天川の管理釣り場でお遊び編

「天川の管理釣り場に行くっす。ナカムラさんと3人、男だけで気ままに釣るっす。バスをするかも、温泉にはいるかも、準備の方、よろしくお願いっす。」
となんでも、語尾に「っす。」と付ける口調で若から連絡があった。

「お前なあ、なんでも語尾に、『っす』って付けすぎや。」
「そんなことないっす。」
「言うてるやないか!ほんならな、粕汁の材料は何か言うてみい。」
「酒粕っす。」
「口づけは英語で?」
「キッスっす。」
「梅干漬けるのに使う、酸っぱい液体は何って言うねん。」
「酢っす。」
「言いにくいやろ。もうええっちゅうねん。」
これは実話っす。典型的な関西人の会話っす。ええ加減にせえっちゅうねん、ほんまに。

 そんなわけで、準備はバッチリ、奈良県の山に分け入ったのだった。若は、何回か来たことがあるという。若のナビで初めての山道を対向車が来ないことを願いながら川沿いにくねくねと進んだ。
 木立から垣間見える川もなかなか渓相がいい。これは期待できるかも。

 ナカムラは連日の深夜の残業で爆睡。口数の少ない若とポツポツと話しながら進むと、なんと、最近フライフィッシングを始めたらしい。こ、こいつ、いつの間に。
 しかも、ロッドまでひろと同じのダイワのロッホモア。だが、天然の渓流はまだ、未経験のようだ。まあ、追々、教えて進ぜよう。ふっふっふ。

 そのうち、やっと現地に到着した。
「えっ、ここか!?ここで釣るんか?。」
「そうっす!」
 現場を見てがっくり、な、なんやねん。この溝は!って感じで、こいつ、真の渓流を知らんなと確信した。
 まず、水量がない、水量がないのでポイントもない。スニーカーのままで十分OK!これでは管理釣り場と言えどもあんまりやで。あんまりなのでそこの名前は伏せておきます。

 道中、絶好の渓相だったのに、とほほ。それでも、折角、来たのだからと竿を出してしまう、アングラーの悲しさ。

 途中で、放流があるらしいが、とりあえず、前日の釣り残しのアマゴを速攻でゲット。
 でもなあ、なんだか、養殖だからブクブク太っているし、それに、どうもアマゴじゃないみたいな気がする。虹鱒とのハイブリッドか?はたまた、遺伝子操作の3倍体か?だれか、ご存知の方、教えてください。

 ひろはその後、釣り欲を喪失し、道端で爆睡。
 ナカムラはカラスに昼飯を食われて、怒りながらも川にはまって足を濡らしながら、ネイティブらしいのを何匹かゲット。若も坊主は脱出したらしい。
 これでは、かえってストレスがたまるなあ。若よ、今度本当の渓流釣りってやつを教えてやるっす。

 その後、「天川薬湯センターみずはの湯」に入って、帰途についた。今回はこの温泉が一番よかったっす。