陰から狙う先輩

 

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