2001年夏、富良野・ファーム富田を訪ねる旅
   〜ラヴァンド色の風を追いかけて〜

 2001年7月、北海道・中富良野にあるファーム富田へとうとうやってきた。
 富良野を知らずして先にプロヴァンスへ行ってしまったわたしはこの日を本当に楽しみにしてきた。
 プロヴァンスとはまた違った意味で、感動があちらこちらにあり、毎年訪れてみたい地となった

 はじめてのファームはどしゃ降りの雨でした。
そんな中、おそろいのラヴァンド色のカッパに
身を包みラベンダーを刈り取っている光景は
目に鮮やかで印象的な心に残る一枚となりました。

 もちろん雨は植物に必要なのですが、
ファーム富田代表・富田忠雄氏は雨で土が流される
ことを心配され、又、遠くから来てくれた人たちに
「晴れた日の輝くラベンダーを見てもらいたかった」
とおしゃいます。

 以下は写真をクリックし大画面でおたのしみください!

  ファーム富田全景       花人の畑                   案内板もおしゃれ          倖の畑 

 2日目は晴天、気温も上昇し、濃紫早咲きは紫色を自慢するかのように咲いています。
倖の畑に今年建てられた小屋が実はトイレだったと気づいたのは3日目のことです。
プロヴァンスの休憩小屋をイメージした石造り、屋根には草が植えられています。
ラベンダー畑側からの景観を配慮し、こだわりにこだわりを重ねた富田氏ならではの作品です。

 毎日午前10時、富田氏は花人の舎の前でコーヒータイムをなさるそうです。
年々、お祭り騒ぎに近くなってきていることにファーム富田の方向性が正しいのか悩まれ
でもたくさんの人がラベンダーを見に来てくれること、ラベンダーによって癒される人たちが
いることを思うと止める事はできない・・・その言葉の裏に昔の静かだった頃を懐かしんで
いらっしゃる様子がうかがえました。
 

   富田氏のこだわり        濃紫3号      富田氏自筆の案内板            彩りの畑     

  富良野に数あるラベンダー畑の中で観光だけに終わらないのがファーム富田です。
ラベンダーからオイルを抽出しているのは今では日本でここだけです。
紫色のラベンダーから琥珀色のエッセンシャルオイルが抽出される蒸留風景は
この時期だけですのでおみのがしなく。
 彩りの畑、これも実は見せる畑ではなく種を採るための畑だと知りました。
 トラディショナルラベンダーの畑は十数年に一度の植え替え中です。
1面紫色の畑も魅力的ですが、植え替えの畑を見ることができるのもラベンダーファンに
とってはとても貴重な体験です。

 植え替え中のラベンダー             ポピー畑              人気のラベンダーソフト   ゴミ袋もラベンダー色

   束にする作業           乾燥されるラベンダー                              蒸留後のラベンダー


 7月中旬には毎日何万人もの人が(多い日は4万人)訪れるので、人の少ない
早朝にゆっくり見ることをおすすめします。が、一番乗りするには4時というから驚きです。
テレビ撮影も早朝が多いようです。
日中はどんなにがんばっても写真に人が入ってしまいます。(雨の日でも)
そんな時は花人の舎2Fにある資料館をのぞいてください。ファーム富田の歴史
(富田氏の若い頃の写真も必見)や香りの体験室、ラベンダークラブの部屋には
新聞掲載紙やラベンダー関係の書籍も充実し、比較的静かな時を過ごすことが
できます。
また、1F入り口では「わたしのラベンダー物語」のビデオが上映されています。
これは既に完売ですが、次のビデオ制作の計画もあるそうですのでおたのしみに。

 苗を送るときは花穂を切ってもらい、それはドライにして持ち帰ることをおすすめします。
自分の苗の花だと思うといとしさも100倍!
(3日間箱に入るのでどうしても水分不足で花は全部落ちてしまいますので。)
注:7月中旬以降は花穂は全て切り取り後の発送となるようです

おかむらさきと濃紫3号  数本だけドライにし持ち帰った

 花人の舎横の売店にあるハーブバターもガーリックトーストやお料理に重宝します。
(600円、賞味期限2週間)、ただ、売店近くに並ぶのぼり旗は仕方ないのでしょうか?
雰囲気を壊しているような気がしてなりません・・・

 ラベンダーソフト、ラベンダーカルピス、ラベンダーあんぱん(ラベンダー色のあんこが
入っていて一瞬、ギョっとしますが)、全て美味しいです。
ラベンダーカルピスはオリジナルだと思いますが、旭川空港にはキティちゃんの絵が
ついたラベンダーカルピスの濃縮スティックタイプがありました。

 今回の旅では早朝、昼、夕刻そして晴れ、曇り、雨の日のファーム富田を満喫
しました。嬉しいことに富田氏とお話できる機会にも恵まれ、ラベンダーへの思い、
ファーム富田への思いに触れることができ、今まで以上にファーム富田のファンに
なってしまいました。

こうして、ほんとうにたくさんの花人に幸せを与えてくれるラヴァンドの妖精に感謝
しながら5日間の旅を終えたのでした。