奈良の野池でバス対決!
以前から、「バス釣りが上手なんは一体誰やねん、俺やろう。」「なに言うてんねん俺や!」と激論があったので、とうとう勝負をすることになった。
白黒はっきりつけようバス勝負俺が名人だ戦!である。といっても、アングラーが少ないことを願い、平日の釣行としたので、参加者は私、よしべえと若の3人である。しかも、どうしても仕事が休めないと前日に若がキャンセルしたのでよしべえとの一騎打ちとなってしまった。遂に雌雄を決するときが来たか。今日こそは足下にひれ伏させてやるぜ!新しいフィールドを開拓すべく、奈良県まで足を運ぶことにした。よしべえがネットで見たという桜井市の野池である。ネットでは爆釣ポイントとなっているらしいが、この手の情報の常で疑わしいもんだ。
朝5時によしべえの家まで迎えに行くことになった。教えられた道順をたどっていくと、大きな鳥居をくぐるのには驚いた。こいつ一体どこに住んどんねん。
松原から西名阪に乗り、天理で下りるつもりが、釣りの話に夢中になって、うっかり通り過ぎ、天理東で下りるはめになってしまった。天理の町中を走っていると何かと興味深い。あちこちに宿坊らしきものが見える。そう、ここは天理教の総本山の町なのである。ダウンロードした地図はあまりに貧弱で苦労したが、なんとか7時前にたどり着いた。やや山間部に入った所だ。ため池と聞いていたが、見てびっくり、池と言うにはあまりに巨大で、もはやこれはダムなのでは?
天気は薄曇り、夕方から雨らしい。気温はここ一番の冷え込みとなり山間部ということもあって無茶苦茶寒い。バスの活性も下がっているのではと気をもんだが、水温の方が高く温泉のように水面から湯気が立っていた。幻想的なムードである。
調節しているのか水位はかなり低いように思える。透明度は3,40p程度、緑色の濁りがややきつい。
平日なのにアングラーがちらほら4,5人見える。おかしい、誰もいない貸し切り状態を予想してきたのに。午後からはヘラ釣り師も登場してきた。その辺を見るとスイミーや練り餌のごみが結構散らかっている。ヘラ釣り師のおっさんら、ごみはちゃんと処分してや!
こんな所で釣りました でかすぎてポイントがわかりにい。とりあえず堤防側の流れ込み水路周りから始めた。ひろはワームでノーシンカー、よしべえはジグヘッドのようだ。
入り組んだ入江の対岸、岸ギリギリでライズが頻発している。よく見ると岸際にメダカほどの大きさのベイトフィッシュが群をなしている。しかし、対岸には届かない距離なのだ。うーん悔しい、いらいらするなあ。1時間ほどそこで釣ったが当たりもない。釣りながら入江の奥に向かって移動する。と、そのとき「ゲットー!」というよしべえの声が湖面に響いた!ま、まさか先を越されてしまったのか?水面でバシャバシャ暴れながら上がってきたのは、30p弱のバスだった。当たりは小さくわかりにくかったとのこと。
今日どころか今シーズン坊主をまのがれて喜ぶよしべえ なんてことだ、先を越されるなんて。記念写真を撮ってあげながらも負けてはいられないと闘志を燃やす。奴はさっきまで「釣れへんなあ。」とブツブツ言っていたのが、急にニコニコ顔になっている。くっ、くそー。そそくさとカメラをしまいキャストを再開した。
10分くらいたっただろうか、ロッドに小さな当たりが!「よっしゃあー来たで。」心躍らせながらあわせるとさっきよりちょっとだけ大きいサイズのバスが上がってきた。このサイズにしては引きが強いように思う。それにしてもあたりが小さいなあ。
追いついて、つい安堵の微笑み
二人とも坊主をまのがれたので急に表情が明るくなり、思わず握手をして、健闘を称え合ってしまった。うーん、なんて爽やかなスポーツマンシップなんだ。
それにしてもここのバスは30pがアベレージなのかなあ、当たりも小さい。見逃さないようにしなければいかんな。この後、当たりも続かず、よしべえは堤防の反対の方に移動していった。私はここで粘っていたが、ライントラブルでやむなく一旦、車まで帰る。ついでに対バス用のフライもセットして戻ってきた。フライでブルーギルとひとしきり遊び、12,3pのチビバスを2匹釣る。
11時になった頃、朝早く起床したせいか、激しい睡魔に襲われた。我慢できんくらい眠いので、車に戻り、40分ぐらい仮眠を取る。
寝るとすっきりしたので再度岸辺へ。今度は堤防の真ん中で昨日買ったばかりのバイブレーションでキャスト開始。だが、悲劇は突然訪れた!わずか3投目で根がかりし、あえなく、さよーならあ。ワームと違ってプラグはロストしたら痛いなあ。ショック。失意のままよしべえと合流し、状況を聞いたがもう一つのようだ。腹が減ったので、スーパーまで買い出しに行き、昼食後は池の反対側の方を攻めることにした。
車まで戻る途中、遠方の水面にぽっかり浮いてひなたぼっこしている巨大バスを発見!!ほぼ同じ距離の人影の肩幅くらいはある。ざっと60pはあるだろう。巨大バスを発見し俄然やる気が出てきた。反対側は流れ込みがあり一見良さそうである。しかし、こういったところはやはりスレているのか反応は無かった。そこで人が行きにくいような足場の悪いところへいってみた。よしべえは反対側の方へ行っている。岸辺には相変わらずメダカのようなベイトフィッシュが無数にいる。
この頃から、日が陰り風が強くなってきた。ここでやや重めの重りでワームをキャストしていると何と無くロッドが重くなった。軽くあわせるが特に反応がない。ん?と思いながら巻いていくと水面でバシャッとはねてバスが去っていった。ちっ。その瞬間をはっきり見たがワームを半分だけくわえていた。中途半端なバスやなあ、もうちょっと奥までくわえていたらフッキングできたのに。サイズはやはり30pくらいだった。
もうこれ以上進めないところまで行ったので反対側のよしべえの方へ向かい合流した。「いかにも釣れそうな雰囲気なんやけどさっぱりですわ。」
これはいかんと水面に突き出ている岬の方へ釣りながら向かう。ここは徐々に傾斜がきつくなり最後はもう崖である。しかし、そこにもかすかに獣道らしきものがある。アングラーの執念はすごいものがあるなあ。
最高部は水面から10mくらいのほぼ垂直な壁だ。そこをロッドを片手にへばりつきながら進む。もちろん要所ではキャストしながらだ。我ながら呆れるね。
そのうち最難関の場所にさしかかった。イメージは大歩危である。さすがにここは怖かったなあ。ここまできたら釣りちゃうやん、登山やで、ザイルとか山用の装備がいるわ。ここをよしべえは片手にロッド、片手に大きいルアーケースを持ちながら行っている。見てる方が怖いっちゅうねん、アホですな。難所の向こうにはパラダイスが!とはいかなかった。やや遠浅の砂浜状になっていた。そろそろワームからプラグにでもチェンジしようかと思った頃、よしべえの「来た!」という声が、駆け寄って様子を見る。これも30pくらいのサイズ。
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この頃から風が一層強くなり、ますます曇ってきた。そのまま進み小歩危程度の難所を越えたが釣果も上がらず、天候の悪化する中、あの難所を越えるのは憂鬱なのでここで納竿とし、車まで帰ることにした。最難関の大歩危は何故か帰りの方が怖かった。ここは高所恐怖症の人は無理やろうな絶対に。
白黒はっきりつける雌雄対決バス勝負俺が名人だ戦の結果は2対1で一応よしべえの勝利となってしまった。
PS フライで釣ったチビバスを入れると2対3でひろの大勝利なのだが、そこはそれ大人の対応ってやつで、今回はよしべえに勝ちを譲って、束の間の勝利の美酒に酔わせてあげるのだ。次は池原ダムで勝負したろやないか!