十津川水系にリベンジを果たす

 前回、豪雪で門前払いを食らわされた十津川水系にリベンジを果たすときがきた。渓流の師匠と先輩との3人パーティだ。
 今度は車もX-TRAILを納車したし、準備も万端。前回、挫折した峠を越えて快調に現地に向かった。道端の猿の群れを追い越す。一体ここはどこやねん?

 車を止めたところから45分ほど山道を歩いて、やっと釣り場へ到着した。滴る汗をものともせず、竿を伸ばし、仕掛けをセットする。
 今回は3種類の餌を用意した。お約束のイクラ、ブドウムシ、釣具店推薦の生きているキンパクだ。結果から言うとやはりキンパクが一番結果がよかったみたいだ。

 キンパクを針につけ、流れ込みの流心に乗せる。すぐに反応があり、小ぶりながらも元気のいいアマゴがピチピチと跳ねながら上がってきた。今シーズン初のアマゴににんまりする。型も小さいのでリリース。

 他の二人もアマゴの顔を見ることができたようだ。その後も順調よく釣りあがっていった。堰堤を巻いた時に、藪がガサガサと動いた。「ま、まさかクマ?!」一瞬身構えたが、飛び出してきたのは鹿だった。ほっと胸をなでおろす。まあ、それだけ、ここは自然深いってことだろう。

 この日、私の一番の獲物は17pだった。よじ登った岩からそーっと顔を出すと、流れの中央付近を気持ちよさそうに泳いでいるアマゴが見えた。
 その1mくらい前方に向かって慎重にキャスト。そのまま、鼻先付近まで来ると、そいつはひったくるようにして餌をくわえて深みに逃げ込もうとする。その引きを十分に楽しみながら取り込んだ。
 この谷では17pは大きい方だろう。かなり満足である。パーマークに朱点が鮮やかだった。

 この日の釣果は3人とも、20くらいであった。上出来である。ふっふっふ、リベンジを果たしたと言ってもいいだろう。
 久しぶりの渓流で、ペースを上げてしまった。同行者より、ついつい先走ってしまい、そのおかげでずいぶんといい目をさせてもらった。師匠、先輩どうもすみません。