新たな場所で

私は大学の門の前に立っていた。
私はこの大学の四年生に編入することが決まっていた。
今日から、ここで学んでいくのだ。

私の名前は椿。
つい先日まで海外で留学していた。
だからこの学校に友達なんていない。
友達が作れるか不安だった。

私には容姿に対する絶対的な自信があった。
留学先の学校でもミスコンのナンバーワンに輝いた栄光を持つ。
それが妬みを引き起こさないかという心配があった。
地味な格好をしようとしなかろうと、私は教室で浮いた存在となった。

学校になじむのに、私はかなりの時間を要した。
友達は徐々にだが、出来てきた。
しかし、男性たちに絡まれるのもしばしばだった。
やめてと思っても私はそれを言うことが出来なかった。
友達や他の女性たちは、私が美人だから、としか評しない。

このことは私の悩みとしてしばらくの間心にのしかかった。
その悩みが解決したのには一つの出来事がある。

いつものように、男性たちにこの後暇か、メルアド教えて、などと聞かれているときだった。
手をとって引っ張ろうとする人もいたその時だった。
「お前らやめなよ。」
私の心の叫びを聞いたのか、その声が耳に聞こえた。
「嫌がっているじゃねーか。大体お前らなんだ?ガキか?ストーカーか?」
男性の声だ。見てみると、そこにいたのは同じ講習を取っていた人…確か名前を沁也と言う…だった。
その後も沁也の容赦ない言葉は続く。

これが、私と沁也君の出会いとなった。


一応10作目。実はこれははじめはライバルのお題用です(下書き参照)
そして『美しい人』の回と平行して書いていて、こっちのほうが美しい人に会うかな〜と思って、こっちを美しい人にかえました。
書き始めたのも一応あっちが先なので、こっちは11作目かな〜とも思うのですが…。
先に完成したし。書き出したのはほとんど同じときだし。
いいや、こっちが10作目で、と言うノリです。
ちなみに今回初登場の椿さんですが、椿さんはこのあとも何度か出てきます。
といったところで、これを公開するときには椿さんの出てくる話は全部書いていそうな気が…(汗

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