カラスの目〜番外編〜

少女が一人で立っていた。
彼女がいるのは土手の上。
肩には一羽のカラスを従えている。
黒い髪にパーマがかかった普通の少女。
ただし肩にカラスがいることを除く。
一見した限りでは普通の少女にしか見えないのに、彼女の家族は邪険に扱っていた。
手は出さない。祟りにあいそうだから。
その代わり“存在しないもの”として存在を度々否定した。
気味悪がって距離をおいていた。
少女は両親が自身を望んでいないことを知っている。
災いの子だと世間に言われるようになった。
人間は醜くて信用できなくて……それでも少女は捨てきれなかった。人間に対する思いを。
人助けをするとたいてい『化け物』と呼ばれた。
沢山の傷を背負いこみ人間が信じられなくなっても、“人助け”は続いた。
これは矛盾だと彼女はしっていた。
しかし、いつかは報われるとすがりつくように願ってもいた。
叶うことはないと分かっていたのに諦めきれずにいた。

それは少女―見上由紀―が北見涼太に出会い彼に協力する前の話――。


本編を書いている合間に書いた番外編。
本編自体は一応受験の小論対策に、文章書く習慣をつけようと言うコンセプトで書きだしたもの。
で、書きあがるまでにいろいろと時間かかるだろうしなーと言うこともあって、現在どんなのを書いているのか紹介かねて。
そのため分量がものすごく少ないのでしたorz

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