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”音楽=音程”か?


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初見で合奏するとき。

普通、みんなが一番気にするのは音程です。
それも、微妙な音程じゃなくてドかレかミかというレベル。

たしかに、音の高さを根本的に間違っては演奏になりません。
その意味では、最も重要な部分を押さえられているといえるでしょう。

ですが、残念ながら
多くの人は、音の高さ(というより指使い?)を間違えずに演奏できた時点で
9割方満足してしまう傾向にあるようです。
彼らにとって、音楽のほとんどが音の高さに占められている
そんな感じがします。


いや、そんなことはない!
自信を持って反論してくれるのは、おそらくパーカッションの人でしょう。
彼らは音程をとる苦労が管楽器などに比べて少ない分、タイミングに非常に敏感です。

音の三要素。それは、音程・音量・音色。
加えて、演奏に重要な要素としてタイミングがあります。
打楽器奏者ほど、音色とタイミングに敏感で
管楽器奏者は、音程に気をつかう傾向があります。


そこで、各楽器演奏に対して是非ともこだわりたいこと。

まず管楽器。
音程(=指使い)が間違えずにできるようになるのは、前提条件みたいなものです。
そのあとには音色や音量、タイミングに気をつかう練習が待っています。
早く、音程だけの音楽を卒業して、本当の音楽の世界に入りましょう。

それから、打楽器。
管楽器に比べると、音程への意識が足りない傾向にありませんか?
何もティンパニや鍵盤じゃなくても、ドラムやボンゴにも音程(らしきもの)は存在します。
打楽器演奏にまず重要なのは、演奏前のチューニングです。
実際叩く前に、叩いたときに鳴る音の方に気をつかいましょう。


共通して大事だと言えること。
それは、今から演奏する音楽をしっかり頭にイメージすることでしょう。
僕の周りの演奏者は、「楽譜を見ている時間=楽器を持って演奏している時間」
というタイプの人が多いように思います。(本当のことはわかりませんが)

楽器を持たずに、楽譜だけ読んでみましょう。
色々なことが書いてあります。
何度か音をさらえば、実際に音を出さなくても音をイメージできるようになるはずです。
頭の中のイメージが、必ずしも正しい音程である必要はありません。

「自分はこう吹きたい」
というイメージを、できるだけ贅沢に持ちましょう。
それだけで、演奏はずいぶん変わります。

練習して、自分の吹きたいように吹けているとき。
その時、聴いている人にもきっと何か伝わるはずです。