真夏の渓流、アブだらけ

 釣り欲が溜まってきて我慢できないので、真夏の渓流に釣行することにした。真夏は釣れないと聞いているが、深い山の中、雰囲気を味わうだけでもいいだろう。
 渓流仲間の先輩と2人である。場所はいつもの十津川水系。

 真夏は初めてだったので、戸惑ったことが一つ。それはアブ!アブが付きまとってうるさいこと、うるさいこと。あ〜もう、鬱陶しいったらありゃしない。
 気を抜くと、噛まれて、血をなめられる。それが、また痛い。「あっ!」なんて声を揚げたりなんかして。
 こんなこともあろうかと、カナダのユーコン川で絶大な効力を発したOFFという虫よけをもっていった。虫よけをたっぷり塗るのだが、汗ですぐ流れてしまう。しょっちゅう塗りなおしていた。

 急な山道を汗をだらだら流しながら歩き、やっと流れに出たが、案の定、水は干上がっていた。堰堤を二つ越えた所から流れが現れる。だが、鉄砲水があったようで、流れが一変していた。これまでとかなり様子が違う。

 早速餌を付け、流れに振り込む。仕掛けは、天井糸は着けずに、道糸が0.8号。針は5号。ハリスは0.3号だ。餌はブドウ虫だ。

 木が生い茂って枝が垂れている、嫌なところにポイントがあった。どう攻めようか悩んだ挙句、竿をかなり短くしまい、茂みに潜りこんだ。
 そのまま、餌を流す。ガツンとアタリがあり、竿を立てるスペースが上にないので、横に竿を振りあわせた。そいつは上流に向かって5mは走ったろうか、もちろん一緒に付いていったが、中腰なので辛かった。
 上がってきたのは、19pの綺麗なアマゴ。この谷では、そこそこのものだと思う。

 その後も、その後もポツポツとアタリがある。先輩も釣っているようだ。真夏であっても、結構釣れるではないか。
 釣りあがって行くと、ここぞと思うポイントがあった。身を低くしながら、餌を振り込む。×印の所でギラッと光り、ゴンとアタリがあった。すかさず、あわせるとこいつも下流に走ったり、また登ったりと忙しい。やっと取り込むと20pのもの。引きを堪能した。

 こいつはキープする事にして、腹を裂いてみると、胃袋の中からなんとムカデが出てきた。こいつはビックリ、餌が不足する夏場はなんでも食べるんやなあ。 


この堰堤で釣り止め。この渕ではアブラハヤが入れ食いだった。