今シーズン最初にして最後の池原ダム

 

 今シーズンはまだバスの釣行をしていない。暇さえあれば全て渓流の釣行にエネルギーを注ぎ込んでいたからだ。
 今シーズンはバスをしないままに終わるのかと思っていたら、よしべえ、若からのお誘いがあった。しかも聖地、池原でだ。

 今回は7人も行くという。私、よしべえ、若、ぐっちー、みねしまっち、ひあてっち、紅一点のなかおっちである。Kはお休み。
 私、みねしまっちと、ひあてっちは日帰りだが、よしべえ達は一泊して明日も釣るという。他のヤツはともかく、なかおっちもタフだなあ。後で聞くとちゃんと二日間釣り通したらしい。あまり話せなかったがタフな女性だなぁと感心。

 この時期は、中途半端な時期だ。夏の釣りでもないし、秋の釣りでもない。カーッと晴れれば夏の釣り方になるだろうし、シトシト雨でも降れば初冬の釣り方になるだろう。
 期待して迎えた当日は、終日曇りだった。中途半端やなぁ。ネットで情報も集めてみたが、気温が下がったり雨が降ったりで、ここ2,3日は食いが渋いらしい。今シーズン初のバス釣行というのに困ったことだ。

 船舶のライセンスを持っている、よしべえ、若、私の三隻に別れて乗船。私の船は3人乗りでみねしまっち、ひあてっちが乗船した。
 2人とは初めましてである。2人は私の親会社の某部局で机を並べているとのこと。釣り好きで、野池でおかっぱりしかしたことがないこと。私と共通の友人知人が多いこと等が判明、打ち解けるのも早かった。

 流木に気を遣いながら、まずは坂本筋へ。「やっぱりバスの聖地、池原は違いますねぇ〜。」「スケールがでかい!」池原デビューの2人は興奮しっぱなしだ。この2人に池原で釣らせてあげたいなあ。

 立木の並ぶテレビに出てくるような絶好のポイントに到着。1年ぶりにキャスティング開始。みな思い思いにポイントを攻めている。
「もう夏も終わったのよ。いつまでぼーっとしているの。さぁ勉強勉強!」と言われてきた学生時代の私のような、夏休み気分の抜けていないバスを狙って、まずはスピナーベイトでトップを探る。
うりゃーっ!(気合い一発)、ひゅーっ(飛ぶルアー!)、ぽちゃ(着水)。しゅるしゅるしゅる。
とうっ!ひゅーっ、ぽちゃ。くるくるくる。
ふんっ!ひゅーっ、ぽちゃ。しゅるくるしゅるくる。
だめだ。反応がない。どうもトップにはバスはいらっしゃらないようだ。

 夏も過ぎて気が付くとみんな受験勉強をしていて(当然)、ぼーっとしているのは俺だけだったのかと焦った気持ちを思い出しつつ、池原のバスも夏が終わったことを分かっているのだなと、おもむろにワームにチェンジ。次は得意のスプリットショットで中層ねらいだ。
うりゃーっ!ひゅーっ、ぽちゃ。すーっ、くるくる。すーっ、くるくる。
とうっ!ひゅーっ、ぽちゃ。すーっ、シェイクシェイク。すーっ、シェイクェイク。
ふんっ!ひゅーっ、ぽちゃ。シェイクシェイク、シェイクシェイク。
だめだ。反応がない。

 今度はイモグラブのノーシンカーで垂直岩盤に当ててフリーフォール中のバイトを狙った。岩盤に平行にも投げてみた。イモグラブの尻尾もちぎってみた。
だめだ。反応がない。

 重いシンカーをつけて深いところをジギング気味にリアクションバイト狙いもしてみた。
 サスペンドのバイブレーションで深いところも探ってみた。
だめだ。反応がない。

 滝が落ち込んでいる絶好のポイントをそれこそ舐めるようにキャステイングをした。だめだ。反応がない。
 そうだ場所が悪いのだと、備後筋へ向かい、最上流部から流してみることにした。坂本筋でしたことをここでも繰り返す。

 三人が三人ともルアーを何種類も取っ替え引っ替えして、早く巻いたり、ゆっくり巻いたり、浅いところ、深いところ、岸に向かって、沖に向かって、色々やったけどノーバイトノーフィッシュ。かすりもしなかった。
 結局、7人とも坊主。はぁーっ。ふーっ。

 今日は池原にはバスはいなかったのだと桟橋まで帰ると両手にランカーサイズを5,6匹持った兄ちゃんが記念撮影していた。
池原デビューの2人は雰囲気だけは味わったのだった。

PS 翌日、一泊組の若は32センチのバスを釣り上げ、一人坊主を脱出したらしい。