令和2年6月30日(火)音を味わう


←ブラームスの故郷ハンブルク。ブラームスが洗礼を受けた聖ミヒャエル教会の展望台から眺めたハンブルクの街並み。

(2011年12月19日撮影)










←ミルヒライスです。お米を牛乳で炊いて、シナモンで香りをつけて、お砂糖で甘くしてあります。ドイツのものは、温かいミルヒライスでした。

ウィーンのスーパーで売っているミルヒライスは、冷たくて、お米の粒々が入ったプリンみたいで、とても美味しいです。

チョコレート入りのミルヒライスや、プレーンのミルヒライスもあります。

ウィーンの学生だった頃、よく食べたデザートです。





私は、よく学生さん達に、「音の一つ一つが全部意味のある音として聴こえるように弾いてね」とアドヴァイスします。

ピアノの音は、とても面白いです。単純でなく、人間の心みたいに、とても複雑です。ドという音1つとってもc-mollで聴いているドとC-durで聴いているドと全く違って聴こえます。

まるで、周りの色に自分の身体の色を変化させるカメレオンみたいです。

「音楽」は、「音を楽しむ」と書きますが、これは、皆で騒いで、笑って楽しんでいるというよりは、音を深いところで味わう楽しみ、という方が
しっくりきます。

たった1つの音を鳴らしただけで、そこに深い人生の味わいが感じられる音。年輪を重ねただけのドラマが感じられるような、全てに意味がある音・・・。

そんな音を聴いて、聴いている人が、色んな気持ちにさせられたり、あるいは、音楽を通して、会話はないけれど、演奏者の魂に共感出来たり・・・・・。そんな味わいのある音を出せるようになると、本当の意味で音楽を楽しむことが出来ます。

魂のこもった歌心のある音楽を聴くと、こちらの魂も強く揺さぶられるのは、音を味わえたからです。


令和2年6月25日(木)ピアノと共に歩んだ道のり   いつでも他人と痛みを共有している


←エストニア、タリンで。トームペアの丘から、見える聖ニコラス教会。
ここで聴いた、パイプオルガンで演奏されたリストの「バッハの名による幻想曲とフーガ」が、とても心に残っています。

(2018年9月1日撮影)












←タリンの街並み、これは、絵葉書ですが、この通りの街並みです。
ヘルシンキから、バルト海をフェリーで2時間、あっという間に、中世のおとぎの国、タリンに入国できます。

チェコのプラハや、ポーランドのワルシャワの雰囲気によく似ていると感じました。









皆さん、私の日記を楽しみにして下さって有難うございます。「芸は身を助く」という言葉通り、親御さんが大事なお子様にしてあげられる最大のプレゼント、ピアノを習わせること、それも、趣味ではなく、本格的に、と言って下さる方たちが多く、お問い合わせ下さる皆様には、感謝の気持ちで一杯です。こんなご時世だからこそ、尚更、その子にとって、ピアノが一生の財産となりますように、生徒さん達の事を精一杯お手伝いさせて頂きます。

ピアノの事もですが、私が、どんな子供時代を送っていたか、よく尋ねられるので、今後も、様々な思いを書いていきます。50年近い歳月を生きた証として、ピアノを習っていない方でも皆様の何かのご参考になれましたら、幸いです。

私は、小学1年生の頃、「体育」のある日は、どうしようもなく辛く、家を出る時に、目を真っ赤に泣きはらして、学校へ通っていました。
子供が学校嫌いになる要因の一つに、「体育」があると私は思います。「体育」は、クラスのほとんどの子は、出来ます。それだけに、出来ない人にとっては、辛くてたまりません。

クラスの皆の前で、何回練習しても出来ない逆上がりを今日も又、させられるのかと思うと、クラスの中で1人だけ出来ない淋しさに自分が、
どうしようもなく、情けなく、惨めで、体育の授業の前は、いつも、トイレの中で、1人閉じこもって泣いていました。頑張れば出来る、この言葉程、辛い言葉はありません。頑張っても出来ないこともあるからです。どれだけ頑張ってもこの世の中は思い通りにはいかない、そのことを痛い程、幼年時代の私が、思い知る体験を沢山持てたことは良かったと思います。

かなり長い間、私は、どうして、子供達に得意な事だけを伸ばしてあげられないのか、その方が将来世の中の為にもなるし、いいのにな・・・と
学校の教育を疑問に感じていました。

が、今では、学校教育の真意が良く汲み取れるようになりました。

それは、子供時代に、どうしようもない辛さを味わうことを通過してこなければ、真の大人になれないという真理です。

私達は、いつでも他人と痛みを共有しています。

他者に対する深い思いやりと共感、体育の出来る人も出来ない人も、全てひっくるめて暖かい愛で包み込むことが、「人を慈しむ」ことです。
私達は、いつでも他人と辛さを分かち合っている存在です。どんな偉い人でも1番にはなれません。誰もが、優位に立てる立場の人など誰もいないのです。皆、子供も大人も、生命あるものは、全て同じ、平等です。

だから、例え、人よりいくらか秀でている分野があったとしても、そのことで、その人が特別に素晴らしいわけでも何でもないですし、
又は、出来ないことがあったとしても、少しもそのことで、卑屈になることもありません。

自分に与えられた天分を最大限生かし、他の人の為に貢献出来ることを喜びにして生きていけるように、集団の中で、自分とは全く違う
さまざまな人の考え方や、思想、心の痛みを沢山知ること、それを全て子供時代に教育しているところが、学校という場所なのだと思います。


令和2年6月24日(水)ピアノと共に歩んだ道のり  睡眠不足との闘いだった小学生時代


←1983年(昭和58年)10月8日土曜日 朝日新聞「この人」欄掲載
記事の本文の内容から・・・

「ピアニストをめざす三重西小6年 岩野めぐみさん

毎日3時間ピアノ一筋

第3回名古屋テレビピアノコンクール本選の小学校高学年の部で見事1位になった。
1年生の時から、毎年、大きなコンクールで好成績をおさめている。
ブランコから、落ちて右手薬指を骨折した3年を除いて。
4歳でピアノを始めた。母親の恵子さんが、音感の良さを見抜いたからだ。
「練習時間は、1日3時間。学校から帰って1時間、そして夜8時から10時までピアノに向かいます」。
グランドピアノを入れるため、23畳もある部屋を増築してもらった。
週一回は、東京へ行き、専門家の指導を受ける。
「高校からは、東京の学校へ行き、ピアニストをめざします」ときっぱり。
好きな音楽家は、シューベルト、モーツァルト。
ゆっくりした曲が得意だ。名古屋テレビコンクールでは、ベートーヴェンと三宅榛名の曲を弾いた。
コンクールの前日は、運動会だったが、欠席して練習に打ち込んだという。
ピアノ一筋の毎日だが、学校の成績は「まあまあ」とにっこり。
好きな科目は、国語。
ピアノを弾いている時は、楽しい?と尋ねると、しばらく考え込んで「あんまり楽しくない」。
厳しさを知っている。(四日市市三重6丁目・11歳)


※私の学生時代は、常に睡眠不足との闘いで、いつも疲れ切っていました。
新聞記者の方が、わざわざ、私の自宅に取材に来て下さったのに、もうちょっと、ニッコリしたらいいのにねえ・・・・(笑)


令和2年6月23日(火)ピアノと共に歩んだ道のり  ピアノに私の情熱全てをかけていた20代の頃の私


←ウィーン国立音楽大学時代、留学中住んでいた、23歳当時の私の下宿先。

(1995年2月26日撮影)













←ドイツベルリンの名物の白ビール、ベルリーナーヴァイセ。

ロート(赤)とグリュン(緑)があって、どちらも酸味があります。

私は、アルコールも一切飲まないし、タバコも吸ったことがありません。
ドイツ人、オーストリア人は、タバコの好きな女性が多かったですね。

ベルリンに来た時は、名物なので、一口味見してみました。ストローがついてくるのも面白いです。

(2011年12月20日撮影)




1992年1月15日(水)晴れ 桐朋学園大学時代、20歳当時の私の日記から・・・

「今日は、成人式だったけど、着物も着なかったし、取り立てて何もなかった。
でも、レッスンはあり、ベートーヴェンの協奏曲第4番を持って行った」。


※私は、成人式をしていません。なので、お着物も着たことがなく、成人式の写真もありません。成人式の日は、丁度、ピアノレッスンでした。
私の全ての情熱を大好きなピアノに100パーセント傾けていた20代でした。

母は、「そんなピアノばかり夢中になっていないで、帰省して成人式に出たらいいのに」と言ってくれたのですが、私自身、その当時、成人式にまるきり興味がなく、「成人式なくていいよ」と私が断りました。

音楽以外の事にまるきり興味が湧かないんですね。趣味がそのまま仕事になったというか・・・。だから、今も仕事が趣味です。


令和2年6月21日(日)ピアノ、パソコン、ピアノ、パソコン・・・・


←オーストリア、メルク修道院のガーデンパビリオンで。
(2012年8月26日撮影)












←第2回GPAダブリンピアノ国際コンクールの時、桐朋学園大学2年生の時の私。
(1991年4月22日撮影)

コンクール期間中は、ずっと、ピアノを貸し出して下さるボランティアの方のお宅へお邪魔して、練習します。

武満徹さんの曲は、真ん中のソステヌート・ペダルを使うので、やっと、このお宅で、3本ペダルが使えました。(ほとんどのピアノは、2本ペダルしかなく、練習の時は、真ん中を踏むことを頭の中で思い描いて、練習。ピアノって、指で弾くのでは、ありません。頭の中身で、弾いています。)





今日は、小学生の幼年時代から見させて頂いている、椙山女学園大学2年生の生徒さんが、久しぶりにレッスンに見えました。
バッハのイタリアコンチェルトや、ベートーヴェンの熱情など、色々聴かせて下さり、又、バイトの様子や、最近は、ヴィオラも習い始めたと近況も色々と話して聞かせて下さいました。
もう、二十歳になったそうで、来年の1月は、成人式との事。「ちゃんとあればいいですが・・・」。という彼女に、「オンライン成人式とかなったら、悲しいね」なんて、話したり・・・。PTNAも幼い頃から、大きくなるまで、毎年のように全国決勝大会に来ていた彼女で、元々、大変力のある子でしたが、久々に演奏を聴かせて頂いて、一段と大人になった彼女を見て、とても嬉しく思いました。新しい生徒さん達も、歴史の長い生徒さん達の成長も、みんな私にとっては、いつまでも大切な生徒さん達です。皆さんの成長が、いくつになってもとても楽しみですし、会いに来て下さるのがとても嬉しいです。


ここ最近は、家で個人レッスンの合間に、大学生達の動画提出の演奏に対し、コメントを書いたり、つい最近、掲載された、名音大の紹介の動画を日記に貼りつけするのに、パソコンの先生にご指導して頂きながら、HTMLソースに貼り付けしたり・・・・・。難しかったです!
パソコンの先生は、私にとっての、救急車のような存在です。生徒さん達にとって、私がピアノの救急車で、いつでも、困ったことがあったときに、いち早く駆けつける準備がいつでも出来ていますが、そんな感じで、パソコンの先生には、いつもとても感謝しています。


私のパソコンを打つのを見て、母が、「お、随分打つのが早くなったじゃないの」。とからかっていますが、自分でも、ちょっとは、上達したかなあ・・・て。

それも、一本指で、すごい勢いで打つから、「ああ、気ぜわしい」と周りからは言われております。(笑)パソコンや、スマホやコンピューターに追いかけ回されています。

ピアノ、パソコン、ピアノ、パソコン・・・・私も大変ですが、学生さん達もやらなくてはならないことが、沢山あって大変だと思います。
元々は、人間が、便利に生活できるように開発されたことが、倍時間がかかって、何だか、益々、不便さを感じます。


令和2年6月18日(木)ウィーン留学時代の日記から・・・24歳当時


←ドイツ、ベルヒテスガーデン。この中のトンネルをくぐって、エレベーターで、登ると、ケールシュタインハウス(鷲の巣)に着きます。
私が今まで訪れた、ヨーロッパの中で一番好きな場所は?と聞かれたら、迷わず、
ベルヒテスガーデン!と答えます。なぜって、ベルヒテスガーデンを見たときに、一瞬にして、その当時の悩みを忘れて、救われた場所だから・・・。
人間に相談するよりも、大自然に相談する方が、悩みを解決できる時があることを悟ったのも、この場所です。すごく不便な場所なのですが、大好きな場所で、留学中、そして、
社会人になってから・・・3回も訪れました。

この写真は、私を救ってくれた、ベルヒテスガーデンの大自然に「有難う」を言いに来た時。8月で、私は、青い長そでシャツを着ていますが、トンネルの中は、とても寒いです。

(2008年8月22日撮影)


1996年3月2日 24歳当時 ウィーン留学中の日記から・・・

「朝、7:30頃友人から、電話がかかり、「あのね、ものすごくお腹が痛いの。大家さんに言ってくれる?」と死にそうな声で言うので、急いで、友人の部屋へ行き、又、下へ降りて自分の部屋から、救急車を呼ぼうと思って電話するけど、留守番電話になっていたり、1人は、相手にしてくれなくて本当に困った。リヒャルト(大家さんの名前)に電話したら、今すぐ、救急隊みたいなのを呼んだけど、どれくらいになってくるかわかりません、と言って、
本当に心配した。
3人の男の人達が、赤い服を着た人が、やっと来てくれて、友人に、「こんな痛みは、初めてですか」とか、「どんな痛みですか、すごく痛んで、又おさまり、又痛んでという感じですか」とか言って、左腕に注射したら、刺さらなかったので、右に注射していた。急いで、薬を買いに行ってあげて、又、お医者さんが来て下さった、その人は、処方箋を書いてくれて、又、お尻に注射をしていった。
そのあと、又、薬を買いに行き、友人の生年月日を知らなかったので、又、家に戻って、ようやく、薬が買えた。
今も苦しんでいるようだ。
病気になった時が一番困る。健康なのは、つくづく幸せと思った」。

※友人の為に、救急車を呼んだのも、ウィーン留学中が、初めてでした。日本でも、そんな経験がなかったので、「痛い、痛い」と苦しむ友人を見て、本当に慌てました。痛みがあるのも、ズキズキ痛むとか、チクチク痛むとか、絞られるような痛みとか、それを友人に変わって、ドイツ語で、表現するのに、とても苦戦しました。ウィーンの救急隊員は、真っ赤な服を着ています。
小さな子供が、自分の身体の症状を言葉で訴えるのが難しい通りで、外国に行けば、3歳か4歳児みたいなものですから、病気になったとき、とても困りますね。

私が、ウィーンに到着してすぐに、周りの人達からは、「生卵を絶対に食べないように。それと、豚肉とか、鶏肉も全部、しっかりと火を通して料理しなきゃダメだよ。生卵は、サルモネラ菌といって、すごく強い菌にやられて亡くなったりする人もいるから、めぐみちゃんも気をつけて・・」との事でした。

日本のように、生卵を御飯にのせて食べることは出来ないよ・・・・と。


令和2年6月16日(火)一発勝負の撮影


















名古屋音楽大学のピアノコース、演奏家コースの教員からのメッセージの動画にアップされました。(下のYou tubeの画面をクリックして下さい。初めの画面は、違う先生のお写真がでていますが、そこの赤い中央の矢印をクリックしていただくと、一番初めに私の演奏と生徒さんとの会話が出てきます)。

そこで、私は、ラヴェルのプレリュードを演奏しています。

その後、私がピアノレッスンを担当させて頂いている、大学3年生の学生さんと共に、名古屋音楽大学の魅力についてお話しさせて頂いています。
ラヴェルのプレリュードは、パリ音楽院の初見の試験曲として、作曲されたものです。

短い曲ですが、ラヴェルの魅力が一杯詰まった、クラシックピアノの良さが伝わる曲だと思います。1分くらいで演奏できるものは何があるか・・?3日3晩寝ずに選曲を考えました。

打ち合わせもなく、一発勝負で、撮影して頂いたのですが、あまりにも立派に学生さんが話されていて、本当に感心致しました。

最近のお若い学生さん達は皆さん、しっかりしていますね。お若い学生さん達の力を頼りにしています。

←名古屋音楽大学の魅力は、実際にピアノレッスンや、授業を受けている学生さんに話を聞いた方がいいのではないかと思い、自由に話して頂きました。

撮影して下さった方も、学生さんの話に感心しきっていました。

ご興味のある方は、ご覧ください。


令和2年6月13日(土)ピアノと共に歩んだ道のり  恩師からのお手紙 1982年11月3日(小学5年生当時)


















恩師から頂いたお手紙。私が、小学5年生の時、第36回全日本学生音楽コンクール(毎コン)西日本大会本選第1位を頂いて、全国大会へ行くことが決まり、播本先生が、お手紙を下さったときの内容です。

「めぐみちゃんへ  11月3日(文化の日)

新幹線に乗って、めぐみちゃんの手紙をすぐに読みました。偶然便箋を持っていたので、カバンから取り出して、すぐ、お返事を書くことにしました。
め ぐ み の て が み は か わ い い ネ!

思わず何度か微笑んでそして涙ぐみました。そして、何よりも、あなたが、賞に入らなくて、涙をのんでいる子を忘れないでいてくれたことがとっても嬉しかったのです。

あなたが、これからも一生そういう心を忘れない優しく強い人になってくれるよう先生は願っています。

人の苦しい体験を自分の苦しさと感じられる子 人の哀しみを自分の哀しみと感じられる子であって下さい。

めぐみちゃん、今まで、つらいことが、沢山沢山あったでしょう。

これから多分もっとつらく苦しい事があります。でもそれに耐えて、克っていける強い人、そしてなお、人をいたわれる優しい人になって下さい。
そうすれば音楽の心がもっと広く豊かになってあなた自身も周囲の人にも幸せにすることができるのです。

この一位は、今までのめぐみちゃんの努力への「ごほうび」です。

でも、忘れないで、これからの努力を怠れば、もう「ごほうび」は頂けなくなっちゃうのよ。

先生もめぐみちゃんが一位になってくれたことが、とっても嬉しい。

けれど、先生は、それよりも、これからの険しい道の事を考えています。
めぐみちゃん、おめでとう!」  播本枝未子

※今から、38年も前の恩師からのお手紙ですが、大事にとってあります。
私は、格別にシャイで、レッスンの時、「お願いします」と「有難うございました」しか話すことが出来ませんでした。

そのために、お手紙で、色々な想いを書いて、先生に差し上げたら、播本先生は、「感じる心がない子だと思っていたけれど、ものすごく感じていることが沢山あるんだなあって・・・。涙が出たわ、本当に」とおっしゃって下さり、こちらの方が驚きました。

自分が、今、沢山の生徒さん達を見ていて、すごくよくわかります。無口だから、何も感じていないわけではない、それどころか、人並み以上に深く物事を見抜く力が
あったりする子も多いのです。又は、とても子供らしく、私に何でも話してくれる子も沢山います。

無口な子も、人慣れしている子も、それぞれに好ましい部分があり、どちらも、素晴らしいと思います。

人を見る時に、ある一面だけを見て、あの人がどうだ、こうだと決めてかからないように、その人が、自分でも気づいていない一番美しい面を引き出してあげることが大切だなあって・・。そんなことを自分の体験から、強く感じます。

恩師から頂いたこの時のお手紙は、小学5年生当時の私が、毎コン1位の賞を頂いたそれ以上の価値のある、今でも、私にとっての大切な宝物です。

この時の全国大会は、福岡でしたが、飛行機に乗って播本先生は、聴きにいらして下さいました。

賞なんかよりもそういう事の方が、現在の私の心を支え続けてくれるもので、今も、その想い出が、私の心に暖かく灯り続けています。

人間は、そういう体験を沢山心に持つことが、生きていくうえで一番大切なんじゃないかなあって・・・。


令和2年6月11日(木)ウィーン留学中の母からの手紙(1995年23歳当時)


←母が、私のウィーン留学中送ってくれた手紙。

(1995年3月30日、23歳当時)











「ラドゥ・ルプーのリサイタル、大変素晴らしかったみたいですね。弾くだけでなく、素晴らしい人の演奏を聴いて、一つでも盗み取ることですね。
あなたが、小学2年生の頃、播本先生が、休符の次の音にすぐ入らないで、よく聴くこととおっしゃっていましたが、そのような事を意味していたのだと思います。貴女が、小さかったので、本当に残念に思いますが、良い事ばかり、教えて下さっていました。

四日市の百貨店に出かけて思ったのですが、物が多くて、一体、誰が買うのかしら?洋服、食品、装飾品など、あまりにも物が多すぎて、見て回るだけでも疲れました。音楽会や、演劇にお金を使えるように、貴女は、物でなく、自分の心を満たせる人にどうぞなって下さい。

私は、夜は、夜中12時まで下のテレビの部屋にいます。貴女から、もし、FAXが送信されても取りやすいのと、手紙を書いていても落ち着くので、今も、24:15ですが、こうして手紙を書いています。

4月に入り、又、銀行で、家賃などの振り込みに走り回っていることでしょう。間違いのないように、全て、領収書は、必ず保管して下さいね。
それが、証拠書類となりますから、お願いしますよ。

お父さんも貴女からの航空書簡を楽しみに2人で読ませてもらっています。では、お元気でね。1995年3月30日 記す。 母より」。


令和2年6月10日(水)13年目の椙山 試験場で今期初めての対面レッスン


←今日は、今学期初めての対面レッスンです。椙山女学園大学は、高台の上に建っています。

今日は、ノートパソコンや、マウスや、コンセント、スマホ、充電器、学生さん達の書類を
キャリーケースに入れて、すごい荷物です。

坂の上までエンヤコラ、エンヤコラ運びました。








←普段なら、試験場になっているこの広いホールで今日は、レッスンさせて頂きました。

3密を防ぐためです。




学生さん達だけでなく、同僚の先生方とも、5か月ぶりにお目にかかれました。嬉しかったです。

この後、明和高校に行って、レントゲン撮影。

帰ったら、レッスンの生徒さんが待っています。走ってばかりの1日でした。



令和2年6月8日(月)案ずるより産むが易し


←名古屋音楽大学の前に綺麗な紫陽花(あじさい)が咲いていました。

もう梅雨の季節なんだなあと・・・・。











大学生の皆さん達は、対面レッスンになり、一生懸命頑張っています。
まだ、少数の学生さん達が、遠隔を希望していることもあり、大学から、ズームを通してレッスンしたりもしています。

あれだけ、生徒さん達をお騒がせした、ズームでしたが、今は、スムーズに出来るようになりました!
ラインにもビデオ通話があるんですね!て、多分、皆さん笑ったと思いますが、コロナ騒動がなければ、今まで私は、それすら、知りませんでした。
ズームでやっていても、弾いている途中で完全に凍り付いてまるきり、動かなくなってしまった学生さんのためには、途中でラインに切り替えたりして、レッスンを進めています。
ラインは、以外と音質はいいですね。

先日、生徒さんが、久しぶりに試験で、人前で演奏するので、不安だと言うので、

私は、「案ずるより産むが易し」という言葉を知っている?と尋ねました。「知りません」というので、私は、
その生徒さんに、
「赤ちゃんを産むときに、ちゃんと健康な赤ちゃんが産まれるかしらとか、死ぬほど痛いというけど、どんな痛さなのかとか、ものすごく不安に思うものだけれど、案外、終わってしまえば、どうということはなかった、ということね。出産に限らず、何でも物事に取り組む前にあれこれ、思い悩まず、実際やってみたら、それほど、難しくはなかった、という事が、ほとんどだと思うよ。だから、大丈夫!」と話しました。

大学の授業の全てが、前期は遠隔だそうで、気持ちが塞ぐようですが、レッスンが終わるとニコニコして帰っていく生徒さん達を、見ていると、
こちらも、嬉しくなります。


令和2年6月6日(土)音楽の偉大な力


来月7月11日(土)ウィルあいち3階大会議室で、愛知県立明和高等学校音楽科説明会が開催されます。

ご興味のある方は、是非、ご参加ください。

詳細は、明和高校のホームぺージをご覧ください。













今から20何年も昔、明和高校は、どんなところか、知りたくて、当時小学4年生だった私の生徒さん、中学生の生徒さん達を連れて、説明会に
私も参加させて頂いたことがあります。

国際コンクールの映像や、学内の様子、音楽科では、どんな授業が行われているのか、入試の時に、新曲視唱の課題があるけれども、どのように歌うのか、会場の方達と一緒に歌ったり、先生方からの素晴らしい内容のお話も沢山聴かせて頂けて、又、明和高校卒業生のインタビューなどもあり、まるで、自分が受験するみたいに楽しく聴かせて頂き、最初から、最後まで、とても楽しかった事を憶えています。

あれから、21年もの歳月がたったなんて・・・人間の一生は、本当に儚く短いと感じます。

今しかない、やれる時に何でもやっておかなくては・・・いつもそうやって、過ごしてきました。

音楽は、人の心を勇気づけ、生きていく大きな力ももらえ、本当に素晴らしいです。

もし、この世から、音楽がなくなってしまったら・・・・死んだも同然だと私は思っています。


令和2年6月4日(木)他の声部を弾きながら、聴きにくい声部歌う


←エストニア、タリンにある、聖ニコラス教会のイエスキリスト。
生徒さん達が、バッハを弾くときに必ず、話して聞かせます。

(2018年9月1日撮影)













←名古屋市民芸術祭参加のソロリサイタル。電気文化会館で。(2004年10月26日撮影)

←ロシアものばかり集めたその時のチラシ。

ラフマニノフのプレリュード
Op.3-2、Op.23-4、23-6

メトネルの夕べの歌、ピアノソナタOp.11-1

スクリャービン24のプレリュード全曲演奏しました。

韓国のドラマ「冬のソナタ」が大流行していた時だったので、
アンコールに弾いたら、とても喜んで下さいました。






バッハを練習するときに、是非やってみると効果が上がる練習法があります。
声部が複雑になればなるほど、聴きにくくなると思うので、その複雑な声部だけを取り出して、声に出して歌います。


ポリフォニー(多声音楽)なので、2つの手で、4声を弾き分けしなくてはならないのです。

大抵は、アルトを歌っているつもりが、いつの間にか、ソプラノ、あるいは、自分の聴きやすい声部だけ聴いていることが、歌ってみるとよくわかります。うやむやに聴いている場所も一目瞭然です。内声部がスラスラ歌えると、声に出さなくても、どの声部も耳の中で、聴き取れるようになります。

バッハだけでなく、この練習法は、どんな曲においても、「耳で聴いていない」場所、「うやむやな」場所を発見できるので、徹底した、暗譜の練習にも使えます。

ちなみに、バッハの平均律では、1巻の8番が、個人的には、とても好きです。フーガも、荘厳な祈りに満ちた歌そのものです。

イエスキリストの生涯や、聖母マリアの話も、写真や、本など見せながら、生徒さん達には、話して聞かせます。

どんな小さな生徒さん達もとても興味を持って聞いています。音楽に対する畏敬の念、リスペクトする気持ちが、幼い子供でも既に備わっていることを思うと、感動します。


令和2年6月3日(水)清潔な国 日本の素晴らしさ


←これは、何でしょう?ザルツブルグのマクドナルドです。

モーツァルトが生まれた家の近くにあります。

(2012年8月26日撮影)









今月6月13日(土)名古屋音楽大学では、第2回Web上でのオープンキャンパスが、開催されます。
動画での教員紹介や、オンラインワンポイントレッスンもありますので、音楽大学にご興味のある方は、是非、ご覧になってみてください。

オンラインワンポイントレッスンの申し込み締め切りは、6月11日(木)です。詳細は、名古屋音楽大学のホームページをご覧ください。


6月に入り、日常の生活が戻ってきました。まだ、椙山だけが、遠隔授業で、オンラインレッスンしていますが、来週は、やっと対面レッスンが出来る予定なので楽しみです。

大学生の生徒さん達に尋ねると、お昼を食べる時は、距離を随分とって、お友達と離れて食べるとの事。

どの高校、大学へ行っても、消毒、消毒です。手を洗いすぎて、「手が荒れる~」と言っている子もいます。

皆ちゃんとマスクしていて、日本は、皆がルールをきちんと守るから、本当に素晴らしいなと思います。

どこへ行っても真似出来ないくらい日本は、清潔に保たれていると感じます。


令和2年6月2日(火)生徒さん達のご活躍





















来月7月31日(金)愛知県芸術劇場コンサートホールで、奏心会主催チアーアップコンサートが開催されます。

門下生の中から、以下の方々が出演されます。

11:24~中学3年生  本村玲菜さん ベートーヴェン 月光ソナタ第3楽章

14:09~明和高校音楽科1年生 小林春水さん ショパン エチュードOp.10-4 ショパン バラード第1番

15:45~中学2年生  大藪真菜さん  シューベルト 即興曲Op.90-2

15:45~明和高校音楽科2年生  清水陽菜さん ショパン バラード第4番

を演奏致します。

1800席の素晴らしいホールで演奏させて頂けるなんて、幸せですね!
この大変な時期に、素晴らしい演奏会のチャンスを下さいまして、奏心会の主催者の先生方には、心から御礼申し上げます。

ご興味のある方は、是非、応援に行ってあげてください!(入場無料です)。