シャワークライミング2 渋子川


「いやあ暑いなあ、大阪は熱帯やで、ほんまに」
「暑気払いにシャワークライミングでもしよか。いっぺんしたてみたいって言うとったやろ」
「ほなモンベルに電話しまっさ」
こんな感じで、若とシャワークライミングに参加決定。場所は愛知川水系渋子川。

ガイド二人を入れて総勢10人くらいやったかな。一応中級コースだが、話を聞くと皆すごい。
「普段は縦走してます」「沢登りはよくしてるよ」マイヘルメットもちらほら。ここは一つ渓流釣り師の意地を見せねば。

装備は普段の渓流釣りの夏装備にタイツ1枚多め。レインスーツを着ていると水に浸かる時、水がじわじわきて、ヘソから上になっても、ひーっってならないんでおすすめ。荷物は防水バックで完全防備。

スタート時点は堰堤のすぐ上なんで、なんと流れが伏流しているではないか。これでは普段、釣っているフィールドの方がよっぽどましやん。「渋子川ってしょっぼー!」
まだ、渋子川の恐ろしさを知るよしもない無邪気な一行であった。

遡行するに釣れてだんだんと水量が増えてきた。良い感じだ。それでも普段の川と変わらない。
「そろそろきつくなりますよ」ガイドさんが告げた瞬間グレードが上がった。
「この滝を登ります」むむっ、釣りでは絶対、高巻くな。だって釣りでは無駄に濡れたりしないからな。

ガイドさんが最初に泳いで取り付き、登った後、ザイルを投げてきた。これで確保しながら行くということか。
一番に志願して、飛び込んだ。流れが結構早い。ザックの中の防水バックがフロート代わりになって泳ぎやすい。こりゃええわ。
滝に取り付き、直登は無理なんで、すぐ横を登るが、滑って難しい。うりゃー、気合いで登ったった。

若の登っているところを連続写真風に撮る。(下参照)

登ったところはなんと巨大な滝壷っていうかでかいプールだ。こ、これは大イワナが潜んでそうだ。つい釣りに関連して連想してしまう。ここは一度じっくりと攻めてみたいものだ。
横を巻いていく。高度感があるなあ。

その後も泳ぎの連続。下界は熱帯だが、ここは天国。っていうかちょっと冷え過ぎか。

これを登れば終わりという滝が最大の難所だった。足場や取っつきがないのだ。ガイドさんが残置のハーケンに飛びつきながら、カラビナをつけるのに成功。やんやの拍手。そのカラビナにスリングを幾つか設置して足がかりとした。

ガイドさんが先に登り、皆をザイルで確保することに。「足がかり」はできたのだが、「手がかり」がない。「ここにガバ(ガバッと掴めるホールドのこと)がありますよ」限界まで右手を伸ばして見えないガバを掴む。ふんっ!身体は上がったが、何故か蛙跳び寸前のような変な体勢。このまま動かなければ落ちてしまう。でも滑るので動けない!ジレンマに陥りながら、微妙なバランスの中、じりじりと安全地帯まで移動成功。おおーっ、皆から拍手である。

ここは本当に難所で、3人くらい落ちたかな。下には岩もなく水に落ちるだけなので問題はないのだが、体力も確実に落ちますな。最後はザイルで引っ張り上げたことも。

そんなこんなで無事終了。終わった後で考えてみれば、やや物足りない感もあった。コースが短いのが原因かも。
特筆すべきはガイドさん二人の働き。いやー本当に素晴らしい。普段は本社でデスクワークとは思えないッすよ。また来シーズンも面白いコース設定してね、きっと行くから。

ここを登るんですわ。登るにはまず滝まで泳ぐんやけどね。滝に取り付くまで気を抜けまへん。

爆流に抵抗し、泳ぐ若の勇姿っす 

これがまた、濡れてて滑るっす

ふ〜、一安心っす

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