別冊 「中世博物譚」
17世紀頃までは、古代著作の編纂が主たる学問の教科書でしたが、 それでも古代から中世、近世へ時代が進むにつれ、プリニウスやアリストテレス の著作では触れられなかった(知らなかった)内容の、奇妙な博物学が発生しました。 これらは、大真面目な本にも当たり前のように記載されましたが、当時の人々が 想像力で遊んでいただけなのか、自然の限界を知ろうとしたのか興味は尽きません。 |
■極楽鳥(フウチョウ)
極楽鳥:フウチョウ科に属する鳥の総称で動物園に行けば会えると思います。
極楽鳥という不思議な名前の起源は古く、 極楽鳥=フウチョウが記録に見える最古は、マゼラン航海記(1521)にある。 実際には探検航海の記録を蒐集した、パーチャス著「巡歴記」(1625)に挿入され人々に知られたが・・・。
極楽鳥の不思議
やがて18世紀頃ヨーロッパとの貿易が盛んになった時、島民は極楽鳥の足を切り落として
商人に渡し剥製にした。
生きている極楽鳥(フウチョウ)をはじめて見たのは、有名な科学探検船コキーユ号に船医として
乗船したレッソン(1794〜1849)である。
1824年にコキーユ号はニューギニアに13日間停泊し、その限られた時間内でレッソンは生きた
フウチョウ=脚のあるフウチョウを見ることに成功した。 なお、当時のヨーロッパでは鳥類図譜の刊行が盛んで、フウチョウとハチドリが2大人気だった。
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■植物羊 植物羊の存在は数百年前は信じられていて、種類は主に以下の2種類です。
>タタールの植物子羊(ボロメッツ/Borometz)
>スキタイの羊(マンデヴィル「東方旅行記」より以下引用) だが、私はかれらに向かって、自分にとってはちっとも不思議ではない。 なぜなら、自分の国では、ベルケナという鳥になる果実をつける樹木があるからで、 その果実は美味である、そして、水中に落ちるものは飛び去るが、地上に落ちるものは死んでしまう。 ・・・(これが中世博物学の最も奇妙な伝説「木から生まれる鳥」の一つの報告例)
結局正体は?
また、近世においては、
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■エボシガイのガン 海水に落ちた木の実は鳥になる(工事中)
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