ガラスを挟んで

ガラスに映るもう一人の自分。
彼に意思はない。
彼の動作は僕と全く同じものをする。

そう、それが普通。
それがいつも。

ある日のことだ。
僕は偶然お父さんのいる研究所へ行くことになった。
僕は科学者でもなんでもない。
ただの、鏡や窓に映る自分、その動きを見るのが好きなただの少年だ。
8歳と言えば8歳、12歳と言えば12歳に見える顔立ちをしていた。

「お父さん、これ何なの?」
僕はそういって、目の前にある、布にかぶされたものをさした。
「ちょっとその前に立ってみて。」
そうお父さんは言ったから、僕はそれの前に立った。
お父さんが、布をはずす。
ガラスを挟んだ向こうに、もう一人の『僕』がいた。
僕と同じ動作をする。
しかし、ガラスに映った僕とは違う動き。
いつも見ているからわかる、この動きには『意思』がある、と。
「誰、なの?」
思わず僕はそう呟いた。
「ハハハハハ、これはお前のコピー、言い換えればもう一人のお前だよ。」
お父さんが笑いながら言った。
もう一人の自分…?
僕にはよく意味が分からなかった。
「まだ研究段階で、この研究所から出すことは出来ないんだが、一人っ子のお前のためのお友達だよ。」
チンプンカンプンになっている僕に気づいていないのか、お父さんがそういった。
研究段階…?
研究所から出れない…?
意味がよくわからないが、とにかく僕の『友達』らしい。

空気を挟んで見えるもう一人の自分。
彼にも意思がある。
彼は僕と違う動作もする。

けれど、研究所から出られない。
けれど、僕にあまりにも似ていすぎる。

どっちが本物か、お父さんにはわかるのだろうか?
もしかしたら僕が偽者なんじゃないだろうか?
わからない。わからない。

たった一つわかるのは――
彼は僕で、僕の友達だと言うこと。


すみません。意味不明です。
とりあえずお題:クローン
どうしてもHPを更新したかったので、即興で作ってしまいました。
ちなみに作るのにかかった時間は15分前後です。
本当はもうひとつのお題の方でも一つ作って、それでUPしようと思ったのですが、時間がないのでこれで失礼。

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