一人で生きていけなくって。そっと貴方に寄り添う。
歩けなくてチビな私は、手を差し伸べてくれる方なしには生きられない。
足は生まれたときから生えていなくって。
いくら手を宙に泳がせても…掴むのは空ばかり。
そんな私の口へ、食べ物を運ぶのはいつも貴方の手。
私はいつも、貴方の大きな背中を見上げるの。
大きな、大きな、貴方の影。
逞しく、天まで届きそうな貴方の姿。
その大きな背中に守られて、私は幸せです。
貴方がいなくなることを考えると怖いけれど。
周りには、貴方のように大きな方ばかりが私を見下ろしているけれど。
でも。
大丈夫な気がするんです。
私が生まれたときからずっとそばにいてくれた…貴方がいる限り。
いつか、恩返しがしたいです。
私に出来ることがあるのであれば。
貴方がもっともっと大きく成長できますように。
そばでそっと願っています。
貴方が太陽に近づけば近づくほど。
私のご飯は確かに増えるけれど。
それよりももっと嬉しいことは…貴方の喜びだから。
貴方が元気であれば私も嬉しいから。
だから。
病気の時は私を呼んで。
いつも貴方の足元でそう叫んでいる。
悪い病気が貴方の身体を支配しようとするなら、私が追い払うから。
大丈夫。私の持つ防衛機能は最強よ。
ちょっとやそっとじゃ負けないから心配しないで。
ネ。大丈夫だから。
それでもダメな時は、
共にその灯火の火を消そう――。