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チューニングの本質
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チューニングは、楽器によってやり方が大きく違う。
おおまかに分けると
弦楽器:各弦を決められた音程に合わせる
管楽器:ある決まった音(たとえばAあるいはB)を基準音程に合わせる
打楽器(太鼓族):面全体の張り具合が均一になるように、面全体で音程を合わせる
やり方は違えど、目的はすべて同じ。それは
「イメージ通りの音を出すこと」
大切なことは、今から出す音をイメージすることです。
自分のイメージ通りの音を出しやすいように、チューニングをするのです。
管楽器奏者によくある誤解
「チューニングの音さえ合わせておけば、あとの音は自然に合う」
そんなことはあり得ません。
楽器にはそれぞれ癖が合って、基準音程に対して高め・低めになる音がいくつもあります。
また、厳密に言えば、楽譜上は同じ高さに見える音であっても
高め、あるいは低めの音程で演奏すべき音が多々存在します。
ひょっとしたら、舞台照明で熱くなり、周りの演奏者の音程が上がってきているかもしれません。
演奏者は、周囲とのハーモニーを保つために、演奏中は常に周りの音に耳を澄ましていなければいけません。
周りに音を合わせる作業を一番やりやすいところに
チューニング管の位置を調節する。
チューニングのBやAは、チューニング管の初期位置の単なる目安で、
合奏していく中でチューニング管の位置は微調整する。
それが、管楽器のチューニングです。
打楽器奏者によくある誤解
「プロは叩くのが上手いから、あんなにいい音がする」
まったくの間違いではありません。
でも、チューニングを必要としないウィンドチャイムやトライアングルなどは別にして
ティンパニ、ドラム、B.D.に代表される太鼓族に関して言えば
叩く上手さだけでは、あんなプロフェッショナルの音はしません。
プロのチューニングがしてあるドラムなら
ど素人の僕が叩いたって、それなりの音がします。
残念ながら、いい楽器にいいチューニングをすれば誰が叩いても良い音がでる。
打楽器とはそういうものだと聞いたことがあります。
まずは、今から叩く楽器を自分でチューニングする。
そこそこ満足できる音色になったところで練習を始める。
本来、打楽器はそういうスタイルで練習すべきです。
繰り返しになりますが、
いずれにしても重要なことは「イメージを持つこと」です。
イメージがクリアであるほど、精度の高いチューニングができます。
今から出す音の音程、音色、あるいは音量。
自分のイメージ通りの音を出すために、楽器の方を事前準備しておく。
チューニングの本質は、そこにあるのです。