裏妙義縦走


裏妙義縦走
3月24日(金)晴れ

夜中の3時に自宅がある足立区を出発。高速道路を使わずに、山の麓にある国民宿舎まで向かい、朝7時到着。

国民宿舎のおじさんと漫談する。そのおじさん、僕を脅すようなことしか言わない。僕のために言っていることなのでありがたいことなのだが・・・・・。
「こないだ数人のパーティーが入山して一人ダメになった。」
だとか、ヘリコプターが飛んでいると、
「可哀相に、やってしまったんだな。」
とか思うそうです。国民宿舎に親が電話をかけてきて、このおじさんはホントに悲しい気持ちになるそうです。なんでもこの山は谷川岳の次に遭難事故が多い山だとか。先日、その谷川岳で遭難により一人亡くなっています。

さて、僕はどうしたらいいんだろう・・・・・・。もう引き返せないよね!?

とどめのおじさんの言葉。
「今の時期、特に今日みたいな平日は入山する人がいないから、怪我をしたらアウトだよ。この山は例え人が他にいたとしても、担いで降りてこれる山じゃないからね。気をつけて。今度は仲間と来るんだよ。」

・・・・・・・・・・。
おいおい、僕はビビりなんだから、そんなこと言わないでください。

水を持参していなかったので、とりあえず国民宿舎のトイレの水を汲む。沢沿いを進むので、水場は数ヶ所あるはずだと思ったんです。この考えが後に悲劇を生むことに!!

登りの沢は枯れていて、水を手に入れることができませんでした。下界で汲んだ便所の水でアミノ酸タブレットを飲むと、水が臭い臭い。こんなんじゃ飲めません。今回の携行食はドライフードのみだったので、食事も諦め、水も飲まずに頂上を目指すことになりました。頂上を過ぎ、三方境を越えればもう一つ水場があります。そこまで推定3〜4時間。我慢できない距離ではないです。飲む気にはなりませんが、念のため便所の水を再度携行することにしました。
先へ進むと、登山口付近には僕を追い返すように警告の立て札が3ヶ所に刺さっていた。思いっきりビビる。
でも今回の山行は修行なんです。かっこよく言うと、勇気を養う修行。ダサくいうと、切ないことがあったから現実逃避です。もういつ死んでもいいかな、と。ヘタレ人生ですから。
少し進むとこんなものが。中は3畳ほどの広さだった。避難小屋代わりかな?
丁須岩(丁須ノ頭)直下。鎖を頼りに登っていく。
このやや手前に、大したことはないんですが嫌な鎖場がありました。鎖がたわんでいて、しかも取り付け位置が低すぎ!!(僕がでかすぎるのか!?)他にルートがないか探してみると、奥には残置ロープがあった。でも凍結していて、とても登れない。仕方なしに鎖場まで引き返し、嫌々登りました。鎖がたわんでいたり、取り付け位置が低い場合、鎖に頼るとかえって危険です。鎖に振られて墜落してしまうんです。
丁須岩肩の部分。頭の部分はとても怖くて挑戦できませんでした。臆病風に吹かれちゃったわけです、はい。

ここでのんびりしていると、その長閑な風景に似つかわしくない戦闘機が1機、爆音を響かせながら飛び去りました。ん〜、なんでしょうかこのギャップは。迫撃砲か無反動砲があったなら撃ち落したい気分です。この無反動砲ってやつは自衛隊の装備で、反動のないバズーカ砲のことなんですが、僕の親友がバイクを買うときに
「無反動砲もサービスで付けてもらいなよ。」
ってギャグでアドバイスしました。したらその友達、何かバイクのパーツなのかと勘違いしたらしく、ほんとにバイク屋さんに
「無反動砲も付けてください。」
って言ったらしいです。

・・・・・・・・・・。

バカですあの子は、はい。
バイク屋さんも、
「ん〜、なんでしょうね、それは???」
なんて答えていたようです。

・・・・・・・・・・・。
揃いも揃ってバカです、はい。
浅間山。
丁須岩を横から見るとこんな感じ。両側壁は絶壁で、落ちたらサヨナラ。
金洞山。
丁須岩を下から見る。
一番上が頭の部分で、妙義山系最大の難所です。手を離したら確実に死にます。僕はその手前の部分(肩)までしか行けませんでした。
丁須岩正面!
噂の20mチムニーです。写真で見ると大したことないですが、マジ怖いです。上から見ると基部まで筒抜け。足は震えるし、あぁ〜来なきゃ良かったなんて思いました。(僕、高い所嫌いなんです。)始め2/3は垂直で、下の方1/3はやや角度がありました。鎖から手を離したらアウトだよ。近いうちにまた挑戦するので、そんときには真上から写真を撮ってみようかな。
7〜8mトラバース路。20mチムニーに比べたら楽でした。始めの方は足場があり安心。途中から足場は崩壊しています。もちろん落ちたらサヨナラ。足場がある部分で一箇所ヤバイところがあります。足場が崩れ落ちそうなんです。こんなんなら足場なんて取っ払ったほうがいい。足場と共に墜落しないために、数秒間鎖に全体重を預けなければなりません。緊張感がピークに!これ、墜落死待ちなんですかねぇ。整備しろなんて言わないですが、取ってしまったほうが良いのではないでしょうか。
烏帽子岩から丁須ノ頭を望む。
尾根伝いを歩いていると、ウ○コちゃんがたくさんいらっしゃいました。熊か猿のでしょうか。
「道ふさいでんじゃねー!」
って一人でキレてみました。
8mトラバース路を越えると、あとは緊張感のない鎖場のみです。ホールドしやすい岩場で楽チンです。林を通り抜けると三方境に至り、そこから枯葉だらけで不明瞭な道を進みます。雪の上を歩いているように脛までズブズブと埋まります。
さてさて、嫌な予感がしながらも下りの沢に到着。
およ?
少し流れがあります。
がぶ飲みしてやるぞっと小さい滝へと近づくと・・・・・。
落ち葉と泥で、とても飲めませんでした。
悲しいね、ひもじいね、腹減ったね。
下界に到着!下流の川なのでちと心配だけど、がぶ飲みしてやりました。欲張って1gは胃袋に。とりあえずお腹に異常はありませんでした。国民宿舎で風呂に入っていこうかな、と立ち寄っていく。残金は1000円。帰りはジュースを買いたいので、風呂が1000円だとアウト!
でも400円でした。きっと温泉じゃないから安いのかな?この後、タオルを忘れたことに気づき、汚れたTシャツで体を拭くことになりました。
  今回の山行

  ガソリン代 2000円
  風呂代    400円
  飲料代    320円
  タバコ代   300円

 安上がりな遊びである。次はG味くんを連れてこよう。ヤツのヘタレ具合が楽しみだ。フッフッフ。













メールしてみる