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トロンボーンの「ド」はB♭かCか


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よくある勘違いです。
「トロンボーンってB♭管だから、ドはB♭なんでしょ?」

結論から言うと、違います。
たしかに普通のトロンボーンはB♭管ですが、楽譜はinCで書きます。
つまり、ドはCです。

吹奏楽の多くの楽器は、たとえば全部の指を押さえたときとか
その管の基本となる音がドなるように記譜されていることが多いようです。
なので他の楽器の人からは、よく勘違いされますが
トロンボーン、ユーフォニウム、チューバあたりの楽器は
管の長さによらずinCで書くのが基本です。
理由は知りませんが、僕の見る限り、ヘ音記号で書いてある譜面は
すべてinCのようです。

中学生のときに、アルトリコーダーを習いませんでしたか?
アルトリコーダーは、ソプラノの「ソ」の指でドの音がでます。
そう習いましたよね?
あのアルトリコーダーは、F管です。でも楽譜はinCで書いてあります。
でも、普通に吹けましたよね?トロンボーンも、同じ感覚で吹けるのです。



最近増えている、かどうかは知りませんが
今までにも先輩や後輩に、トロンボーンやユーフォなのに
B♭をドと教えられている人を何人か見てきました。
(もっとも、ユーフォにはinB♭の譜面もあることが多いですが)

そういう人たちは、いわゆる教科書どおりの譜面の読み方では
正しい高さの音を吹くことができません。
一音ずらして音を読むことになりますが、その方法で読むと
ある程度簡単な、♯や♭が3つくらいまでの譜面なら問題ありませんが
5つ6つ出てくる譜面になると、読めなくなります。
ミの♯とファが別の音に見えてきたり、いろいろおかしな歪みがでてきます。

おそらく、彼らの指導者たちは
上の「よくある勘違い」をしている人たちのはずです。
そしてそういう指導者は、意外にたくさんいるように思います。
僕としては、できるだけそういう指導はしてほしくありません。
3年も4年もたってから、読み方を変えるのは相当苦労するからです。

もちろん、B♭とドと思ってトロンボーンを吹いても、調号の多い曲であっても
少し工夫をして読むことができれば、正しい高さの音を吹くことはできます。
そのためには、教科書的読み方とは違うんだということを理解しておくことが
重要になってきます。

まあ、正しく譜面の読める人に相談するのが一番手軽なんですけどね。