フライで初めての天川

 若と天川にフライに出かけた。以前の天川の近所の管理釣り場は悲しい体験だったので、今回は本流で挑戦だ。
 しかし、私はまだ、近畿の自然渓流ではフライで釣った事がないのである。北海道とカナダ、管理釣り場では釣ったことがあるんだけどなあ。普段はフライでバスと戯れる事しかしていない。ギルなら嫌って言うほど釣ってるけど。今回は釣るぞー。

 天川は初めてなので良くわからない。日券(3,000円)を買うときに漁協のおっちゃんに聞くと、みたらい渓谷の付近がいいと言う。早速、車を進め、入渓する。

 キャスティングを開始。私はエルクヘアカディスをチョイス。若は「秘密っす。」と隠している。川が広いのでキャスティングしやすい。普段は谷を遡行して、釣っているので雰囲気が全然違う。渓相が雄大だ。また岩が大きい。巨岩の嵐である。乗り越えるのにやや苦労する。

 まずめ時でもないので、当然ライズはない。フライを流れに乗せながら、遡行していった。あるポイントで、深いところに魚影があるような気がしたので、ショットをかまし、沈めてみる。数回流し、反応があった。ぶるぶるとロッドを振るわせながら、魚体が走る。しか〜し、上がってきたのは、ウグイだった。がーん、何でやねん。

 先行している若はどうだろうかと見ると、ちょうど面白い場面だった。プールに若がキャストして、フライが着水するところである。しばらくすると、水面下からガバっとアタックがあり、すかさず若があわせた。おぉっと見つめる。暴れる魚を取り込もうと、若がラインを手繰っているが、途中でばらしてしまったのだ。
 惜しかったなと声を掛けると、ぎくっ、見てたのかといった感じで、「逃げられたっす。」

 若も苦戦しているようだ。気を取り直して、良さそげな落ち込みにキャスト。下からふわーっとアマゴが浮いてきたが、フライの真下まで来て、プイッと反転していった。うーん、ここのアマゴはスレまくってるな。しっかり見切ってる。

 フラッタリングで自然さを出そうと試みた。微妙に振動するフライに、アマゴはまた浮いてきたが、先ほどの倍くらい時間を掛けて見極め、また反転していった。
 で、できる!こやつらは学習しまくって、大学クラスに違いない。人気の河川だけに、スレまくっていてヘボフライフィッシャーにはちょっとやそっとでは歯が立ちまへ〜ん!

 どこかに幼稚園クラスはないかいなとキャストするうちにガバっとフライに来た。よっしゃーと合わせるが、力んでしまい、痛恨のあわせ切れ。くーっ、悔やまれる。

 今度こそと思いながらしていると、またアタックが!今度は慎重に合わせてフッキング成功。でもラインを手繰りながらも、ん?なんか違和感が。取り込んでみると、アブラハヤだった。オーッ、マイガッ!

 結局、釣果は私がウグイとアブラハヤを1匹づつ、若は坊主。アマゴの顔は拝めなかった。そろそろ渓流も終わろうかというのに残念な結果である。
 帰路に天の川温泉(510円)に入って、めはり寿司をほうばった。温泉は雰囲気も良く、めはり寿司も美味しかったのがすくいであった。来シーズン、また天川には挑戦したいもんだ。