チョコレート。

「なあ、お前なんでチョコレート貰わないんだ?」
ある日孝明が聞いた。
孝明は俺の小学時代からの友達ダチで、チョコレートには目がない。
スポーツやっている姿ってかっこいいだろ、と言う理由でサッカーをやっている。
要するにもてる男と言うものになろうとしているらしい。
容姿は悪いわけではないので、毎年かなりのチョコレートを貰っている。
そして律儀なことに、全員に何か“お返し”をしている。
「たくさんあっても食いきれないし、そもそもお返しなんて面倒だろ。好きでもないんだしさ。」
そっけない返答を俺はした。
「えーっ。だったら俺にくれよ。お前の代わりに用意してやるからさ。」
「そういう問題か…?」
いくらなんでもあげるほうの気持ちを軽く見すぎている気がする。
チョコはいいよ〜と孝明は俺の話を聞いていないようだったが。
「そういえば今年はちょうど受験と重なるな…。」
「そうなんだよ〜。俺が高校受けないのは別に俺の勝手だからいいけど、でも女の子達が受験するんじゃもらえないかもしれないじゃん〜。」
…それ以前にお前のことだから高校受験しないと将来ヤバイだろ。
そもそも目当てはチョコレートだろーが。
そう言いたくなったが言うのをやめた。

俺は沁也。中学三年生になり、受験勉強に追われている。
気づいたら後三ヶ月ほどで受験と言う時期だ。
孝明と帰る帰り道だけが唯一まともに休める時間だった。
家に帰っても学校にいても…どこにいても勉強尽くしだった。
一人での通学・帰宅なども勉強、だ。
だから、孝明と帰るときだけは、勉強ができないと言うわけで休憩になった。

別に神聖化するつもりはないが、バレンタインにチョコをあげると言うのは本来、男女問わずバレンタインに好きな人に思いを伝えるものだと思う。
それなのに、あげたらお返しがもらえる、そんな理由であげる人がいる。
中には、全員にあげるのが慣習と考えてるのか、ただ同じクラスになったから、と言うだけであげる人もいる。
しかしそれは、目的や意思を伴わない行動で、儀式と化してる。
その儀式に巻き込まれるのだけは流石にごめんだった。
そういう理由でチョコレートは一つも受け取っていない。
もっとも、孝明に言ったように面倒と言うのが大きいのだが…。
むしろ、忘れやすいから、お返しをしそびれる可能性が高いのだろうが…。
それは関係ない。とにかく受け取ることはなかった。

孝明がこの時期に、何でいきなり聞いてきたのか多少疑問になったが、その理由はすぐにわかった。
チョコレートと言う代名詞を用いて、遠まわしに俺になんで女子に興味がないか聞いていたのだ。
なぜなら、この一週間後、ヤツはテレながら俺に彼女を紹介した。
そう、聞いた時点で奴には好きな人がいたのだ。
だから、急にそういうことに関心を持ったのだろう。
ま、どうせ所詮長くは続かないだろう、と思ったが案外続いているようだ。
相変わらず本命以外からもチョコレート貰っているらしいが。

高校生になった。
絶対孝明は受けないだろうと思っていた共学を受けたのだが、孝明と同じクラスになった。
孝明が言うには彼女が受けるから頑張ったらしい。
言ったら悪いが、俺より出来ない孝明が入れたから相当頑張ったのだろう。
ちなみに彼女のほうも同じクラスだ。
その時になって知ったことだが、彼女のほうは凄く頭がいい。
どう考えても孝明にはもったいないくらいだ。
それでも、孝明の成績が急に伸びたのは納得できた。
ヤツの成績はいつの間にか、俺を越していた。

クラスではちらほらと、誰と誰が付き合っている、だとかそんな噂を耳にする機会が増えた。
中学とは違い、クラスとしてそういう方向に意識が向っているようだった。
だからと言ったところで、相変わらず俺はそういうのに興味がなかった。
否定はしない。だが、自分がとなるとその対象となる人物がいなかった。
普通に話したりふざけあったりもする。
だが、そこから一歩発展させるような感情を起こす人間はいなかった。
あくまで友達どまり。いてもいなくても、特別な寂しさなどは感じない。
所詮自分には無縁のことだろう、と思っていた。
そして高校生活の間は本当に無縁だった。
××と付き合っているの?と聞かれたことはあったのだが。

俺の人生が一変した出来事は偶然であり突然起こったのだった。


うわーっ!何かいているんだ!
ってか、自分で何が書きたいのかわかっていない!!(何
ただ適当に書き綴っただけです。ハイ。
一応12作目。コレで半分です。折り返し地点。(意味不明
とは言え、夏休みは文藝同好会会長として頑張る予定ですので、書けるかどうか…。
むしろ期末テスト明けに思いっきり書いていそうです(笑)
ちなみに題名に意味はないのであしからず。
どこかで書いていますが(爆)「チョコレート=彼女いるか?」と言う感じだったので。

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