「えーと、これがそれでそれがあれで…。」
ただいま私は作業中、邪魔しないでほしい。
え？何をやっているのかって？
私の仕事…それは――
巡回パトローラー
そう。私の仕事、一言で言えばパトロール。
見慣れないものを見つけたときは容赦なく追い出す。
この『わたし』と言うひとつの共同体の安定を守ることが仕事だ。
休みなんてあるわけがない。
休んだらそこから見知らぬものの浸食を受けやすい。
そんなことをさせるわけにはいかない…
あくまでも私は仕事に従順なものだから…。
「おや…あれは…。」
目の前を通り過ぎるもの…あれは確か…リストにあったもののはず。
過去に一度侵入してきたものと同じ型だ。
これならすぐに追い出すか殺すことが出来る。
わたしは部下を連れて侵入者の元へ向った。
「ふぅ。大事に至らなくってよかった。」
そういって私は汗をぬぐった。
「お疲れ様です。」
「お疲れ。」
部下たちとそう言葉を交し合う。
「奴ら全くしつこいですよ、何回目ですか。」
「５回…いやもっとあるな、確かにしつこいな…。」
「おいおい『わたし』は何しているんだ…。俺たちの苦労も知らないで。」
「それを言うのはお門違いだと思うが。」
部下たちの雑談は続く。
全くのんきなもんだ。こっちは休み無しに観察・警戒しなければならないのに。
……ッ！
くそっ。油断してた…。
ある日のことだ。
見たこともない侵入者が来ていた。
そして早速荒らし始めている。
私は部下を連れてすぐに現場へ向うことになった。
身体が熱くなる。
私たちが動きやすいように、侵入者が動きにくくなるように。
かれこれ二日が経過しただろうか。
ようやく私たちは侵入者を倒すことが出来た。
犠牲は多い。しかし仕方のないことだ。
彼らには黙祷を捧げよう。
こうして私たちの仕事は今日も続く。