知床半島はオショロコマのパラダイス
暑い!大阪は熱帯だ〜!ってな訳で、北海道にひとっ飛び。道東を中心にレンタカーで580q程走り回り、川と見ると竿を出してみた。
いやあ、知床っていいっすねぇ。渓流釣りのパラダイスです。1,500m級の険しい山々から海に川が流れ落ちている。あまり勾配が急なので、海から20mでもう渓流になっているのだ。
日本一、羆の生息密度が濃いところなのでビビリながらやったけど、ええ思いさせてもらいました。ターゲットは、オショロコマ。もちろん、ばっちりゲットしました。オショロコマは最大で25センチにしかならないらしいが、23センチを釣り上げ、もう言う事はないっす。
知床半島の左っ側、知床五湖から舗装されていない砂利道を走る事、約10q。道を間違えたかと不安になった頃に、カムイワッカの湯の滝という秘湯がある。
そこはお湯が流れ落ち、滝壷が天然の露天風呂になっているという温泉好きにはたまらんポイントなのだ。
そこに向かう道中に幾つもの流れが道を横切っている。これまた、釣れそうなポイントだらけなのだが、道路からのアプローチが難しそうなのと、なんと言っても羆が怖い。
クマに注意なんて看板が立っているしな。でも、やっぱり我慢できなくなって、仕掛けを作り、竿を出してみた。関西での仕掛けが北海道で通用するか、興味津々。4.5mの竿に1号の道糸、天井糸はなし。ハリスは0.4号、針は7号。餌は大阪から持ってきたブドウ虫。
餌を針に付け、流れに流す。何回か繰り返すが当たりはない。うーん、何故なんだ?関西の渓流なら絶好のコースなのに。
そのうちふとイワナちゃんはアマゴちゃんほど、泳ぎが上手くないという話を思い出した。岩の下に隠れていたりするらしい。
オショロコマもイワナの親戚なので、そうなのだろうと思いついた。そこで、流れのやや弱い所や落ち込みのすぐ横の流れが巻いている所を攻めてみた。
すると、どうだろう目印が止まり、竿先から心地よい魚信が伝わってくるではないか。初めてのオショロコマだ。
アマゴに見慣れた目にはちょっと地味な色合いかなあ。でも、お腹の辺りが鮮やかなオレンジ色だ。
平均サイズは、15〜18センチが多い。20pを超えるのはあまり上がってこなくて、最大で23センチだった。後で知ったが、大きくても25pくらいらしいので大満足。
特徴としては、体表面のヌメリがアマゴより多く感じた。腹がオレンジ色で、腹びれが白く縁取られている。ポイントがわかれば、もう入れ食い!小さいのからそこそこ大きいのまで、よく釣れる。北海道の人は馬鹿にして釣りの対象と見ていないらしいが、どうしてなかなか面白かった。
Kは羆が怖くて橋の上から見ていたが、入れ食いのひろを見て、
「私もするー!」と流れまで降りてきた。
でもKは釣りに関しては、張り切ると失敗するタイプなのだった。一投目から木の枝に引っ掛ける。苦労して外してあげると、二投目で根がかりした。
オショロコマの聖地に仕掛け・釣り糸を残すのは忍びないので、震え上がるような冷たいっていうか、痛い水の中にサンダル履きで入って、仕掛けを回収。水に浸かった足の部分は赤くなり、ジンジン痛かった。仕掛けを水面に振り込むときには、周囲をチェックし、木の枝等の障害物が無い事を確認せなあかんとKに説明する。わかったとうなずくK。
Kが再度水面に仕掛けを振り込む。今度は大成功。すぐにアタリがあり、オショロコマが上がってきた。
「これで私も坊主脱出!」とKは大喜びである。
オショロコマは知床半島に多く生息する。気まぐれで海に下るタイプもあるようだ。外国ではドリーバーデンと呼ばれ、降海型はサツキマスやサクラマスのように大きくなるようである。
日本では降海型はほとんど見られないそうだ。川の勾配が激しく、また堰堤で流れがあちこち分断されているためだ。
川ごとにまたは堰堤で区切られた区間ごとに、孤立していて、徐々に衰退しているのが現状のようだ。この辺はどの渓流魚にも当てはまることではあるが。。。
よって、今回はもちろん、全てリリース。釣り味だけを楽しまさせてもらった。こんなところで釣りました。
知床横断道路で羅臼側に抜けた。途中、いくつか川を見かけたが、木が茂り過ぎていて、川に降りるのが困難そうで釣りは断念。
そこから、知床半島の右っ側を北上する。目的地はセセキの湯。ここも、流れが幾つも道路を横切っている。その都度、車のスピードを緩め、チェックするので時間がかかってしまった。全て、よだれのこぼれそうなポイントいっぱいの渓流である。ざっとチェックだけし、帰りに目星をつけたところで釣ることにした。知床半島の左っ側の道は、山の中だったが、右っ側は、海岸沿いのコースだ。片側が海、反対側がすぐ崖が多い。羅臼側はやたらと霧が出ていて遠くまで見渡せない。
待望のセセキの湯の帰り道、目星を付けていたところに車を止めた。早速竿を伸ばし、ポイントに振り込む。すかさず、アタリがありオショロコマが上がってきた。うーん、知床半島の川はこの魚で充満している。腹ビレの白い縁取りがまぶしい。ここでもKはオショロコマを釣り上げる。満悦至極のようだ。もちろん、私もだ。あぁ、邪魔になったけど、大阪から釣り道具&餌のブドウ虫を持ってきて、本っ当ーに良かった!関西空港でグランドホステスのねーちゃんに白い目で見られながらも、釣り竿を持ってきた甲斐があったと言うものだ。
知床半島の反対っ側の川のオショロコマ
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私達が釣った後に、入れ違いでフライマンが入って行った。ロッドを振っているが、全くで、ん?といった感じである。すまんのー、そこは私とKが全部釣ってリリースしたんで、オショロコマは人間不信に陥っているのだ。
知床半島では、ヤマメの顔は一度も拝見できなかった。オショロコマとは住み分けているのだろうか?次は、ヤマメに突撃だー。