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第12巻〜第19巻 『植物及び農業』

第12巻〜第13巻「外国産の植物」
第14巻「葡萄」
第15巻「オリーブその他の果樹」
第16巻「野生植物」
第17巻「栽培植物」

樹木、特に外国産の珍しい木々や、人間生活に有用な木々に重点を置いて書かれている。 各種の香木、果樹、樹脂、木材などで、特に葡萄栽培と葡萄酒については、第14巻全部を 当てている。また第17巻には樹木の栽培法、果樹園の管理の仕方が述べられている。
植物の人間生活との関係、香料の製造法、パピルス紙の歴史、飲酒の習慣のはじまり、酒豪、 贅沢な木製家具など、読み物も豊富にある。

第18巻〜第19巻は農業について語られ、穀物、繊維植物、 野菜について、その特徴、栽培法、用途の説明、並びに農耕方法・ 年間の農作業・農業と天文の関係についてなどが記述される。
また、当時のローマ人の食生活の内容、農具についても具体的に示され、 ローマ人の農業についての考え方や菜園、農園経営についてのあり方も 述べられる。


プラタナスの木「第12巻5章」

「リュキアには有名なプラタナスの木があり、心地よく冷たい泉と結びついている。 その木は道端に人家のように立っていて、幹には径80ペス(約23.6m)もの洞窟のような空間があり、 梢や枝がそびえ、まるで一つの森のようだ。

知事のリキニウス・ムキアヌスは、これを子孫にも伝える価値があると考え、18人の人々と一緒にその 木の中で饗宴をはり、穴の中で寝た。それは、

どんな風の息吹からも守られ、
葉から滴る雨音を聞き、
輝く大理石、彩色された装飾よりも


遥かに大きな愉悦を受けたという」

>備考
他にも、カリグラ帝がウェレトリの所有地で15人と木の中で饗宴を張った話や、 ギリシャ神話にもプラタナスの木が登場しますが、その木がその後どうなったか、 また、この巨大木の話が後世の書物には余り見られない気がします。
ただの伝説なのでしょうか・・・。


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