HP開設にあたって
明治期、文明開化と共に焼き物の世界にも近代化の波は押し寄せ、それまでの家内制手工業から
工場制手工業、工場制機械工業へと業態は変化しました。
その過程で肥前有田の地に、進取の意気に溢れた者達によって起業されたのが
「香蘭社」
であり
「深川製磁」
であります。
当時欧米ではジャポニズム(日本趣味)が隆盛しており、世界を志向する
「深川製磁」
「香蘭社」
は、その時代のニーズを的確に捉え、「古伊萬里」「鍋島」「柿右衛門」の伝統様式を模倣するに
留まらず、それらを融合発展させて独自の様式美まで高め、エレガントかつ多彩な意匠・製品(作
品)を世界に送り出し、特に海外においては高い評価を得ています。
近代肥前陶器について、現在の日本では骨董的価値は低く、「工芸品」「お土産品」的な扱いで美術
的評価も得ていないように思います。
しかし、わたくしはこの明治〜昭和中期頃までの、いわゆる「
オールド深川製磁」「
オールド香蘭社」の作品は、単なる工業製品ではなく、その時代の物しか持っていない「伸びやかさ」「奔放
さ」を感じさせる独特の美しさがあり、魅了されて止みません。
多くの方にこの魅力を感じていただきたいとの想いから、わたくしが集めました「オールド深川製
磁・オールド香蘭社」をご紹介する当HPを開設した次第です。
将来、「オールドノリタケ(日陶)」の作品のように愛好者が増え、近代陶器に対する美術的評
価が高まり、後世まで美しい「
オールド深川製磁」「
オールド香蘭社」が大切に伝わって行くこと
を期待しています。 平成18年12月
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